不動産登記法 06章 163条
1章 総則/0-
2章 登記所及ヒ登記官/8-
3章 登記ニ関スル帳簿及ビ図面/14-
4章 登記手続/25-
1節 通則/25-
2節 不動産ノ表示ニ関スル登記手続/78-
1款 土地ノ表示ニ関スル登記手続/78-
2款 建物ノ表示ニ関スル登記手続/91-
3節 所有権ニ関スル登記手続/100-
4節 所有権以外ノ権利ニ関スル登記手続/111-
5節 抹消ニ関スル登記手続/141-
4章ノ2 電子情報処理組織ニ依ル登記ニ関スル特例/151ノ2-
4章ノ3 他ノ法律ノ適用除外/151ノ9-
5章 審査請求/152-
6章 罰則/158-
⇒附則
 
 
(明治32年2月24日・法律第24号)
施行、明32・6・16
改正、〔昭34まで省略〕昭35-法14、昭37-法69・法161、昭38-法126、昭39-法18・法168、昭41-法93、昭42-法36・法75、昭46-法99、昭50-法90、昭53-法78、昭58-法51、昭60-法54、昭63-法81、平1-法91、平3-法61・法79・法90、平5-法22・法89、平7-法64、平8-法110、平9-法69、平10-法128、平11-法43・法87
〔注〕本法は平11法43・法87により改正されたが、各改正法の施行は平成12年4月1日(平11法87)、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」の施行の日(平成11年5月14日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日(平11法43。以下、本文注記中「2年内政令日」と記す))となっている。そのため、本書においては、各条とも、まずすべての改正を織り込んだうえで、次に当該各施行日前まで有効な条文を参照条文として示した。
 
 
第1章 総則
第1条〔登記事項〕
登記は不動産の表示又は左に掲けたる不動産に関する権利の設定、保存、移転、変更、処分の制限若くは消滅に付き之を為す
一 所有権  ■民法 第02編 物権 第03章 所有権
二 地上権  ■民法 第02編 物権 第04章 地上権
三 永小作権 ■民法 第02編 物権 第05章 永小作権
四 地役権  ■民法 第02編 物権 第06章 地役権
五 先取特権 ■民法 第02編 物権 第08章 先取特権
六 質権    ■民法 第02編 物権 第09章 質権
七 抵当権  ■民法 第02編 物権 第10章 抵当権
八 賃借権  ■民法 第03編 債権 第02章 契約 07節 賃貸借
九 採石権 
⇒判例要旨
 
第2条〔仮登記をする場合〕
仮登記は左の場合に於て之を為す
一 登記の申請に必要なる手続上の条件か具備せさるとき
二 前条に掲けたる権利の設定、移転、変更又は消滅の請求権を保全せんとするとき
右の請求権か始期附又は停止条件附なるとき其他将来に於て確定すへきものなるとき亦同し
⇒判例要旨
 
第3条〔予告登記をする場合〕
予告登記は登記原因の無効又は取消に因る登記の抹消又は回復の訴の提起ありたる場合に於て之を為す但登記原因の取消に因る訴に付ては其取消を以て善意の第三者に対抗することを得る場合に限る
⇒判例要旨
 
第4条〔登記欠缺を主張できない者〕
詐欺又は強迫に因りて登記の申請を妨けたる第三者は登記の欠缺を主張することを得す
 
第5条〔同前〕
他人の為め登記を申請する義務ある者は其登記の欠缺を主張することを得す但其登記の原因か自己の登記の原因の後に発生したるときは此限に在らす
 
第6条〔登記した権利の順位〕
同一の不動産に関して登記したる権利の順位に付き法律に別段の定なきときは其順位は登記の前後に依る
登記の前後は登記用紙中同区に為したる登記に付ては順位番号に依り別区に為したる登記に付ては受附番号に依る
 
第7条〔附記登記および仮登記の順位〕
附記登記の順位は主登記の順位に依る但附記登記間の順位は其前後に依る
仮登記を為したる場合に於ては本登記の順位は仮登記の順位に依る
 
第7条の2〔法務省令への委任〕
本法の施行に関する細則は法務省令を以て之を定む
 
第2章 登記所及ひ登記官
第8条〔管轄登記所〕
登記事務は不動産の所在地を管轄する法務局若くは地方法務局又は其支局若くは出張所か管轄登記所として之を掌る
不動産が数箇の登記所の管轄区域に跨がるときは法務省令の定むるところに依り法務大臣又は法務局若くは地方法務局の長に於て管轄登記所を指定す
 
第9条〔事務の委任〕
法務大臣は一の登記所の管轄に属する事務を他の登記所に委任することを得
 
第10条〔管轄の転属〕
不動産の所在地か甲登記所の管轄より乙登記所の管轄に転属したるときは甲登記所は其不動産の登記用紙、附属書類又は其謄本及び地図若くは建物所在図又は其写を乙登記所に移送することを要す
 
第11条〔登記事務の停止〕
登記所に於て其事務を停止せさることを得さる事故の生したるときは法務大臣は期間を定めて其停止を命することを得
 
第12条〔登記官〕
登記所に於ける事務は法務局若くは地方法務局又は其支局若くは出張所に勤務する法務事務官にして法務局又は地方法務局の長の指定したる者か登記官として之を取扱ふ
 
第13条〔申請人と親族関係ある登記官における手続〕
登記官は自己、其配偶者又は四親等内の親族か申請人なるときは其登記所に於て登記を受けたる成年者にして且登記官の配偶者又は四親等内の親族に非さる者二人以上の立会あるに非されは登記を為すことを得す但親族に付ては親族関係か止みたる後亦同し
前項の場合に於ては登記官は調書を作り立会人と共に之に署名、捺印することを要す
 
第3章 登記に関する帳簿及び図面
第14条〔登記簿の種類〕
登記簿は土地登記簿及ひ建物登記簿の二種とす
 
第15条〔登記簿の編成〕
登記簿は一筆の土地又は一箇の建物に付き一用紙を備ふ但一棟の建物を区分したる建物に在りては其一棟の建物に属するものの全部に付き一用紙を備ふ
⇒判例要旨
 
第16条〔登記簿の様式〕
登記簿は其一用紙を表題部及ひ甲乙の二区に分ち各区に事項欄、順位番号欄を設く但甲区及び乙区に付ては記載すべき事項なきときは之を設けざることを得
表題部には土地又は建物の表示に関する事項を記載す
甲区事項欄には所有権に関する事項を記載す
乙区事項欄には所有権以外の権利に関する事項を記載す
順位番号欄には事項欄に登記事項を記載したる順序を記載す
 
第16条の2〔区分所有建物の場合〕
第十五条但書の規定に依る用紙に在りては表題部及び各区は一棟の建物を区分したる各建物毎に之を設く
 
第17条〔地図・建物所在図の備付〕
登記所に地図及び建物所在図を備ふ
 
第18条〔地図・建物所在図の様式〕
地図は一筆又は数筆の土地毎に之を作製するものとし各筆の土地の区画及び地番を明確にするものなることを要す
建物所在図は一箇又は数箇の建物毎に之を作製するものとし各箇の建物の位置及び家屋番号を明確にするものなることを要す
 
第19条〔申請書編綴簿〕
登記簿の全部又は一部の滅失したる登記所に申請書編綴簿を備ふ
 
第20条〔保存期間〕
登記簿並に地図及び建物所在図は永久に之を保存することを要す
不動産の権利に関する登記の申請書は受附の日より十年間之を保存することを要す但申請書編綴簿に編綴したるものに付ては其保存期間は第七十四条第一項の規定に依る記載を為したる日より之を起算す
 
第21条〔謄・抄本の交付、登記簿の閲覧〕
何人と雖も手数料を納付して登記簿の謄本若くは抄本又は地図若くは建物所在図若くは登記簿の附属書類中地積の測量図、建物の図面其他の図面(以下本条に於て地積測量図等と称す)の全部若くは一部の写の交付を請求し又登記簿、地図若くは建物所在図又は登記簿の附属書類(地積測量図等以外のものに在りては利害の関係ある部分に限る)の閲覧を請求することを得
手数料の外郵送料を納付して登記簿の謄本若くは抄本又は地図若くは建物所在図若くは地積測量図等の全部若くは一部の写の送付を請求することを得
第一項の手数料の額は物価の状況登記簿の謄本の交付等に要する実費其他一切の事情を考慮し政令を以て之を定む
第一項の手数料の納付は登記印紙を以て之を為すことを要す〔施行は2年内政令日〕
*第21条 何人ト雖モ手数料ヲ納付シテ登記簿ノ謄本若クハ抄本又ハ地図若クハ建物所在図ノ全部若クハ一部ノ写ノ交付ヲ請求シ又利害ノ関係アル部分ニ限リ登記簿若クハ其附属書類又ハ地図若クハ建物所在図ノ閲覧ヲ請求スルコトヲ得 手数料ノ外郵送料ヲ納付シテ登記簿ノ謄本若クハ抄本又ハ地図若クハ建物所在図ノ全部若クハ一部ノ写ノ送付ヲ請求スルコトヲ得 ・〔同〕
 
第22条〔登記簿等の持出禁止〕
登記簿及ひ其附属書類並に地図及び建物所在図は事変を避くる為めにする場合を除く外登記所外に持出すことを得す但申請書其他の附属書類に付ては裁判所の命令又は嘱託ありたるときは此限に在らす
前項但書の規定は第七十四条第一項の規定に依る記載を完了する迄の間は申請書編綴簿に編綴したる書面には之を適用せす
 
第23条〔登記簿の滅失〕
登記簿の全部又は一部か滅失したる場合に於ては法務大臣は三个月より少からさる期間を定め其期間内に登記の回復を申請する者は仍ほ其登記簿に於ける順位を有すへき旨を告示することを要す
 
第24条〔滅失防止の処分〕
登記簿若くは其附属書類又は地図若くは建物所在図の滅失する虞あるときは法務大臣は必要なる処分を命することを得
 
第24条の2〔閉鎖登記簿〕
登記用紙を閉鎖したるときは之を閉鎖登記簿に編綴することを要す
閉鎖したる登記用紙は閉鎖の日より三十年間之を保存することを要す但土地の登記用紙に付ては其保存期間は五十年間とす
第十四条及び第二十一条の規定は閉鎖登記簿に之を準用す
 
第24条の3〔地図に準ずる図面〕
登記所に第十七条の規定に依り地図が備へらるる迄の間之に代へて地図に準ずる図面を備ふ
地図に準ずる図面は一筆又は数筆の土地毎に土地の位置、形状及び地番を表示するものなることを要す
何人と雖も第一項に定むる間手数料を納付して地図に準ずる図面の全部又は一部の写の交付を請求し又其閲覧を請求することを得此場合に於ては第二十一条第二項乃至第四項の規定を準用す
第十条、第二十二条第一項本文及び第二十四条の規定は第一項に定むる間地図に準ずる図面に之を準用す〔施行は2年内政令日〕
*第24条ノ3 〔同〕 〔同〕 何人ト雖モ第一項ニ定ムル間手数料ヲ納付シテ利害ノ関係アル部分ニ限リ地図ニ準ズル図面ノ閲覧ヲ請求スルコトヲ得此場合ニ於テハ第二十一条第三項及ビ第四項ノ規定ヲ準用ス 〔同〕
⇒判例要旨
 
第4章 登記手続
第1節 通則
第25条〔申請主義〕
登記は法律に別段の定ある場合を除く外当事者の申請又は官庁若くは公署の嘱託あるに非されは之を為すことを得す
嘱託に因る登記の手続に付ては法令に別段の定ある場合を除く外申請に因る登記に関する規定を準用す
⇒判例要旨
 
第25条の2〔職権による登記〕
不動産の表示に関する登記は登記官職権を以て之を為すことを得
⇒判例要旨
 
第26条〔登記の申請〕
登記は登記権利者及ひ登記義務者又は其代理人登記所に出頭して之を申請することを要す
不動産の表示に関する登記に付ては申請人登記所に出頭することを要せず
委任に因る登記申請の代理人の権限は本人の死亡、本人たる法人の合併に因る消滅、本人たる受託者の信託の任務終了又は法定代理人の死亡若くは代理権の変更若くは消滅に因りて消滅せず
⇒判例要旨
 
第27条〔同前〕
判決又は相続に因る登記は登記権利者のみにて之を申請することを得
⇒判例要旨
 
第28条〔名義人等の表示変更登記の申請〕
登記名義人の表示の変更の登記は登記名義人のみにて之を申請することを得
抵当証券の発行ありたる場合に於ては債務者の表示の変更登記は債務者のみにて之を申請することを得
 
第28条の2〔滞納処分による登記の嘱託〕
滞納処分に因る差押の登記を嘱託する場合に於て必要あるときは官庁又は公署は登記名義人又は相続人に代はり不動産の表示若くは登記名義人の表示の変更又は相続に因る権利移転の登記を登記所に嘱託することを要す
 
第28条の3〔同前〕
第四十六条の二、第五十一条第三項、第六十条の二及ひ第六十五条の規定は前条の登記に之を準用す
 
第29条〔公売処分等による登記の嘱託〕
官庁又は公署は登記権利者の請求ありたるときは遅滞なく嘱託書に公売処分に因る権利移転を証する書面を添附して左の登記を登記所に嘱託することを要す
一 公売処分に因る権利移転の登記
二 公売処分に因り消滅したる権利の登記の抹消
三 滞納処分に関する差押の登記の抹消
 
第30条〔官公有不動産の登記の嘱託〕
官有不動産又は地方公共団体の所有に係る不動産に関する権利に付き為すへき登記は登記権利者の請求に因り官庁若くは公署より遅滞なく嘱託書に登記原因を証する書面を添附して之を登記所に嘱託することを要す
 
第31条〔同前〕
官庁又は公署か不動産に関する権利を取得したるときは其権利に付き為すへき登記は其官庁又は公署より遅滞なく嘱託書に登記原因を証する書面及ひ登記義務者の承諾書を添附して之を登記所に嘱託することを要す
官庁又は公署か取得したる不動産に関する権利の変更又は処分の制限に付き為すへき登記は官庁又は公署か登記権利者なるときは職権を以て、登記義務者なるときは登記権利者の請求に因り官庁又は公署より遅滞なく嘱託書に登記原因を証する書面を添附して之を登記所に嘱託することを要す但官庁又は公署か登記権利者なるときは登記義務者の承諾書をも添附することを要す
官庁又は公署か取得したる不動産に関する権利の消滅の登記は登記権利者の請求に因り官庁又は公署より遅滞なく嘱託書に登記原因を証する書面を添附して之を登記所に嘱託することを要す
 
第32条〔仮登記の申請〕
仮登記は申請書に仮登記義務者の承諾書又は仮処分命令の正本を添附して仮登記権利者より之を申請することを得
 
第33条〔仮登記仮処分命令〕
前条の仮処分命令は不動産の所在地を管轄する地方裁判所が仮登記権利者の申請に因り仮登記原因の疎明ありたる場合に於て之を発す
申請を却下したる決定に対しては即時抗告を為すことを得
前項の即時抗告に付ては非訟事件手続法の規定を準用す
 
第34条〔予告登記〕
予告登記は第三条に掲けたる訴を受理したる裁判所の裁判所書記官より職権を以て遅滞なく嘱託書に訴状の謄本又は抄本を添附して之を登記所に嘱託することを要す
 
第35条〔登記申請に必要な書面〕
登記を申請するには左の書面を提出することを要す
一 申請書
二 登記原因を証する書面
三 登記義務者の権利に関する登記済証
四 登記原因に付き第三者の許可、同意又は承諾を要するときは之を証する書面
五 代理人に依りて登記を申請するときは其権限を証する書面
登記原因を証する書面か執行力ある判決なるときは前項第三号及ひ第四号に掲けたる書面を提出することを要せす
官庁の所管に属する不動産に関する権利に付き登記を嘱託する場合に於て命令又は規則を以て指定せられたる官庁又は公署の職員は第一項第五号に掲けたる書面を提出することを要せす
⇒判例要旨
 
第36条〔申請書の記載事項〕
申請書には左の事項を記載し申請人之に署名、捺印することを要す
一 不動産所在の郡、市、区、町村、字及ひ地番
二 申請人の氏名、住所若し申請人か法人なるときは其名称及ひ事務所
三 代理人に依りて登記を申請するときは其氏名、住所
四 登記原因及ひ其日附
五 登記の目的
六 登記所の表示
七 年月日
土地の表示又は土地を目的とする権利に関する登記を申請する場合に於ては前項に掲げたる事項の外左の事項を記載することを要す
一 地目
二 地積
建物の表示又は建物を目的とする権利に関する登記を申請する場合に於ては第一項に掲げたる事項の外左の事項を記載することを要す
一 建物の種類、構造及び床面積
二 家屋番号
三 建物の番号あるときは其番号
四 附属建物あるときは其種類、構造及び床面積
前項の場合に於て建物又は附属建物が一棟の建物を区分したるものなるときは其一棟の建物の所在の郡、市、区、町村、字及び地番並に構造及び床面積を記載し若し一棟の建物の番号あるときは其番号を記載することを要す但第一項第一号に掲げたる事項は之を記載することを要せず
前項の場合に於て申請書に一棟の建物の番号を記載したるときは建物の表示の登記を申請する場合を除く外一棟の建物の構造及び床面積は之を記載することを要せず
⇒判例要旨
 
第37条〔同前〕
買戻の特約の登記を申請する場合に於ては申請書に買主が払ひたる代金及び契約の費用を記載し若し登記原因に買戻の期間の定あるときは之を記載することを要す
⇒判例要旨
 
第38条〔同前〕
登記原因に登記の目的たる権利の消滅に関する事項の定あるときは申請書に其事項を記載することを要す
 
第39条〔同前〕
不動産の表示又は権利の設定、保存若くは移転の登記を申請する場合に於て所有者又は登記権利者が二名以上なるときは申請書に其持分を記載することを要す
 
第39条の2〔同前〕
権利の一部移転の登記を申請する場合に於ては申請書に其部分の表示を為し若し登記原因に民法第二百五十六条第一項但書(同法第二百六十四条に於て準用する場合を含む)の定あるときは之を記載することを要す
⇒判例要旨
 
第40条〔登記原因証書のない場合〕
登記原因を証する書面か初より存在せす又は之を提出すること能はさるときは申請書の副本を提出することを要す
 
第41条〔相続登記申請書の添付書面〕
登記原因か相続なるときは申請書に相続を証する市町村長若くは区長の書面又は之を証するに足るへき書面を添附することを要す
 
第42条〔相続人による申請〕
申請人か登記権利者又は登記義務者の相続人なるときは申請書に其身分を証する市町村長若くは区長の書面又は之を証するに足るへき書面を添附することを要す
⇒判例要旨
 
第43条〔名義人の表示変更の登記〕
登記名義人の表示の変更の登記を申請する場合に於ては申請書に其表示の変更を証する市町村長若くは区長の書面又は之を証するに足るへき書面を添附することを要す
前項の規定は第二十八条第二項の規定に依る変更登記の申請に之を準用す
 
第44条〔登記済証滅失の場合〕
登記義務者の権利に関する登記済証か滅失したるときは申請書に登記を受けたる成年者二人以上か登記義務者の人違なきことを保証したる書面二通を添附することを要す此場合に於て保証を為す者が他の登記所に於て登記を受けたる者なるときは其登記簿の謄本をも添附することを要す
⇒判例要旨
 
第44条の2〔同前−登記義務者への通知〕
前条の規定に依る書面を提出して所有権に関する登記の申請ありたる場合に於ては第四十九条第一号乃至第九号の規定に依り却下すべきときを除く外登記官は其旨を郵便を以て登記義務者に通知することを要す
前項の通知を発したる日より三週間内に登記義務者が法務省令の定むる書面を以て登記申請の間違なきことを登記官に申出たる場合に於ては其申出の時に登記官が其登記の申請書を受取りたるものと看做す
 
第45条〔第三者の許可書等を要する場合〕
申請書に第三者の許可、同意又は承諾を証する書面を添附することを要する場合に於ては其第三者をして申請書に署名、捺印せしめて其書面に代ふることを得
 
第46条〔数個の不動産に関する一括申請〕
同一の登記所の管轄内に在る数箇の不動産に関する登記を申請する場合に於ては登記原因及ひ登記の目的か同一なるときに限り同一の申請書を以て登記を申請することを得
 
第46条の2〔代位による登記〕
債権者か民法第四百二十三条の規定に依り債務者に代位して登記を申請するには申請書に債権者及ひ債務者の氏名又は名称、住所又は事務所及ひ代位原因を記載し且代位原因を証する書面を添附することを要す
⇒判例要旨
 
第47条〔申請書の受付け〕
登記官か申請書を受取りたるときは受附帳に登記の目的、申請人の氏名、受附の年月日及ひ受附番号を記載し申請書に受附の年月日及ひ受附番号を記載することを要す但同一の不動産に関して同時に数箇の申請ありたるときは同一の受附番号を記載することを要す
申請書其他の書面の受領証には受附の年月日及ひ受附番号を記載し之を申請人に交付することを要す
 
第48条〔登記の順序〕
登記官は受附番号の順序に従ひて登記を為すことを要す
⇒判例要旨
 
第49条〔申請の却下〕
登記官は左の場合に限り理由を附したる決定を以て申請を却下することを要す但申請の欠缺か補正することを得へきものなる場合に於て申請人か即日に之を補正したるときは此限に在らす
一 事件か其登記所の管轄に属せさるとき
二 事件か登記すへきものに非さるとき
三 不動産の表示に関する登記を申請する場合を除く外当事者か出頭せさるとき
四 申請書か方式に適合せさるとき
五 申請書に掲けたる不動産又は登記の目的たる権利の表示か登記簿と牴触するとき
六 第四十二条に掲けたる書面を提出したる場合を除く外申請書に掲けたる登記義務者の表示か登記簿と符合せさるとき
七 申請書に掲けたる事項か登記原因を証する書面と符合せさるとき
八 申請書に必要なる書面又は図面を添附せさるとき
九 登録免許税を納付せさるとき
十 土地又は建物の表示に関する登記の申請書に掲げたる土地又は建物の表示に関する事項が登記官の調査の結果と符合せざるとき
十一 第四十四条の二第二項の期間内に同項の申出なきとき
⇒判例要旨
 
第50条〔登記官の実地調査権〕
登記官は土地又は建物の表示に関する登記の申請ありたる場合又は職権を以て其登記を為す場合に於て必要あるときは土地又は建物の表示に関する事項を調査することを得
登記官は前項の調査を為す場合に於て必要あるときは日出より日没までの間に限り土地若くは建物を検査し又は土地若くは建物の所有者其他の関係人に文書の呈示を求め若くは質問を為すことを得此場合に於ては其身分を証する書面を携帯し関係人の請求あるときは之を呈示することを要す
 
第51条〔登記の記載事項〕
表題部に登記を為すには不動産の表示に関する事項、登記原因及び其日附並に登記の年月日を記載して登記官捺印することを要す
事項欄に登記を為すには申請書受附の年月日、受附番号、登記権利者の氏名、住所、登記原因、其日附、登記の目的其他申請書に掲けたる事項にして登記すへき権利に関するものを記載して登記官捺印することを要す
第四十六条の二の申請ありたる場合に於て登記を為すには前項の規定に依るの外事項欄に債権者の氏名又は名称、住所又は事務所及ひ代位原因を記載することを要す
 
第52条〔順位番号の記載〕
事項欄に登記を為すときは順位番号欄に番号を記載することを要す
 
第53条〔附記登記の順位番号の記載〕
附記に依る登記の順位番号を記載するには主登記の番号を用ゐ其番号の左側に附記何号と記載することを要す
 
第54条〔仮登記の記載〕
仮登記は登記用紙中相当区事項欄に之を為し其左側に余白を存することを要す
 
第55条〔仮登記の本登記の記載〕
仮登記を為したる後本登記の申請ありたるときは仮登記の左側の余白に其登記を為すことを要す
 
第56条〔権利の変更登記〕
権利の変更の登記に付き登記上利害の関係を有する第三者ある場合に於ては申請書に其承諾書又は之に対抗することを得へき裁判の謄本を添附したるときに限り附記に依りて其登記を為す尚権利の変更の登記に付き利害の関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人あるときは其者の承諾書又は之に対抗することを得へき裁判の謄本をも添附することを要す
抵当証券の発行ありたる場合に於ては其抵当権の変更登記の申請書に抵当証券を添附することを要す
⇒判例要旨
 
第57条〔同前〕
権利の変更の登記を為すときは変更したる登記事項を朱抹することを要す
 
第58条〔登記名義人の表示変更の登記の記載〕
登記名義人の表示の変更の登記は附記に依りて之を為す
前項の登記を為すときは前の表示を朱抹することを要す
 
第59条〔行政区画・名称の変更〕
行政区画又は其名称の変更ありたるときは登記簿に記載したる行政区画又は其名称は当然之を変更したるものと看做す字又は其名称の変更ありたるとき亦同し
 
第59条の2〔買戻特約の登記〕
買戻の特約の登記は買主の権利取得の登記に附記して之を為す
買戻に因る権利取得の登記を為したるときは前項の登記を抹消することを要す
前二項の規定は登記の目的たる権利の消滅に関する事項の定の登記に付き之を準用す
⇒判例要旨
 
第60条〔登記済証の還付〕
登記官か登記を完了したるときは登記原因を証する書面又は申請書の副本に申請書受附の年月日、受附番号、順位番号及ひ登記済の旨を記載し登記所の印を押捺して之を登記権利者に還付することを要す但其登記が所有権の登記ある不動産の合筆若くは合併の登記及び合体に因る建物の表示の登記以外の不動産の表示に関する登記、登記名義人の表示の変更若くは更正の登記又は抹消の登記なるときは申請書受附の年月日、受附番号及び順位番号を記載することを要せず其登記が所有権の登記ある不動産の合筆又は合併の登記なるときは合併に因りて所有権の登記を為したる旨をも、其登記が所有権の登記ある建物の合体に因る建物の表示の登記なるときは合体に因りて所有権の登記を為したる旨をも記載することを要す
申請書に添附したる登記済証又は第四十四条に掲けたる書面の一通には登記の目的及ひ登記済の旨を記載し登記所の印を押捺して之を登記義務者に還付することを要す但登記名義人か多数なる場合に於て其一部か登記義務者なるときは登記義務者の氏名をも記載することを要す
 
第60条の2〔同前〕
第四十六条の二の場合に於て登記官か登記を完了したるときは前条第一項に掲けたる書類を債権者に還付し且登記済の旨を登記権利者に通知することを要す
 
第61条〔嘱託登記の場合の登記済証の交付〕
官庁又は公署か登記権利者の為めに登記を嘱託したる場合に於て登記所より登記済証の還付を受けたるときは遅滞なく之を登記権利者に交付することを要す
 
第62条〔不動産の表示の登記の通知〕
登記官が不動産の表示に関する登記を為したるときは遅滞なく其旨を申請人以外の表題部に記載したる所有者、更正前の表題部に所有者として記載せられたる者若くは所有権の登記名義人又は其一人に通知することを要す
 
第63条〔錯誤・遺漏ある登記の通知〕
登記官か権利に関する登記を完了したる後其登記に付き錯誤又は遺漏あることを発見したるときは遅滞なく其旨を登記権利者及ひ登記義務者に通知することを要す但登記権利者又は登記義務者か多数なるときは其一人に通知するを以て足る
 
第64条〔職権による更正登記およびその通知〕
前条の場合に於て登記の錯誤又は遺漏か登記官の過誤に出てたるときは登記上利害の関係を有する第三者ある場合を除く外登記官は遅滞なく法務局又は地方法務局の長の許可を得て登記の更正を為し其旨を登記権利者及ひ登記義務者に通知することを要す
前条但書の規定は前項の場合に之を準用す
 
第65条〔代位登記申請者への通知〕
前二条の通知は第四十六条の二の場合に於ては債権者に亦之を為すことを要す
 
第66条〔申請による更正登記〕
第五十六条及ひ第五十七条の規定は権利に関する登記の更正を為す場合に之を準用す
⇒判例要旨
 
第67条〔抹消回復登記〕
抹消したる登記の回復を申請する場合に於て登記上利害の関係を有する第三者あるときは申請書に其承諾書又は之に対抗することを得へき裁判の謄本を添附することを要す尚登記の回復に付き利害の関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人あるときは其者の承諾書又は之に対抗することを得へき裁判の謄本をも添附することを要す
 
第68条〔同前〕
登記回復の申請ありたる場合に於て登記を回復するときは回復の登記を為したる後更に抹消に係る登記と同一の登記を為し若し或登記事項のみか抹消に係るときは附記に依り更に其事項を登記することを要す
 
第69条〔滅失回復登記〕
第二十三条の場合に於ては登記権利者のみにて登記の回復を申請することを得
 
第70条〔同前〕
前条の申請を為す場合に於ては申請書に前登記の順位番号、申請書受附の年月日、受附番号を記載し前登記の登記済証を添附することを要す
 
第71条〔同前〕
第六十九条の申請ありたる場合に於て登記を為すときは登記用紙中相当区順位番号欄に前登記の番号を記載し事項欄に前登記の申請書受附の年月日及ひ受附番号を記載することを要す
登記官は回復の登記を為す場合に於て前登記に付き職権を以て記載したる事項ありたることを発見したるときは其事項をも記載することを要す
 
第72条〔滅失回復登記期間中の新登記申請〕
第二十三条の規定に依りて定めたる期間中に受附けたる権利に関する新登記の申請書、通知書及び許可書は受附番号の順序に従ひて之を申請書編綴簿に編綴することを要す
前項の規定に依る編綴ありたるときは登記すへき事項に付ては編綴の時に登記ありたると同一の効力を生す
 
第73条〔同前〕
第六十条乃至第六十一条の規定は登記官か前条第一項の規定に依る編綴を完了したる場合に之を準用す
申請書に登記済証を添附することを要する場合に於ては前項の規定に依る編綴済証の添附を以て之に代ふることを得
 
第74条〔滅失回復登記期間満了による新登記の記載〕
第二十三条の規定に依りて定めたる期間満了したるときは遅滞なく第七十二条第一項に掲けたる書面に基き登記簿に記載を為すことを要す
前項の場合に於ては事項欄に為したる登記の末尾に同項の書面に基き登記したる旨及び其年月日を記載し登記官捺印することを要す
 
第75条〔同前〕
前条第一項の規定に依りて登記簿に記載を為したるときは当事者に対し之に登記済証を与ふへき旨を通知し若し回復したる登記と同項の規定に依りて記載したる登記と牴触するときは同時に其旨を通知することを要す
当事者か登記済証を申請する場合に於ては第七十三条第一項の規定に依る編綴済証を提出することを要す
第六十条の規定は前項の申請ありたる場合に之を準用す
 
第76条〔枚数過多による移記〕
登記用紙の枚数過多にして取扱不便と為るに至りたるときは其登記を新用紙に移すことを得
前項の場合に於ては表題部及び事項欄に移したる登記の末尾に同項の規定に依りて登記を移したる旨及び其年月日を記載し登記官捺印することを要す
第一項の規定に依りて登記を移したるときは前登記用紙を閉鎖することを要す
第一項及び第二項の規定は表題部又は各区の枚数過多にして取扱不便と為るに至りたる場合に之を準用す
前項の規定に依りて登記を移したるときは前の表題部又は各区の用紙は之を閉鎖したる登記用紙と看做す
 
第76条の2〔移記・転写事項〕
登記を移し又は転写する場合に於ては現に効力を有する登記のみを移し又は転写すへし
 
第77条〔登記等における記載の文字〕
登記を為し又は申請書其他登記に関する書面を作るには字画明瞭なることを要す
金銭其他の物の数量、年月日及ひ番号を記載するには壱弐参拾の字を用ゐることを要す
文字は之を改竄することを得す若し訂正、挿入又は削除を為したるときは其字数を欄外に記載し又は文字の前後に括弧を附し之に捺印し其削除に係る文字は尚ほ読得へき為め字体を存することを要す
 
第2節 不動産の表示に関する登記手続
第1款 土地の表示に関する登記手続
第78条〔土地の表示の登記〕
土地の表示の登記に於ては左の事項を登記することを要す
一 土地所在の郡、市、区、町村及び字
二 地番
三 地目
四 地積
五 所有権の登記なき土地に付ては所有者の氏名、住所若し所有者が二名以上なるときは其持分
 
第79条〔地番・地目・地積〕
登記所は政令の定むるところに依り地番区域を定め土地一筆毎に地番を附することを要す
地目及び地積を定むるに付き必要なる事項は政令を以て之を定む
 
第80条〔土地の表示の登記申請〕
新に土地を生じたるときは所有者は一个月内に土地の表示の登記を申請することを要す
前項の登記の申請書には地積の測量図、土地の所在図及び申請人の所有権を証する書面を添附することを要す
所有者の変更ありたるときは新所有者は其変更ありたる日より一个月内に第一項の登記を申請することを要す
 
第81条〔土地の表示の変更の登記申請〕
地目又は地積の変更ありたるときは表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人は一个月内に土地の表示の変更の登記を申請することを要す
前項の登記の申請書には変更後の地目又は地積を記載し地積の変更の登記の申請書には地積の測量図を添附することを要す
所有者の変更ありたるときは新所有者は其者の為所有権の登記ありたる日より一个月内に第一項の登記を申請することを要す
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)の適用又は準用せらるる河川の河川区域内の土地の一部が滅失したるときは河川管理者は遅滞なく地積の変更の登記を嘱託することを要す
 
第81条の2〔分筆・合筆の登記〕
土地の分筆又は合筆の登記は表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人の申請に因り之を為す
前項の登記の申請書には分割又は合併後の土地の表示を為し分筆の登記の申請書には分割後の土地の地積の測量図を、所有権の登記ある土地の合筆の登記の申請書には合併前の何れか一筆の土地の所有権の登記の登記済証を添附することを要す
第四十四条及び第四十四条の二の規定は前項の登記済証が滅失したる場合に之を準用す
一筆の土地の一部が別地目と為り又は地番区域を異にするに至りたるときは第一項の申請なき場合に於ても登記官は其土地の分筆の登記を為すことを要す
地図を作製する場合に於て必要あるときは第一項に掲げたる者の申請なき場合に於ても其者の異議なきときに限り登記官は土地の分筆又は合筆の登記を為すことを得
 
第81条の3〔土地の合併のできない場合〕
所有権の登記及び承役地に付き為す地役権の登記以外の権利に関する登記ある土地に付ては合併を為すことを得ず但其登記が先取特権、質権又は抵当権に関するものなる場合に於ては其登記と登記原因、其日附、登記の目的及び受附番号が同一なる登記のみある他の土地との合併は此限に在らず
所有権の登記なき土地と所有権の登記ある土地との合併は之を為すことを得ず
 
第81条の4〔地役権等の登記ある土地の分筆・合筆登記〕
承役地に付き為す地役権の登記ある土地の分筆又は合筆の登記を申請する場合に於て分割又は合併後の土地の一部に地役権が存続すべきときは申請書に其部分を記載し之を証する地役権者の書面及び其部分を示したる図面を添附することを要す
先取特権、質権又は抵当権の登記ある土地の分筆の登記を申請する場合に於て分割後の数筆の土地に其権利が存続すべきときは申請書に共同担保目録を添附することを要す此場合に於て分割前の土地に関する権利が他の登記所の管轄に属する不動産に関する権利と共に先取特権、質権又は抵当権の目的たるときは其登記所の数に応じたる共同担保目録をも添附することを要す
第八十一条の二第四項又は第五項の規定に依り先取特権、質権又は抵当権の登記ある土地の分筆の登記を為すときは登記官は前項の規定に準じ共同担保目録を作成することを要す
 
第81条の5〔地目・地積の更正、所有者の表示の変更・更正の登記申請〕
第八十一条第二項の規定は地目又は地積の更正の登記の申請に、第四十三条の規定は表題部に記載したる所有者の表示の変更又は更正の登記の申請に之を準用す
⇒判例要旨
 
第81条の6〔所有者等の変更登記〕
表題部に記載したる所有者又は其持分の変更ありたるときは所有権に関する登記の手続に依るに非ざれば之を登記することを得ず
 
第81条の7〔所有者等の更正登記〕
表題部に記載したる所有者の更正の登記は申請書に其者の承諾書を添附して書面に依り自己の所有権を証する者より之を申請することを得
表題部に記載したる所有者の持分の更正の登記は申請書に持分を更正すべき他の共有者の承諾書を添附して共有者の一人より之を申請することを得
 
第81条の8〔土地の滅失登記〕
土地が滅失したるときは表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人は一个月内に土地の滅失の登記を申請することを要す
河川法の適用又は準用せらるる河川の河川区域内の土地が滅失したるときは河川管理者は遅滞なく滅失の登記を嘱託することを要す
⇒判例要旨
 
第81条の9〔変更・更正の登記手続〕
地番、地目又は地積の変更又は更正の登記を為すときは変更又は更正前の地番、地目又は地積の表示を朱抹することを要す
表題部に記載したる所有者の表示の変更若くは更正又は所有者若くは其持分の更正の登記を為すときは変更又は更正前の所有者又は其持分の表示を朱抹することを要す
 
第82条〔分筆の登記手続〕
甲地を分割して其一部を乙地と為す場合に於て分筆の登記を為すときは登記用紙中表題部に分割に因りて何番の土地の登記用紙より移したる旨を記載することを要す
前項の手続を為したるときは甲地の登記用紙中表題部に残余部分の表示を為し分割に因りて他の部分を何番の土地の登記用紙に移したる旨を記載し前の表示を朱抹することを要す
 
第83条〔同前〕
前条第一項の場合に於ては乙地の登記用紙中相当区事項欄に甲地の登記用紙より所有権其他の権利に関する登記を転写し申請書受附の年月日及ひ受附番号を記載し登記官捺印することを要す此場合に於て所有権、先取特権、質権及び抵当権以外の権利に付ては甲地が共に其権利の目的たる旨を、先取特権、質権又は抵当権に付ては既に他の権利が共に其権利の目的たる旨の記載あるときを除き共同担保目録に掲げたる他の不動産に関する権利が共に其権利の目的たる旨を記載することを要す
甲地の登記用紙より乙地の登記用紙に所有権以外の権利に関する登記を転写したるときは甲地の登記用紙中其権利に関する登記に先取特権、質権及び抵当権以外の権利に付ては乙地が共に其権利の目的たる旨を、先取特権、質権又は抵当権に付ては既に他の権利が共に其権利の目的たる旨の記載あるときを除き共同担保目録に掲げたる他の不動産に関する権利が共に其権利の目的たる旨を附記することを要す
申請書に所有権以外の権利の登記名義人か乙地に関し其権利の消滅を承諾したることを証する書面又は之に対抗することを得へき裁判の謄本を添附したるときは甲地の登記用紙中其権利に関する登記に乙地に関し其権利の消滅したる旨を附記することを要す
申請書に所有権以外の権利の登記名義人が甲地に関し其権利の消滅を承諾したることを証する書面又は之に対抗することを得べき裁判の謄本を添附したるときは乙地の登記用紙中相当区事項欄に其権利に関する登記を転写し申請書受附の年月日及び受附番号を記載し登記官捺印することを要す此場合に於ては甲地の登記用紙中其権利に関する登記に甲地に関し其権利の消滅したる旨を附記し其登記を朱抹することを要す
前二項の権利を目的とする第三者の権利に関する登記あるときは申請書に其者の承諾を証する書面又は之に対抗することを得べき裁判の謄本を添附することを要す
第三項及び第四項の規定は前項の書面の添附ありたる場合に於ける第三者の権利に関する登記に付き之を準用す
 
第84条〔同前〕
第八十一条の四第一項の場合に於て分筆の登記を為したるときは甲地又は乙地の登記用紙中地役権に関する登記に其地役権の存続すべき部分を附記することを要す
前条第三項の規定は第八十一条の四第一項の場合に於て甲地のみに付き地役権が存続すべきときに、前条第四項の規定は第八十一条の四第一項の場合に於て乙地のみに付き地役権が存続すべきときに之を準用す
 
第85条〔分合筆の登記手続〕
甲地を分割して其一部を乙地に合併する場合に於て合併の登記を為すときは乙地の登記用紙中表題部に合併に因りて何番の土地の登記用紙より移したる旨を記載し前の表示を朱抹することを要す
前項の場合に於て乙地が所有権の登記ある土地なるときは乙地の登記用紙中甲区事項欄に申請人の氏名、住所及び合併に因りて其者の所有権の登記を為す旨を記載し乙区事項欄に甲地の登記用紙より地役権の登記を転写し合併したる部分のみが甲地と共に地役権の目的たる旨を記載して夫々申請書受附の年月日及ひ受附番号を記載し登記官捺印することを要す
地役権の登記を転写すべき場合に於て登記原因、其日附、登記の目的及び受附番号が同一なるときは転写に代へ乙地の登記用紙に甲地の地番及び其土地に付き同一事項の登記ある旨を記載すべし
第一項の場合に於て第八十一条の三第一項但書の登記あるときは乙地の登記用紙中其登記に其登記が合併後の土地の全部に関する旨を附記することを要す
第八十二条第二項、第八十三条第二項乃至第六項及ひ前条の規定は第一項の場合に之を準用す
 
第86条〔合筆の登記手続〕
甲地を乙地に合併する場合に於て合筆の登記を為すときは乙地の登記用紙中表題部に合併に因りて何番の土地の登記用紙より移したる旨を記載し前の表示を朱抹することを要す
甲地の登記用紙中表題部に合併に因りて何番の土地の登記用紙に移したる旨を記載し甲地の表示を朱抹し其登記用紙を閉鎖することを要す
 
第87条〔同前〕
前条の場合に於て乙地が所有権の登記ある土地なるときは乙地の登記用紙中甲区事項欄に申請人の氏名、住所及び合併に因りて其者の所有権の登記を為す旨を記載し乙区事項欄に甲地の登記用紙より地役権の登記を移し其登記か甲地たりし部分のみに関する旨を記載して夫々申請書受附の年月日及ひ受附番号を記載し登記官捺印することを要す
第八十四条第一項並に第八十五条第三項及び第四項の規定は前項の場合に之を準用す
 
第88条〔土地の滅失登記手続〕
土地の滅失の登記を為すときは土地の表示を朱抹し其登記用紙を閉鎖することを要す
 
第89条〔同前〕
前条の場合に於て滅失したる土地が他の不動産と共に所有権以外の権利の目的たりしときは他の不動産の登記用紙中相当区事項欄に滅失したる土地の表示を為し滅失の原因及び其土地の滅失したることを附記し其不動産と共に所有権以外の権利の目的たる旨を記載したる登記中滅失したる土地の表示を朱抹することを要す
滅失したる土地が他の不動産と共に先取特権、質権又は抵当権の目的たりしときは前項の規定に従ひて為すべき登記は共同担保目録に之を為すことを要す
他の不動産の所在地が他の登記所の管轄に属するときは遅滞なく第一項の登記を其登記所に嘱託することを要す
前項の嘱託を受けたる登記所は遅滞なく第一項及び第二項に定めたる手続を為すことを要す
 
第90条〔河川区域内の土地等の登記〕
土地又は其一部が河川法の適用又は準用せらるる河川の河川区域内のものと為りたるときは河川管理者は遅滞なく其旨の登記を嘱託することを要す尚土地又は其一部が河川法第六条第二項の高規格堤防特別区域内、同条第三項の樹林帯区域内、同法第二十六条第四項の特定樹林帯区域内又は同法第五十八条の二第二項の河川立体区域内のものと為りたるときは其旨の登記をも嘱託することを要す
前項の登記の嘱託ありたる場合に於て登記を為すときは登記用紙中表題部に河川区域内又は高規格堤防特別区域内、樹林帯区域内、特定樹林帯区域内若くは河川立体区域内の土地なる旨を記載することを要す
土地又は其の一部が河川区域内又は高規格堤防特別区域内、樹林帯区域内、特定樹林帯区域内若くは河川立体区域内の土地に非ざるものと為りたるときは河川管理者は遅滞なく第一項の登記の抹消を嘱託することを要す
土地の一部に付き第一項又は前項の登記の嘱託を為すべきときは河川管理者は分筆の登記を嘱託することを得
第四十六条の二及び第六十条の二の規定は前項の分筆の登記に之を準用す
 
第2款 建物の表示に関する登記手続
第91条〔建物の表示の登記〕
建物の表示の登記に於ては左の事項を登記することを要す
一 建物所在の郡、市、区、町村、字及び地番
二 家屋番号
三 種類、構造及び床面積
四 建物の番号あるときは其番号
五 附属建物あるときは其種類、構造及び床面積
六 所有権の登記なき建物に付ては所有者の氏名、住所若し所有者が二名以上なるときは其持分
建物又は附属建物が一棟の建物を区分したるものなるときは前項第二号乃至第六号に掲げたる事項の外左の事項を登記することを要す
一 一棟の建物の所在の郡、市、区、町村、字及び地番
二 一棟の建物の構造及び床面積
三 一棟の建物の番号あるときは其番号
四 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第二条第六項の敷地利用権たる登記したる権利にして建物又は附属建物と分離して処分すること能はざるもの(以下敷地権と称す)あるときは其権利の表示
区分所有権の目的たる建物の属する一棟の建物の共用部分に付ての建物の表示に関する登記は建物の区分所有等に関する法律第四条第二項の規定に依り共用部分と為したるものに付てのみ之を為す但共用部分たる旨の登記ある建物に付ては第一項第六号に掲げたる事項は之を登記することを要せず
前項但書の規定は団地共用部分たる旨の登記ある建物に之を準用す
⇒判例要旨
 
第92条〔家屋番号・種類・構造・床面積〕
登記所は政令の定むるところに依り建物一箇毎に家屋番号を附することを要す
建物の種類、構造及び床面積を定むるに付き必要なる事項は政令を以て之を定む
 
第93条〔建物の表示の登記申請〕
建物を新築したるときは所有者は一个月内に建物の表示の登記を申請することを要す
前項の登記の申請書には建物の図面、各階の平面図及び申請人の所有権を証する書面を添附することを要す
第八十条第三項の規定は第一項の登記の申請に之を準用す但建物が一棟の建物を区分したるものなるときは此限に在らず
⇒判例要旨
 
第93条の2〔同前−区分建物の場合の特則〕
建物が一棟の建物を区分したるものなるときは其建物の表示の登記の申請は其一棟の建物に属する他の建物の表示の登記の申請と共に之を為すことを要す
建物を新築したる場合に於て之に因り一棟の建物を区分したる建物に非ざる他の建物が一棟の建物を区分したる建物と為りたるときは建物の表示の登記の申請は其他の建物の表示の変更の登記の申請と共に之を為すことを要す
第一項の場合に於ては建物の所有者は他の建物の所有者に代位して其他の建物の表示の登記を申請することを得
第二項の場合に於ては建物の所有者は他の建物の表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人に代位して其他の建物の表示の変更の登記を申請することを得
第四十六条の二の規定は前二項の規定に依る代位登記の申請に之を準用す
⇒判例要旨
 
第93条の3〔同前−敷地権の表示の記載〕
建物又は附属建物に付き敷地権あるときは建物の表示の登記の申請書には敷地権の表示を記載することを要す
前項の場合に於て敷地権の目的たる土地が建物の区分所有等に関する法律第五条第一項の規定に依り建物の敷地と為したる土地なるときは前項の申請書には同条第一項の規約を証する書面を添附することを要す
第一項の場合に於て敷地権が建物の区分所有等に関する法律第二十二条第二項但書(同条第三項に於て準用する場合を含む)の規約を以て定めたる割合に依るものなるときは第一項の申請書には其規約を証する書面を添附することを要す
第一項の場合に於て敷地権の目的たる土地に他の登記所の管轄に属するものあるときは同項の申請書には其登記簿の謄本を添附することを要す
建物又は附属建物が一棟の建物を区分したるものなる場合に於て建物の所有者が其一棟の建物に係る建物の区分所有等に関する法律第二条第五項の建物の敷地に付き有する登記したる所有権、地上権又は賃借権が敷地権に非ざるときは建物の表示の登記の申請書には之を証する書面を添附することを要す
 
第93条の4〔土地登記簿への敷地権たる旨の登記〕
建物の表示の登記を為したる場合に於て敷地権の表示を登記したるときは敷地権の目的たる土地の登記用紙中相当区事項欄に敷地権たる旨の登記を為すことを要す
敷地権たる旨の登記を為すときは何権利が敷地権たる旨及び其敷地権の表示を登記したる建物を表示するに足るべき事項並に其年月日を記載し登記官捺印することを要す
敷地権の目的たる土地が他の登記所の管轄に属するときは遅滞なく其登記所に前項の規定に依り記載すべき事項を通知することを要す
前項の通知を受けたる登記所は遅滞なく敷地権の目的たる土地の登記用紙中相当区事項欄に通知を受けたる事項を記載することを要す
 
第93条の4の2〔建物を合体した場合の登記申請〕
数箇の建物を合体して一箇の建物と為したるときは合体前の建物の所有者、表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人は一个月内に同一の申請書を以て合体に因る建物の表示の登記及び合体前の建物の表示の登記の抹消を申請することを要す此場合に於て合体前の建物が所有権の登記なき建物と所有権の登記ある建物なるときは合体前の建物の所有者又は表題部に記載したる所有者の為め合体後の建物に付き所有権の登記をも申請することを要す
数箇の建物を合体して一箇の建物と為したる場合に於て合体前の建物が何れも登記なき建物なるときに為す建物の表示の登記の申請に付ては前項の規定に拘らず建物を新築したるときの例に依る
第一項の申請書には左の事項を記載することを要す
一 合体前の建物が所有権の登記ある建物なるときは其登記を表示するに足るべき事項
二 合体前の建物に付き所有権の登記以外の所有権に関する登記又は先取特権、質権若くは抵当権に関する登記にして合体後の建物に付き存続すべきものあるときは其登記を表示するに足るべき事項
三 前号の登記ある場合に於ては合体前の建物の所有権の登記名義人が同一なるときと雖も其登記名義人が同一ならざるものと看做したる場合の持分但其登記の登記名義人、登記原因、其日附、登記の目的及び受附番号が各登記に付き夫々同一なるときを除く
第一項の申請書には左の書面を添附することを要す
一 合体前の建物が所有権の登記ある建物なるときは其登記済証但合体前の各建物の所有権の登記名義人が同一なるときは其何れか一箇の建物の所有権の登記の登記済証を以て足る
二 前項第二号の登記にして合体後の建物の持分の上に存続すべきものの登記名義人又は其上に存続すべき抵当権の登記に係る抵当証券の所持人若くは裏書人あるときは其承諾書又は之に対抗することを得べき裁判の謄本
三 合体前の建物に付き所有権の登記以外の所有権に関する登記又は先取特権、質権若くは抵当権に関する登記にして第一項の申請書に記載されざるものあるときは其登記の登記名義人が権利の消滅を承諾したることを証する書面又は之に対抗することを得べき裁判の謄本
第八十一条第三項並に第九十三条第二項及び第三項の規定は第一項前段の登記の申請又は申請書に、第八十一条の四第二項の規定は敷地権の表示を登記したる合体前の建物にして建物のみに関する旨の附記なき一般の先取特権、質権又は抵当権の登記あるものが敷地権なきに至りたる場合に於ける第一項の申請書に、第四十四条及び第四十四条の二の規定は前項第一号に掲げたる登記済証が滅失したる場合に、第五十六条第二項の規定は前項第二号に掲げたるときに、第八十三条第五項の規定は前項第三号に掲げたるときに之を準用す
第九十三条の三第二項乃至第四項の規定は合体前の建物が敷地権の表示を登記したるものなる場合に於ける第一項前段の登記の申請に、同条第五項の規定は合体前の建物が敷地権の表示を登記したるものならざる場合に於ける第一項前段の登記の申請に之を適用せず
⇒判例要旨
 
第93条の5〔建物の表示の変更の登記申請〕
建物の所在又は第九十一条第一項第三号乃至第五号若くは第二項に掲げたる事項に変更ありたるときは表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人は一个月内に建物の表示の変更の登記を申請することを要す
前項の登記の申請書には変更後の事項を記載し建物の所在の変更の登記の申請書には変更後の建物の図面を、床面積の変更又は附属建物の新築の登記の申請書には変更後の建物の図面及び各階の平面図を、床面積の増加又は附属建物の新築の登記の申請書には申請人の所有権を証する書面を添附することを要す
第八十一条第三項の規定は第一項の登記の申請に之を準用す但共用部分たる旨の登記又は団地共用部分たる旨の登記ありたるときは其登記ありたる日より一个月内に第一項の登記を申請することを要す
共用部分たる旨の登記又は団地共用部分たる旨の登記ある建物に付ては第一項の登記は其所有者より之を申請することを要す此場合に於ては申請書に申請人の所有権を証する書面を添附することを要す
第八十条第三項の規定は前項の場合に之を準用す
 
第93条の6〔同前−区分建物の場合の特則〕
建物の区分所有等に関する法律第五条第一項の規約を設定したるに因る第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の変更の登記の申請書には其規約を証する書面を添附することを要す
前項の規約を廃止したるに因る第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の変更の登記の申請書には其規約を廃止したることを証する書面を添附することを要す
建物の区分所有等に関する法律第二十二条第一項但書(同条第三項に於て準用する場合を含む)の規約の設定其他の事由に因り敷地権が敷地権たらざる権利と為りたるに因る第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の変更の登記の申請書には其規約を証する書面其他之を証する書面を添附することを要す
前項の規約の廃止其他の事由に因り敷地権たらざる権利にして登記したるものが敷地権と為りたるに因る第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の変更の登記の申請書には其規約を廃止したることを証する書面其他之を証する書面を添附することを要す
第八十一条の四第二項の規定は第二項及び第三項の場合に於て一般の先取特権、質権又は抵当権の登記にして建物のみに関する旨の附記なきものあるときに之を準用す
第八十一条の四第三項の規定は登記官職権を以て第二項及び第三項の登記を為す場合に於て前項の登記あるときに之を準用す
第九十三条の三第三項及び第四項の規定は第一項及び第四項の場合に之を準用す
 
第93条の7〔同前〕
建物の区分の場合の外一棟の建物を区分したる建物に非ざるものが一棟の建物を区分したる建物と為りたるときは其建物の表示の変更の登記の申請は一棟の建物に属する他の建物の表示の登記又は其他の建物の表示の変更の登記の申請と共に之を為すことを要す
前項の場合に於ては建物の表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人は他の建物の所有者に代位して其他の建物の表示の登記を申請し又は他の建物の表題部に記載したる所有者若くは所有権の登記名義人に代位して其他の建物の表示の変更の登記を申請することを得
第四十六条の二の規定は前項の規定に依る代位登記の申請に之を準用す
 
第93条の8〔建物の分割・区分・合併の登記〕
建物の分割、区分又は合併の登記は表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人の申請に因り之を為す
前項の登記の申請書には分割、区分又は合併後の建物の表示を為し其建物の図面及び各階の平面図を添附し所有権の登記ある建物の合併の登記の申請書には合併前の何れか一箇の建物の所有権の登記の登記済証をも添附することを要す
第四十四条及び第四十四条の二の規定は前項の登記済証が滅失したる場合に之を準用す
共用部分たる旨の登記又は団地共用部分たる旨の登記ある建物に付ては第一項の登記は其所有者の申請に因り之を為す但合併の登記の申請は之を為すことを得ず
前項の場合に於ては申請書に申請人の所有権を証する書面を添附することを要す
第八十一条の四第二項の規定は先取特権、質権又は抵当権の登記ある建物の分割又は区分の登記の申請に之を準用す
第八十一条の四第二項の規定は敷地権の表示を登記したる建物にして建物のみに関する旨の附記なき一般の先取特権、質権又は抵当権の登記あるものの合併の登記を申請する場合に於て合併後の建物が区分所有権の目的たらざるものと為るときに之を準用す
第九十三条の三の規定は一棟の建物を区分したる建物に非ざるものの区分の登記の申請に、同条第一項及び第三項の規定は一棟の建物を区分したる建物の区分の登記の申請に之を準用す
⇒判例要旨
 
第93条の9〔建物の合併のできない場合〕
所有権の登記以外の権利に関する登記ある建物に付ては合併を為すことを得ず此場合に於ては第八十一条の三第一項但書の規定を準用す
第八十一条の三第二項の規定は建物の合併に之を準用す
 
第93条の10〔建物の表示の更正、所有者の表示等の変更・更正の登記申請〕
第九十三条の五第二項の規定は第九十一条第一項第一号若くは第三号乃至第五号又は第二項に掲げたる事項の更正の登記の申請に、第四十三条の規定は表題部に記載したる所有者の表示の変更又は更正の登記の申請に、第八十一条の六の規定は表題部に記載したる所有者又は其持分の変更ありたる場合に、第八十一条の七の規定は表題部に記載したる所有者又は其持分の更正の登記の申請に之を準用す
第九十三条の六の規定は第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の更正の登記に之を準用す
 
第93条の11〔建物の滅失登記〕
建物が滅失したるときは表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人は一个月内に建物の滅失の登記を申請することを要す
第九十三条の五第四項の規定は前項の登記の申請に之を準用す
⇒判例要旨
 
第93条の12〔数筆の土地を目的とする敷地権の表示を登記した建物の滅失登記〕
第八十一条の四第二項の規定は敷地権の表示を登記したる建物にして建物のみに関する旨の附記なき一般の先取特権、質権又は抵当権の登記あるものの滅失の登記を申請する場合に於て数筆の土地が敷地権の目的たるときに之を準用す
第八十一条の四第三項の規定は登記官職権を以て前項の滅失の登記を為す場合に於て数筆の土地が敷地権の目的たるときに之を準用す
 
第93条の12の2〔建物を合体した場合の登記手続〕
合体に因る建物の表示の登記を為したる場合に於て合体前の建物に付き第九十三条の四の二第三項第一号の登記あるとき又は同条第一項後段の登記の申請ありたるときは登記用紙中甲区事項欄に表題部に記載したる所有者の氏名、住所、合体に因りて其者の所有権の登記を為す旨及び其年月日を記載し登記官捺印することを要す此場合に於て同項後段の規定に依る申請に因る登記を為すときは申請書受附の年月日及び受附番号をも記載することを要す
合体前の建物に付き第九十三条の四の二第三項第二号の登記あるときは合体前の建物の登記用紙より合体後の建物の登記用紙中相当区事項欄に其登記を移し末尾に本項の規定に依りて登記を移したる旨及び其年月日を記載し登記官捺印することを要す
申請書に第九十三条の四の二第四項第三号又は同条第五項に於て準用する第八十三条第五項の規定に依り権利の消滅を承諾したることを証する書面又は対抗することを得べき裁判の謄本の添附ありたるときは合体前の建物の登記用紙中其権利に関する登記に其権利の消滅したる旨を附記することを要す
第九十三条の十六の規定は敷地権の表示の登記ありたる建物が合体したる場合に於て合体後の建物に付き敷地権の表示を登記せざるときに之を準用す
第九十三条の四の規定は合体後の建物に付き敷地権の表示を登記したる場合に於ても合体前の建物に付き敷地権の表示の登記ありたるときは之を適用せず
第八十八条の規定は合体前の建物の表示の登記の抹消に之を準用す但其建物が一棟の建物を区分したるものなるときは登記用紙を閉鎖することを要せず
 
第93条の13〔建物の表示の変更・更正の登記手続〕
第八十一条の九第一項の規定は家屋番号、建物の所在、種類、構造、床面積、番号又は第九十一条第二項に掲げたる事項の変更又は更正の登記に、第八十一条の九第二項の規定は表題部に記載したる所有者の表示の変更若くは更正又は所有者若くは其持分の更正の登記に之を準用す
附属建物の種類、構造又は床面積の変更又は更正の登記を為すときは其附属建物の前の表示を朱抹することを要す
 
第93条の14〔附属建物の新築の登記〕
附属建物の新築の登記を為すときは主たる建物の登記用紙中表題部に附属建物の種類、構造及び床面積を記載することを要す
 
第93条の15〔建物の表示の変更・更正の登記に伴う登記手続〕
第九十三条の四の規定は第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の変更又は更正の登記を為したる場合に於て敷地権の表示を登記したるときに之を準用す
前項に於て準用する第九十三条の四の手続を為したる場合に於て建物に付き所有権の登記以外の所有権に関する登記又は所有権、特別の先取特権及び賃借権以外の権利に関する登記あるときは其登記に建物のみに関する旨を附記することを要す但其登記が一般の先取特権、質権又は抵当権に関する登記にして敷地権に付き為したる登記と登記原因、其日附、登記の目的及び受附番号が同一なるものなるときは此限に在らず
前項但書の場合に於ては同項但書の敷地権に付き為したる登記を抹消することを要す
 
第93条の16〔敷地権の表示の登記を抹消する建物の表示変更の登記に伴う登記手続〕
敷地権が敷地権たらざる権利と為りたるに因る第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の変更の登記を為したるときは其権利の目的たる土地の登記用紙中相当区事項欄に其旨を記載し敷地権たる旨の登記を抹消することを要す敷地権が消滅したるに因る第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の変更の登記を為したるとき亦同じ
前項前段の手続を為したるときは同項の土地の登記用紙中相当区事項欄に敷地権たりし権利及び其権利者の表示を為し同項の手続を為したるに因りて登記を為す旨及び其年月日を記載し登記官捺印することを要す
前項の手続を為すべき場合に於て敷地権の表示を登記したる建物に付き第百十条の十五第一項(第百四十条の三第二項に於て準用する場合を含む)の規定に依り敷地権に関する登記たる効力を有する登記にして敷地権の移転の登記たる効力を有する登記以外のものあるときは其建物の登記用紙より第一項の土地の登記用紙中相当区事項欄に之を転写することを要す
第一項の土地の登記用紙中相当区事項欄に前項の規定に依り転写すべき登記に後れる登記あるときは同項の規定に拘はらず相当区の新用紙中事項欄に権利の順序に従ひ同項の規定に依り転写すべき登記を転写し及び其土地の登記用紙中相当区事項欄に為したる登記を移すことを要す
第七十六条第二項並に第八十三条第一項後段及び第二項乃至第六項の規定は前二項の場合に、第七十六条第五項の規定は前項の場合に之を準用す
第一項の変更の登記を為したる場合に於て敷地権の目的たる土地が他の登記所の管轄に属するときは遅滞なく其登記所に其登記を為したる旨及び第二項又は第三項の規定に依り記載し又は転写すべき事項を通知することを要す
前項の通知を受けたる登記所は遅滞なく第一項乃至第五項に定めたる手続を為すことを要す
 
第93条の17〔敷地権の表示の登記を抹消する建物の表示更正の登記に伴う登記手続〕
敷地権として其表示を登記したる権利が敷地権たらざりしことに因る第九十一条第二項第四号に掲げたる事項の更正の登記を為したるときは其権利の目的たる土地の登記用紙中相当区事項欄に其旨を記載し敷地権たる旨の登記を抹消することを要す
前項の手続を為したる場合に於て第百十条の十五第一項の規定に依り敷地権の移転の登記たる効力を有する登記あるときは前項の土地の登記用紙中相当区事項欄に其登記の全部を転写することを要す
前条第三項乃至第七項の規定は前項の場合に之を準用す
 
第94条〔建物の分割の登記手続(一)〕
甲建物より其附属建物を分割して之を乙建物と為す場合に於て其登記を為すときは乙建物の登記用紙中表題部に分割に因りて家屋番号何番の建物の登記用紙より移したる旨を記載することを要す
前項の手続を為したるときは甲建物の登記用紙中表題部に分割に因りて其附属建物を家屋番号何番の建物の登記用紙に移したる旨を記載し分割したる附属建物の表示を朱抹することを要す
 
第94条の2〔建物の区分の登記手続(一)〕
甲建物を区分して之を乙建物と為す場合に於て其登記を為すときは新登記用紙中甲建物の表題部及び乙建物の表題部に区分に因りて家屋番号何番の建物の登記用紙より移したる旨を記載することを要す但甲建物が区分所有権の目的たりしときは其登記用紙中乙建物の表題部に区分に因りて家屋番号何番の建物の表題部より移したる旨を記載することを要す
前項の手続を為したるときは前登記用紙中表題部に区分に因りて家屋番号何番及び何番の建物の登記用紙に移したる旨を記載し甲建物の表示を朱抹し其登記用紙を閉鎖することを要す但同項但書の場合に於ては甲建物の表題部に残余部分の表示を為し区分に因りて他の部分を家屋番号何番の建物の表題部に移したる旨を記載し前の表示を朱抹することを要す
 
第95条〔建物の分割合併・区分合併の登記手続(一)〕
甲建物より其附属建物を分割して之を乙建物の附属建物と為す場合に於て其登記を為すときは乙建物の登記用紙中表題部に合併に因りて家屋番号何番の建物の登記用紙より移したる旨を記載することを要す
甲建物を区分して之を乙建物又は其附属建物に合併する場合に於て其登記を為すときは乙建物の表題部又は乙建物の登記用紙中表題部に合併に因りて家屋番号何番の建物の表題部又は登記用紙より移したる旨を記載し前の表示を朱抹することを要す
第九十四条第二項の規定は第一項の場合に、前条第二項但書の規定は前項の場合に之を準用す
 
第96条〔建物の分割の登記手続(二)〕
第八十三条の規定は第九十四条の場合に之を準用す但甲建物の登記用紙中甲区事項欄に分割したる附属建物に関する登記原因の記載なきときは第八十三条に定めたる手続を為す外乙建物の登記用紙中甲区事項欄に申請人の氏名、住所及ひ分割に因りて其者の所有権の登記を為す旨を記載することを要す
 
第96条の2〔建物の区分の登記手続(二)〕
第九十四条の二第一項本文の場合に於ては甲建物及び乙建物の相当区事項欄に前登記用紙より所有権其他の権利に関する登記を移し申請書受附の年月日及び受附番号を記載し登記官捺印することを要す此場合に於ては第八十三条第一項後段及び第三項乃至第六項の規定を準用す
第八十三条の規定は第九十四条の二第一項但書の場合に之を準用す
第九十三条の十五の規定は第九十四条の二第一項本文の手続を為したる場合に於て敷地権の表示を登記したるときに之を準用す
 
第97条〔建物の分割合併・区分合併の登記手続(二)〕
第八十五条第二項、第四項及び第五項の規定は第九十五条の場合に之を準用す
 
第98条〔建物の合併の登記手続〕
甲建物を乙建物若くは其附属建物に合併し又は乙建物の附属建物と為す場合に於て其登記を為すに付ては第八十六条及ひ第八十七条の規定を準用す但甲建物を乙建物の附属建物に合併し又は乙建物の附属建物と為す場合に於ては乙建物及び他の附属建物の前の表示を朱抹することを要せす甲建物と共に同一の登記用紙に登記したる乙建物以外の建物ある場合に於ては登記用紙を閉鎖することを要せず
合併に因りて乙建物が区分所有権の目的たらざるものと為る場合に於て其登記を為すときは新登記用紙中表題部に合併に因りて家屋番号何番及び何番の建物の表題部より移したる旨を記載することを要す此場合に於ては第八十五条第二項の規定を準用す
前項の場合に於て乙建物が第九十三条の九第一項後段に於て準用する第八十一条の三第一項但書の登記ある建物なるときは新登記用紙中乙区事項欄に其登記を移すことを要す此場合に於ては第八十五条第四項の規定を準用す
前二項の手続を為したるときは甲建物の表題部及び乙建物の表題部に合併に因りて家屋番号何番の建物の登記用紙に移したる旨を記載し甲建物及び乙建物の表示を朱抹し其登記用紙を閉鎖することを要す
第九十三条の十六第一項乃至第四項、第六項及び第七項の規定は敷地権の表示を登記したる建物が合併に因りて区分所有権の目的たらざるものと為りたる場合に於て第二項の登記を為したるときに之を準用す
第七十六条第二項及び第八十三条第三項乃至第六項の規定は前項に於て準用する第九十三条の十六第三項及び第四項の場合に、第七十六条第五項の規定は前項に於て準用する第九十三条の十六第四項の場合に之を準用す
⇒判例要旨
 
第99条〔建物の滅失の登記手続〕
第八十八条及び第八十九条の規定は建物の滅失の登記に之を準用す但滅失したる建物が一棟の建物を区分したるものなるときは登記用紙を閉鎖することを要せず
 
第99条の2〔敷地権の表示を登記した建物の滅失の登記〕
第九十三条の十六の規定は敷地権の表示を登記したる建物の滅失の登記を為したる場合に之を準用す
 
第99条の3〔建物が区分建物となった場合の登記〕
第九十四条の二第一項の場合の外区分所有権の目的たらざる建物が共用部分たる旨を定めたる規約の廃止以外の事由に因り区分所有権の目的たるものと為りたるときは其建物に関する登記を新登記用紙に移すことを要す第九十八条第二項の場合の外区分所有権の目的たる建物が区分所有権の目的たらざる共用部分以外の建物と為りたるとき亦同じ
第七十六条第二項及び第三項の規定は前項の場合に之を準用す
 
第99条の4〔共用部分たる旨の登記〕
共用部分たる旨の登記又は団地共用部分たる旨の登記は申請書に其旨を定めたる規約を証する書面を添附して表題部に記載したる所有者又は所有権の登記名義人より之を申請することを要す此場合に於て共用部分又は団地共用部分と為したる建物を目的とする所有権の登記以外の権利に関する登記あるときは其登記名義人の承諾書又は之に対抗することを得べき裁判の謄本をも添附することを要す
前項の登記の申請ありたる場合に於て其登記を為すときは表題部に共用部分たる旨又は団地共用部分たる旨を記載し表題部に記載したる所有者の表示を朱抹し又は所有権其他の権利に関する登記を抹消することを要す此場合に於て共用部分が他の登記用紙に登記したる建物の区分所有者の共用すべきものなるときは其旨をも記載し団地共用部分に付ては之を共用すべき者の建物又は其建物の属する一棟の建物をも記載することを要す
 
第99条の5〔共用廃止の登記〕
第九十三条の規定は共用部分たる旨又は団地共用部分たる旨を定めたる規約を廃止したる場合に之を準用す
前項の規定に依る登記の申請書には規約を廃止したることを証する書面を添附することを要す
第一項の規定に依る登記の申請ありたる場合に於て其登記を為すときは表題部に所有者を表示するを以て足る此場合に於て其登記を為したるときは共用部分たる旨又は団地共用部分たる旨の記載を朱抹することを要す
 
第3節 所有権に関する登記手続
第100条〔所有権保存の登記〕
始めて為す所有権の登記は左に掲げたる者より之を申請することを得
一 表題部に自己又は被相続人が所有者として記載せられたる者
二 判決に依り自己の所有権を証する者
三 収用に因り所有権を取得したる者
一棟の建物を区分したる建物に在りては表題部に記載したる所有者の証明書に依り其者より所有権を取得したることを証する者も亦前項の登記の申請を為すことを得
⇒判例要旨
 
第101条〔所有権保存の登記の申請手続〕
前条第一項の規定に従ひて登記を申請する場合に於ては申請書に第百条第一項第何号に依りて登記を申請する旨を記載し申請書の副本及び必要なる証明書類を添附することを要す但登記原因及び其日附を記載し又は第三十五条第一項第二号乃至第四号に掲げたる書面を添附することを要せず
不動産の表示の登記なき不動産に付き前条第一項第二号又は第三号の規定に従ひて所有権の登記を申請する場合に於ては申請書に土地に付ては地積の測量図及び土地の所在図を、建物に付ては建物の図面及び各階の平面図を添附することを要す
第九十三条の三の規定は前項の場合に於て建物が一棟の建物を区分したるものなるときに之を準用す
前条第二項の規定に従ひて登記を申請する場合に於ては申請書に第百条第二項に依りて登記を申請する旨を記載することを要す
前項の場合に於て建物が敷地権の表示を登記したるものなるときは申請書に敷地権の登記名義人の承諾書及び必要なる証明書類を添附することを要す但第三十五条第一項第三号に掲げたる書面を添附することを要せず
第四項の場合に於て建物が敷地権の表示を登記したるものに非ざるときは申請書に申請書の副本及び必要なる証明書類を添附することを要す此場合に於ては第一項但書の規定を準用す
 
第102条〔表示の登記のない不動産の所有権保存の登記手続〕
前条第二項の規定に依る登記の申請ありたる場合に於て所有権の登記を為すときは登記用紙中表題部に申請書に掲げたる不動産の表示に関する事項を記載し所有権の登記を為すに因りて其登記を為す旨を記載することを要す
 
第103条〔表題部の所有者の表示の朱抹〕
所有権の登記を為したるときは登記用紙中表題部に記載したる所有者の表示を朱抹することを要す
 
第104条〔所有権の処分の制限の登記〕
所有権の登記なき不動産に付き所有権の処分の制限の登記の嘱託ありたる場合に於て登記を為すときは登記用紙中甲区事項欄に所有者の氏名、住所及び処分の制限の登記の嘱託に依りて所有権の登記を為す旨を記載することを要す
第百一条第二項及び第三項の規定は不動産の表示の登記なき不動産に付き所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合に、第百二条の規定は其嘱託ありたる場合に於て所有権の処分の制限の登記を為すときに之を準用す
 
第105条〔所有権に関する仮登記の本登記〕
第百四十六条第一項の規定は所有権に関する仮登記を為したる後本登記を申請する場合に之を準用す
前項の場合に於て本登記を為すときは登記用紙中相当区事項欄に第三者の権利の表示を為し同項の本登記を為すに因りて抹消を為す旨を記載し其登記を抹消することを要す
⇒判例要旨
 
第106条〔収用による所有権移転の登記〕
土地又は建物の収用に因る所有権移転の登記は申請書に収用の裁決の失効せざりしことを証する書面を添附して起業者より之を申請することを得
官庁又は公署が起業者なるときは其官庁又は公署は遅滞なく前項の登記を登記所に嘱託することを要す
 
第107条〔同前〕
土地に付き前条第一項の登記を申請し又は嘱託する場合に於ては申請書又は嘱託書に収用に因り消滅し又は失効したる既登記の権利、差押、仮差押及び仮処分の表示を為し其消滅又は失効を証する書面を添附することを要す
前項の登記の申請又は嘱託ありたる場合に於て其登記を為すときは同項の規定に依り申請書又は嘱託書に表示したる権利、差押、仮差押及び仮処分の登記を抹消することを要す
前条第一項の登記を為すときは登記官は職権を以て裁決手続開始の登記を抹消することを要す
 
第108条〔不動産の信託の登記〕
不動産の信託の登記に付ては受託者を登記権利者とし委託者を登記義務者とす
 
第109条〔信託の登記の申請〕
信託法第十四条の規定に依りて信託財産に属する不動産の信託の登記は受託者のみにて之を申請することを得
前項の規定は信託法第二十七条の規定に基く信託財産の復旧の場合に之を準用す
 
第110条〔同前〕
受益者又は委託者は受託者に代位して信託の登記を申請することを得
第四十六条の二の規定は前項の規定に依る代位登記の申請に之を準用す此場合に於ては申請書に代位原因を証する書面の外登記の目的たる不動産か信託財産たることを証する書面を添附することを要す
 
第110条の2〔同前〕
信託の登記の申請は信託に因る不動産の所有権の移転の登記の申請と同一の書面を以て之を為すことを要す
前項の規定は信託法第十四条の規定に依りて信託財産に属する不動産の取得の登記を申請する場合又は同法第二十七条の規定に基く信託財産の復旧の場合に之を準用す
 
第110条の3〔同前〕
受託者更迭の場合に於て所有権移転の登記を申請するには申請書に其更迭を証する書面を添附することを要す
前項の規定は信託法第五十条第二項の場合に於て為すへき変更の登記に之を準用す
 
第110条の4〔同前〕
受託者の任務か死亡、破産、禁治産、準禁治産又は裁判所若くは主務官庁(其権限の委任を受けたる国に所属する行政庁及び其権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む以下之に同じ)の解任命令に因りて終了したるときは前条の登記は新受託者又は他の受託者のみにて之を申請することを得受託者たる法人の任務か解散に因りて終了したるとき亦同し〔施行は平12・4・1〕
*第110条ノ4 受託者ノ任務カ死亡、破産、禁治産、準禁治産又ハ裁判所若クハ主務官庁(其権限ノ委任ヲ受ケタル行政庁ヲ含ム以下之ニ同ジ)ノ解任命令ニ因リテ終了シタルトキハ前条ノ登記ハ新受託者又ハ他ノ受託者ノミニテ之ヲ申請スルコトヲ得受託者タル法人ノ任務カ解散ニ因リテ終了シタルトキ亦同シ
 
第110条の5〔同前〕
信託の登記を申請する場合に於ては左の事項を記載したる書面を申請書に添附することを要す
一 委託者、受託者、受益者及ひ信託管理人の氏名、住所法人に在りては其名称及ひ事務所
二 信託の目的
三 信託財産の管理方法
四 信託終了の事由
五 其他信託の条項
前項の書面には申請人署名、捺印することを要す
 
第110条の6〔信託原簿〕
前条の規定に依り申請書に添附したる書面は之を信託原簿とす
信託原簿は之を登記簿の一部と看做し其記載は之を登記と看做す
 
第110条の7〔信託管理人の選任・解任と信託原簿への記載〕
裁判所か信託管理人を選任し又は解任したるときは遅滞なく信託原簿の記載を登記所に嘱託することを要す主務官庁か信託管理人を選任したるとき亦同し
 
第110条の8〔受託者の解任と信託原簿への記載〕
前条の規定は裁判所又は主務官庁か受託者を解任したる場合に之を準用す
 
第110条の9〔信託財産の管理方法の変更と信託原簿への記載〕
裁判所か信託財産の管理方法を変更したるときは遅滞なく信託原簿の記載を登記所に嘱託することを要す
前項の規定は主務官庁か信託の条項を変更したる場合に之を準用す
 
第110条の10〔信託登記事項の変更と信託原簿の記載の変更申請〕
前三条の場合を除く外第百十条の五第一項に掲くる事項に変更を生したるときは受託者は遅滞なく其変更を証する書面を添へて信託原簿の記載を申請することを要す但第百十条の三又は第百十条の四の場合に於て登記を為したるときは登記官は職権を以て信託原簿の記載を為すことを要す
 
第110条の11〔受託者解任の附記登記〕
第百十条の八の規定に依りて信託原簿の記載を為したるときは登記官は職権を以て登記簿に其旨を附記することを要す
 
第110条の12〔担保付社債信託法による登記への不適用〕
第百八条乃至前条の規定は担保附社債信託法に依る登記に之を適用せす
 
第110条の13〔敷地権に関する登記と当該土地・建物の所有権移転の登記〕
土地の所有権が敷地権なる場合に於て敷地権たる旨の登記を為したるときは其土地の登記用紙には所有権の移転の登記は之を為すことを得ず但土地の所有権に関する仮登記にして其土地が敷地権の目的と為る前に其登記原因が生じたるものは此限に在らず
敷地権の表示を登記したる建物の登記用紙には其建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記は之を為すことを得ず此場合に於ては前項但書の規定を準用す
 
第110条の14〔敷地権の表示の登記のある建物についての所有権に関する登記の申請〕
敷地権の表示を登記したる建物に付き所有権に関する登記を申請する場合に於ては申請書に敷地権の表示を記載することを要す但其登記の申請が建物のみに付き為すものなるときは此限に在らず
前項但書の申請に因り登記を為すときは其登記に建物のみに関する旨を附記することを要す
 
第110条の15〔同前〕
敷地権の表示を登記したる後に建物に付き為したる所有権に関する登記にして建物のみに関する旨の附記なきものは敷地権に付て同一の登記原因に因る相当の登記たる効力を有す
前項の規定に依り敷地権に関する登記たる効力を有する登記と敷地権の目的たる土地の登記用紙中相当区事項欄に為したる登記の前後は受附番号に依る
 
第4節 所有権以外の権利に関する登記手続
第111条〔地上権設定の登記申請〕
地上権の設定の登記を申請する場合に於ては申請書に地上権設定の目的を記載し若し登記原因に存続期間、地代若くは其支払時期の定あるとき又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条の定あるときは之を記載することを要す尚地上権設定の目的が建物所有のものなる場合に於て其建物が同法第二十四条第一項に規定する事業の用に供するものなるときは其旨をも記載することを要す
民法第二百六十九条の二第一項の地上権に付き前項の登記を申請する場合に於ては申請書に同項に掲げたる事項の外地上権の目的たる地下又は空間の上下の範囲を記載し若し登記原因に同条第一項後段の定あるときは之を記載することを要す
借地借家法第二十二条の定ある地上権の設定の登記を申請する場合に於ては申請書に同条後段の書面を、同法第二十四条第一項の地上権の設定の登記を申請する場合に於ては申請書に同条第二項の公正証書の謄本を添附することを要す但登記原因を証する書面が執行力ある判決なるときは此限に在らず
⇒判例要旨
 
第112条〔永小作権設定の登記申請〕
永小作権の設定の登記を申請する場合に於ては申請書に小作料を記載し若し登記原因に存続期間、小作料の支払時期其他永小作人の権利若くは義務に関する特約又は民法第二百七十二条但書の定あるときは之を記載することを要す
 
第112条の2〔地役権設定の登記のできない場合〕
要役地に付き所有権の登記なきときは地役権の設定の登記を為すことを得ず
 
第113条〔地役権設定の登記申請〕
地役権の設定の登記を申請する場合に於ては申請書に要役地の表示を為し地役権設定の目的及ひ範囲を記載し若し登記原因に民法第二百八十一条第一項但書、第二百八十五条第一項但書又は第二百八十六条の定あるときは之を記載することを要す
地役権設定の範囲が承役地の一部なる場合に於ては申請書に其範囲を明かならしむる図面を添附することを要す
要役地が他の登記所の管轄に属する場合に於ては申請書に地役権者が要役地の所有権の登記名義人たることを証する書面を添附することを要す
 
第113条の2〔地役権の登記権利者の不記載〕
地役権の設定の登記を為す場合に於ては登記用紙中乙区事項欄に登記権利者の氏名、住所を記載することを要せず
 
第114条〔要役地についての登記〕
地役権の設定の登記を為したるときは要役地たる不動産の登記用紙中相当区事項欄に承役地たる不動産の表示を為し其不動産か地役権の目的たる旨、地役権設定の目的及ひ範囲を記載することを要す
要役地か他の登記所の管轄に属するときは遅滞なく其登記所に承役地、要役地、地役権設定の目的並に範囲及ひ申請書受附の年月日を通知することを要す
前項の通知を受けたる登記所は遅滞なく要役地たる不動産の登記用紙中相当区事項欄に通知を受けたる事項を記載することを要す
 
第114条の2〔地役権の変更・消滅の登記申請〕
第百十三条第二項の規定は地役権設定の範囲の変更の登記の申請に、同条第三項の規定は地役権の変更又は消滅の登記の申請に之を準用す
 
第115条〔先取特権保存の登記申請〕
先取特権の保存の登記を申請する場合に於ては申請書に債権額を記載することを要す但不動産工事の先取特権の保存に付ては其工事費用の予算額を記載することを要す
⇒判例要旨
 
第116条〔質権設定の登記申請〕
質権の設定又は転質の登記を申請する場合に於ては申請書に債権額を記載し若し登記原因に存続期間の定あるとき、利息に関する定あるとき、違約金若くは賠償額の定あるとき、債権に条件を附したるとき、民法第三百四十六条但書の定あるとき、第三百五十六条若くは第三百五十七条の規定に異なりたる定あるとき又は第三百七十条但書の定あるときは之を記載することを要す
 
第117条〔抵当権設定の登記申請〕
抵当権の設定の登記を申請する場合に於ては申請書に債権額を記載し若し登記原因に利息に関する定あるとき、債務の不履行に因りて生じたる損害の賠償に関する定あるとき、債権に条件を附したるとき、民法第三百七十条但書の定あるとき又は抵当証券発行の定あるときは之を記載し尚抵当証券発行の定ある場合に於て元本又は利息の弁済期又は支払場所の定あるときは之をも記載することを要す
民法第三百九十八条の二第一項の抵当権(以下根抵当権と称す)の設定の登記を申請する場合に於ては前項の規定に拘はらず申請書に担保すべき債権の範囲及び極度額を記載し若し同法第三百七十条但書の定あるとき又は担保すべき元本の確定すべき期日の定あるときは之を記載することを要す
⇒判例要旨
 
第118条〔所有権以外の権利を目的とする担保権の登記申請における目的たる権利の表示〕
先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請する場合に於て其権利の目的か所有権以外の権利なるときは申請書に其権利の表示を為すことを要す
 
第119条〔担保権の登記申請における債務者の表示〕
先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請する場合に於ては申請書に債務者の表示を為すことを要す
⇒判例要旨
 
第119条の2〔抵当権の順位変更の登記申請〕
抵当権の順位の変更の登記は各抵当権の登記名義人の申請に因り之を為す
前項の登記の申請書には其抵当権の登記の登記済証を添附することを要す
第四十四条の規定は前項の登記済証が滅失したる場合に之を準用す
 
第119条の3〔抵当権の処分の登記申請〕
第百十七条の規定は民法第三百七十五条第一項の規定に依り抵当権を以て他の債権の担保と為し又は抵当権を譲渡し若くは放棄したる場合の登記の申請に之を準用す
 
第119条の4〔共同抵当の場合の代位の登記申請〕
民法第三百九十三条の規定に依る代位の登記を申請する場合に於ては申請書に先順位の抵当権者が弁済を受けたる不動産に関する権利の表示を為し其代価及び弁済を受けたる額を記載することを要す
第百十七条の規定は前項の登記の申請に之を準用す
 
第119条の5〔根抵当〕
民法第三百九十八条の九第一項又は第二項の合意の登記は相続に因る根抵当権の移転又は債務者の変更の登記を為すに非ざれば之を為すことを得ず
前項の合意の登記は附記に依りて之を為す
 
第119条の6〔同前〕
根抵当権を甲根抵当権及び乙根抵当権に分割して乙根抵当権を譲渡したるに因る乙根抵当権の移転の登記を申請する場合に於ては申請書に乙根抵当権の極度額の外根抵当権の設定の登記の申請書受附の年月日、受附番号、登記原因及び其日附並に其根抵当権の担保すべき債権の範囲及び債務者を記載し若し其登記に民法第三百七十条但書の定又は担保すべき元本の確定すべき期日の定の記載あるときは其定を記載することを要す
第百三十四条の規定は前項の移転の登記に付ては之を適用せず
第一項の移転の登記を為す場合に於て其登記の順位番号を記載するには譲渡前の根抵当権の登記の番号を用ゐて之を為すことを要す
第一項の移転の登記を為したるときは甲根抵当権の登記に極度額の減額を附記することを要す此場合に於ては同項の移転の登記を為したるに因りて其登記を為す旨を記載することを要す
 
第119条の7〔同前〕
前条第一項の移転の登記を申請する場合に於て譲渡前の根抵当権の登記に関する共同担保目録あるときは申請書に其共同担保目録に掲げたる不動産に関する権利の表示を為したる共同担保目録を添附することを要す
第百二十五条の規定は前項の規定に従ひて登記の申請ありたる場合に於て登記を為すときに之を準用す
 
第119条の8〔同前〕
第百十九条の二の規定は民法第三百九十八条の十四第一項但書の定の登記に之を準用す
前項の登記は附記に依りて之を為す
 
第119条の9〔同前〕
民法第三百九十八条の二十第一項第四号の規定に依り根抵当権の担保すべき元本が確定したる場合の登記は申請書に民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第四十九条第二項(同法第百八十八条に於て準用する場合を含む)の規定に依る催告又は国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第五十五条(同条の例に依る場合を含む)の規定に依る通知を受けたることを証する書面を添附したるときは根抵当権者のみにて之を申請することを得但其根抵当権又は之を目的とする権利の取得の登記と共に為す場合に限る
 
第119条の10〔質権への準用〕
前八条の規定は質権に付き之を準用す
 
第120条〔非金銭債権の担保物権の登記申請〕
一定の金額を目的とせさる債権の担保たる先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請する場合に於ては申請書に其債権の価格を記載することを要す
 
第121条〔外国通貨債権の担保物権の登記申請〕
外国の通貨を以て債権額を指定したる債権の担保たる質権又は抵当権の設定の登記を申請する場合に於ては申請書に其債権額の外日本の通貨を以て表示したる担保限度額を記載することを要す
 
第122条〔共同担保の登記申請〕
数箇の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請する場合に於ては申請書に各不動産に関する権利の表示を為すことを要す
前項の申請書には共同担保目録を添附することを要す
 
第123条〔共同担保の追加の登記申請〕
一箇又は数箇の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を為したる後同一の債権に付き他の一箇又は数箇の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請する場合に於ては申請書に前の登記を表示するに足るへき事項を記載することを要す
前項の申請書には前の登記が数箇の不動産に関する権利に関するものなる場合に於て其不動産の全部又は一部を管轄する登記所に他の一箇の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請するときを除き共同担保目録を添附することを要す
前項の共同担保目録には前に登記を為したる先取特権、質権又は抵当権の目的たる不動産に関する権利の表示をも為すことを要す但前の登記が数箇の不動産に関する権利に関するものなる場合に於て其不動産の全部又は一部を管轄する登記所に申請するときは此限に在らず
数箇の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請する場合に於て前の登記に他の登記所の管轄に属する不動産に関するものあるときは申請書に其登記所の数に応じたる共同担保目録をも添附することを要す一箇の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請する場合に於て前の登記が一箇の不動産に関する権利に関するものにして其不動産が他の登記所の管轄に属するとき亦同じ
 
第124条〔債権の一部譲渡・代位弁済による担保物権の移転の登記申請〕
債権の一部の譲渡又は代位弁済に因る先取特権、質権又は抵当権の移転の登記を申請する場合に於ては申請書に譲渡又は代位弁済の目的たる債権額を記載することを要す
 
第125条〔共同担保の登記手続〕
第百二十二条の規定に従ひて登記の申請ありたる場合に於て其一箇の不動産に関する権利に付き登記を為すときは其不動産の登記用紙中相当区事項欄に共同担保目録に掲げたる他の不動産に関する権利か共に担保の目的たる旨を記載することを要す
 
第126条〔共同担保目録〕
共同担保目録には登記すべき先取特権、質権又は抵当権の目的たる各不動産に関する権利の表示を為し申請人又は之を作成する登記官之に署名、捺印することを要す
共同担保目録は之を登記簿の一部と看做し其記載は之を登記と看做す
第百二十三条第二項の共同担保目録又は第百二十七条第三項の規定に依り送付せられたる共同担保目録は前の登記に関する共同担保目録あるときは其共同担保目録の一部と看做す
前項の規定は第八十一条の四第二項(第九十三条の六第五項、第九十三条の八第六項及び第七項、第九十三条の十第二項並に第九十三条の十二第一項に於て準用する場合を含む)若くは第八十一条の四第三項(第九十三条の六第六項、第九十三条の十第二項及び第九十三条の十二第二項に於て準用する場合を含む)の共同担保目録又は第百二十八条第二項の規定に依り送付せられたる共同担保目録に之を準用す
 
第127条〔共同担保の追加の登記手続〕
第百二十五条の規定は第百二十三条の規定に従ひて登記の申請ありたる場合に於て登記を為すときに之を準用す
前項の登記を為したる場合に於て前の登記が一箇の不動産に関する権利に関するものなるときは前の登記に共同担保目録に掲げたる他の不動産に関する権利が共に担保の目的たる旨を附記し同項の登記が一箇の不動産に関する権利に関するものにして前の登記に関する共同担保目録あるときは其共同担保目録に其一箇の不動産に関する権利の表示を為すことを要す
第一項の登記を為したる場合に於て前の登記に他の登記所の管轄に属する不動産に関するものあるときは遅滞なく其登記所に同項の登記を為したる旨を通知することを要す此場合に於て第百二十三条第四項の共同担保目録あるときは之を其登記所に送付することを要す
前項の通知又は送付を受けたる登記所は遅滞なく第二項に定めたる手続を為すことを要す
 
第128条〔共同担保の一部の抹消・変更の登記〕
数箇の不動産に関する権利か先取特権、質権又は抵当権の目的たる場合に於て其一箇の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の登記を抹消したるときは共同担保目録に其旨を附記し消滅に係る事項を朱抹することを要す其一箇の不動産に関する権利の表示に付き変更の登記を為したるとき亦同し
前条第三項前段の規定は前項の場合に之を準用す此場合に於て第八十一条の四第二項後段の共同担保目録又は同条第三項の規定に依り同条第二項後段の規定に準じ作成したる共同担保目録あるときは之を他の登記所に送付することを要す
前項の規定に依る通知又は送付を受けたる登記所は遅滞なく第一項に定めたる手続を為すことを要す
 
第129条〔抵当証券交付の附記登記〕
登記官か抵当証券を交付したるときは職権を以て抵当権設定の登記に其旨を附記することを要す
 
第130条〔同前〕
登記官か抵当証券法第五条第二項の嘱託に因り抵当証券を作成したるときは職権を以て抵当権設定の登記に其旨を附記することを要す
抵当証券法第一条第二項の申請ありたる場合に於て登記官か抵当証券を交付したるときは他の登記所に前条の登記を嘱託することを要す其申請を却下したるときは前項の規定に依る登記の抹消を嘱託することを要す
 
第131条〔同前〕
前条第一項の規定に依る登記ありたる不動産に付き同条第二項の嘱託に因り抵当証券交付の登記を為したるときは其登記は同条第一項の規定に依る登記の時に遡りて其効力を生す
 
第132条〔賃借権設定等の登記申請〕
賃借権の設定又は賃借物の転貸の登記を申請する場合に於ては申請書に借賃を記載し若し登記原因に建物所有の目的、存続期間若くは借賃の支払時期の定あるとき若くは賃借権の移転若くは賃借物の転貸を許したるとき又は借地借家法第二十二条、第三十八条第一項若くは第三十九条第一項の定あるときは之を記載し賃貸借を為す者か処分の能力若くは権限を有せさる者なるときは其旨を記載することを要す尚登記原因に建物所有の目的の定ある場合に於て其建物が同法第二十四条第一項に規定する事業の用に供するものなるときは其旨をも記載することを要す
第百十一条第三項の規定は借地借家法第二十二条、第三十八条第一項若くは第三十九条第一項の定ある賃借権又は同法第二十四条第一項の賃借権の設定の登記の申請に之を準用す
賃借権の移転又は賃借物の転貸を許したる旨の登記あらさる場合に於て賃借権の移転又は賃借物の転貸の登記を申請する場合に於ては申請書に賃貸人の承諾書を添附することを要す
⇒判例要旨
 
第133条〔採石権設定の登記申請〕
採石権の設定の登記を申請する場合に於ては申請書に存続期間を記載し若し登記原因に採石権の内容、採石料及び其支払の時期の定あるときは之を記載することを要す
 
第134条〔所有権以外の権利の移転の登記〕
所有権以外の権利の移転の登記は附記に依りて之を為す
 
第135条〔所有権以外の権利の信託の登記〕
第百八条乃至第百十条の十二の規定は不動産に関する所有権以外の権利の信託の登記に之を準用す
 
第135条の2〔保全仮登記への準用〕
第七条第二項、第五十四条及び第五十五条の規定は民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第二項の仮処分に因る仮登記(以下保全仮登記と称す)に之を準用す
 
第136条〔不動産工事の先取特権保存の登記申請〕
建物を新築する場合に於て不動産工事の先取特権の保存の登記を申請するときは申請書に設計書に定めたる其建物の種類、構造、床面積、建物を新築すへき郡、市、区、町村、字、地番及ひ工事費用の予算額を記載し設計書及ひ図面を添附することを要す
 
第137条〔不動産工事の先取特権保存の登記手続〕
前条の申請ありたる場合に於て登記を為すときは登記用紙中表題部に新築すへき建物の表示を為し且其建物の種類、構造及ひ床面積は設計書に依る旨を記載し甲区事項欄に登記義務者の氏名、住所及ひ不動産工事の先取特権の保存の登記を為すに因りて登記を為す旨を記載することを要す
 
第138条〔同前〕
所有権の登記ある主たる建物の附属建物を新築する場合に於て不動産工事の先取特権の保存の登記を為すときは主たる建物の登記用紙中表題部に新築すへき附属建物の表示を為し且其建物の種類、構造及ひ床面積は設計書に依る旨を記載することを要す
 
第139条〔同前〕
建物を新築するに付き不動産工事の先取特権の保存の登記を為したる場合に於て其建物の建築か終はりたるときは其建物の所有者は遅滞なく所有権の登記を申請することを要す但第百条及び第百一条の適用を妨けす
附属建物を新築するに付き不動産工事の先取特権の保存の登記を為したる場合に於て其建物の建築か終はりたるときは其建物の所有者は遅滞なく新築の登記を申請することを要す
⇒判例要旨
 
第140条〔同前〕
前条第一項の建物に付き建物の表示の登記を為すとき又は同条第二項の新築の登記を為すときは登記用紙中表題部に更に建物又は附属建物の表示を為し前の表示を朱抹することを要す
前条第一項の所有権の登記を為すときは不動産工事の先取特権の保存に関して甲区事項欄に為したる登記を朱抹することを要す
 
第140条の2〔敷地権たる旨の登記と先取特権等の登記の制限〕
敷地権たる旨の登記を為したるときは敷地権の目的たる土地の登記用紙には敷地権を目的とする一般の先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記は之を為すことを得ず但其土地が敷地権の目的と為る前に其登記原因が生じたる質権又は抵当権の設定の登記は此限に在らず
敷地権の表示を登記したる建物の登記用紙には其建物のみを目的とする一般の先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記は之を為すことを得ず此場合に於ては前項但書の規定を準用す
第百十条の十三第一項の規定は地上権又は土地の賃借権が敷地権なる場合に之を準用す
 
第140条の3〔同前〕
第百十条の十四の規定は敷地権の表示を登記したる建物の一般の先取特権、質権又は抵当権に関する登記に之を準用す
第百十条の十五の規定は敷地権の表示を登記する前又は其後に建物に付き為したる一般の先取特権、質権又は抵当権に関する登記にして建物のみに関する旨の附記なきものに之を準用す
 
第5節 抹消に関する登記手続
第141条〔死亡による権利消滅の場合の抹消登記の申請〕
登記したる権利か或人の死亡に因りて消滅したる場合に於て申請書に其死亡を証する市町村長又は区長の書面其他の公正証書を添附するときは登記権利者のみにて登記の抹消を申請することを得
 
第142条〔登記義務者が行方不明の場合の抹消登記の申請〕
登記権利者か登記義務者の行方の知れさるに因り之と共に登記の抹消を申請すること能はさるときは公示催告手続及び仲裁手続に関する法律(明治二十三年法律第二十九号)の規定に従ひて公示催告の申立を為すことを得
前項の場合に於て除権判決ありたるときは申請書に其謄本を添附し登記権利者のみにて登記の抹消を申請することを得
第一項の場合に於て申請書に債権証書及ひ債権並に最後の二年分の定期金の受取証書を添附したるときは登記権利者のみにて先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することを得同項の場合に於て債権の弁済期より二十年を経過し且申請書に其期間の経過したる後債権、利息及び債務の不履行に因りて生じたる損害の全額に相当する金銭の供託を為したることを証する書面を添附したるとき亦同じ
⇒判例要旨
 
第143条〔所有権保存登記の抹消申請〕
始めて為したる所有権の登記の抹消を其所有権の登記名義人より申請する場合に於ては申請書に其登記の登記済証を添附することを要す
第四十四条及び第四十四条の二の規定は前項の登記済証が滅失したる場合に之を準用す
 
第143条の2〔信託登記の抹消申請〕
信託財産たる不動産に関する権利の移転に因り其権利か信託財産に属せさるに至りたる場合に於て為すへき信託登記抹消の申請は移転登記の申請と同一の書面を以て之を為すことを要す
前項の規定は信託終了に因り信託財産たる不動産に関する権利か移転したる場合に之を準用す
前二項の規定は担保附社債信託法に依る登記に之を適用せす
 
第144条〔仮登記の抹消申請〕
仮登記の抹消は仮登記名義人より申請書に其登記の登記済証を添附して之を申請することを得
申請書に仮登記名義人の承諾書又は之に対抗することを得へき裁判の謄本を添附したるときは登記上の利害関係人より仮登記の抹消を申請することを得
第四十四条の規定は第一項の登記済証が滅失したる場合に之を準用す
第四十四条の二の規定は前項に於て準用する第四十四条の規定に依る書面を提出して所有権に関する仮登記の抹消の申請ありたる場合に之を準用す
⇒判例要旨
 
第145条〔予告登記の抹消の嘱託〕
第三条に掲けたる訴を却下したる裁判若くは之を提起したる者に対して敗訴を言渡したる裁判か確定したるとき、訴の取下ありたるとき、請求の棄ありたるとき又は請求の目的に付き和解ありたるときは第一審裁判所の裁判所書記官は遅滞なく嘱託書に裁判の謄本若くは抄本又は訴の取下、請求の棄若くは和解を証する裁判所書記官の書面を添附して予告登記の抹消を登記所に嘱託することを要す
前項の規定は第三条に掲げたる訴に係る確定判決、和解、調停其他確定判決と同一の効力を有するものに依りて確定したる登記の抹消又は回復を請求する権利を抛棄したることを証する書面の提出ありたる場合に之を準用す此場合に於ては同項中「裁判の謄本若くは抄本又は訴の取下、請求の抛棄若くは和解」とあるは「其書面の提出ありたること」と読替ふるものとす
登記原因の無効又は取消に因る登記の抹消又は回復を為したるときは登記官は予告登記を抹消することを要す
 
第146条〔登記の抹消について利害関係のある第三者のある場合〕
登記の抹消を申請する場合に於て其抹消に付き登記上利害の関係を有する第三者あるときは申請書に其承諾書又は之に対抗することを得へき裁判の謄本を添附することを要す尚登記の抹消に付き利害の関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人あるときは其者の承諾書又は之に対抗することを得へき裁判の謄本をも添附することを要す
抵当証券の発行ありたる場合に於ては其抵当権の抹消の登記の申請書に抵当証券を添附することを要す
⇒判例要旨
 
第146条の2〔所有権についての処分禁止仮処分の登記に後れる登記の抹消〕
所有権に付き民事保全法第五十三条第一項の仮処分の登記(保全仮登記と共に為したるものを除く本条及び次条に於て之に同じ)を為したる後其仮処分の債権者が其仮処分の債務者を登記義務者として所有権の登記(仮登記を除く)を申請する場合に於ては其債権者のみにて其仮処分の登記に後れる登記の抹消を申請することを得
前項の規定に依り登記の抹消を申請するには申請書に民事保全法第五十九条第一項の通知を為したることを証する書面を添附することを要す
第一項の規定に依り仮処分の登記に後れる登記を抹消したるときは其仮処分の登記を抹消することを要す
⇒判例要旨
 
第146条の3〔所有権以外の権利についての処分禁止仮処分の登記に後れる登記の抹消〕
前条第一項及び第二項の規定は所有権以外の権利に付き民事保全法第五十三条第一項の仮処分の登記を為したる後其仮処分の債権者が其仮処分の債務者を登記義務者として其権利の移転又は消滅に付き登記(仮登記を除く)を申請する場合に之を準用す
前条第三項の規定は前項に於て準用する同条第一項の規定に依り仮処分の登記に後れる登記を抹消したる場合に之を準用す
 
第146条の4〔不動産使用権についての保全仮登記の本登記・仮処分の登記に後れる登記の抹消〕
不動産の使用又は収益を為す権利に付き保全仮登記を為したる後本登記を申請する場合に於ては其保全仮登記に係る仮処分の債権者のみにて所有権以外の不動産の使用若くは収益を為す権利又は其権利を目的とする権利に関する登記にして其仮処分の登記に後れるものの抹消を申請することを得此場合に於ては第百四十六条の二第二項の規定を準用す
 
第146条の5〔処分禁止の登記の抹消〕
保全仮登記を為したる後本登記を為したるときは其保全仮登記と共に為したる処分禁止の登記を抹消することを要す
 
第147条〔登記の抹消手続〕
登記を抹消するには抹消の登記を為したる後抹消すへき登記を朱抹することを要す
前項の場合に於て抹消に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記あるときは登記用紙中相当区事項欄に其第三者の権利の表示を為し何権利の登記を抹消したるに因りて抹消を為す旨を記載することを要す
 
第148条〔収用による権利消滅の登記〕
第百六条の規定は土地又は建物に関する所有権以外の権利の収用に因る権利消滅の登記に之を準用す
建物の収用に因る所有権移転の登記又は前項の登記の申請又は嘱託ありたる場合に於て其登記を為すときは建物又は同項の権利を目的とする所有権の登記以外の権利に関する登記を抹消することを要す
 
第149条〔登記の職権抹消手続〕
登記官は登記を完了したる後其登記か第四十九条第一号又は第二号に該当するものなることを発見したるときは登記権利者、登記義務者及ひ登記上利害の関係を有する第三者に対し一个月を超えさる期間を定め其期間内に異議を述へさるときは登記を抹消すへき旨を通知することを要す
通知を受くへき者の住所又は居所か知れさるときは前項の通知に代へ官報を以て公告することを要す
登記官は前項の外相当と認むる新聞紙に同一の公告を掲載せしむることを得
 
第150条〔同前〕
異議を述ふる者ありたるときは登記官は其異議に付き決定を為すへし
 
第151条〔同前〕
異議を述ふる者なきとき又は異議を却下したるときは登記官は職権を以て登記を抹消することを要す
 
第4章の2 電子情報処理組織に依る登記に関する特例
第151条の2〔電子情報処理組織による登記事務の取扱い〕
法務大臣の指定する登記所(以下指定登記所と称す)に於ては法務省令の定むるところに依り登記事務の全部又は一部を電子情報処理組織に依りて取扱ふことを得此場合に於ては登記簿は磁気でぃすく(之に準ずる方法に依り一定の事項を確実に記録し得る物を含む)を以て之を調製す
前項の指定は告示して之を為す
⇒判例要旨
 
第151条の3〔登記事項証明書等の交付請求〕
何人と雖も手数料を納付して前条第一項の登記簿に記録したる事項の全部又は一部を証明したる書面(以下登記事項証明書と称す)の交付を請求し又は手数料の外郵送料を納付して登記事項証明書の送付を請求することを得
指定登記所中別に法務大臣の指定する甲登記所の管轄に属する不動産に付ての登記事項証明書の交付の請求は指定登記所中別に法務大臣の指定する乙登記所に於ても之を為すことを得
前項の指定は告示して之を為す
第二項の登記事項証明書の記載事項は法務省令を以て之を定む
何人と雖も手数料を納付して前条第一項の登記簿に記録したる事項の摘要を記載したる書面の交付を請求することを得
第一項及び前項の手数料の額は物価の状況、登記事項証明書の交付等に要する実費其他一切の事情を考慮し政令を以て之を定む
第一項及び第五項の手数料の納付は登記印紙を以て之を為すことを要す
⇒判例要旨
 
第151条の4〔登記事項証明書の効力〕
登記事項証明書は第四十四条及び第九十三条の三第四項(第九十三条の六第七項、第九十三条の八第八項、第九十三条の十第二項、第百一条第三項及び第百四条第二項に於て準用する場合を含む)の規定並に民法、民事執行法其他の法令の規定の適用に付ては之を登記簿の謄本又は抄本と看做す
 
第151条の5〔記録事項過多による移記〕
第百五十一条の二第一項の登記簿に記録したる事項過多にして取扱不便と為るに至りたるときは現に効力を有する登記其他の法務省令を以て定むる事項に係る登記を新登記簿の登記記録に移すことを得
第七十六条第二項及び第三項の規定は前項の場合に之を準用す此場合に於ては同条第二項中「登記官捺印する」とあるは「登記官を明かならしむる措置を為す」と、同条第三項中「前登記用紙」とあるは「前登記簿の登記記録」と読替ふるものとす
 
第151条の6〔あらびあ数字の使用〕
登記事項証明書其他電子情報処理組織に依りて作るべき書面に金銭其他の物の数量、年月日及び番号を記載するにはあらびあ数字を用ゐることを得
 
第151条の7〔共同担保目録の作成〕
登記官は申請書に共同担保目録を添附して登記の申請ありたる場合に於て電子情報処理組織に依りて登記を為すときは登記すべき権利の目的たる不動産に関する権利の表示を為したる共同担保目録を作成することを得第百二十七条第三項又は第百二十八条第二項の規定に依り共同担保目録の送付を受けたる場合に於て亦同じ
 
第151条の8〔関係規定の読替え〕
第百五十一条の三乃至前条に定むる場合を除くの外登記事務を第百五十一条の二第一項の電子情報処理組織に依りて取扱ふ場合に於ける前四章及び第百五十七条の規定の適用に付ては此等の規定中「登記用紙」とあり及び「用紙」とあるは「登記記録」と、「一用紙」とあるは「一登記記録」と、「及び第二十一条」とあるは「、第百五十一条の三第一項、第六項及び第七項並に第百五十一条の四」と、「枚数」とあるは「事項」と、「新用紙」とあり及び「新登記用紙」とあるは「新登記記録」と、「前登記用紙」とあるは「前登記記録」とし、此等の規定の内登記簿に為す行為に関する規定中「登記官捺印する」とあるは「登記官を明かならしむる措置を為す」と、「朱抹」とあるは「抹消する記号を記録」とす
 
第4章の3 他の法律の適用除外〔施行は2年内政令日〕
*第4章の3 行政手続法の適用除外
第151条の9〔行政手続法第二章・第三章の不適用〕
登記官の処分に付ては行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は之を適用せず
 
第151条の10〔情報公開法の不適用〕
登記簿(閉鎖登記簿を含む)及び其附属書類並に地図、建物所在図及び地図に準ずる図面に付ては行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は之を適用せず〔施行は2年内政令日〕
 
第5章 審査請求
第152条〔審査請求〕
登記官の処分を不当とする者は監督法務局又は地方法務局の長に審査請求を為すことを得
⇒判例要旨
 
第153条〔審査請求書の提出〕
審査請求は登記所に審査請求書を差出して之を為す
 
第154条〔登記官の措置〕
登記官か審査請求を理由なしとするときは三日内に意見を附して事件を監督法務局又は地方法務局の長に送付することを要す
登記官か審査請求を理由ありとするときは相当の処分を為すことを要す若し登記完了の後なるときは其登記に付き審査請求ある旨の附記を為し之を登記上の利害関係人に通知し且前項の手続を為すことを要す
 
第155条〔法務局長の処分〕
法務局又は地方法務局の長は審査請求を理由ありとするときは登記官に相当の処分を命し其旨を審査請求人の外登記上の利害関係人に通知することを要す
 
第156条〔処分前の仮登記命令〕
法務局又は地方法務局の長は処分を為す前登記官に仮登記を命することを得
 
第157条〔法務局長の命令による登記〕
登記官か法務局又は地方法務局の長の命令に依りて登記を為すときは命令を為したる法務局又は地方法務局の長、命令の年月日、命令に依りて登記を為す旨及ひ登記の年月日を記載し登記官捺印することを要す
 
第157条の2〔行政不服審査法の一部規定の不適用〕
行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第十四条、第十七条、第二十四条、第二十五条第一項但書、第三十四条第二項乃至第六項、第三十七条第六項、第四十条第三項乃至第六項及び第四十三条の規定は登記官の処分に係る審査請求に付ては之を適用せず
 
第6章 罰則
第158条〔確実な知識によらない保証の罪〕
登記義務者に付き確実なる知識を有せざるに拘らず第四十四条の規定に依る保証を為したる者は一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処す
 
第159条〔検査の拒否・妨害・忌避等の罪〕
第五十条第二項の規定に依る検査を拒み、妨げ又は忌避したる者は三十万円以下の罰金に処す同項の規定に依る文書の呈示を為さず若くは虚偽の文書を呈示し又は質問に対し陳述を為さず若くは虚偽の陳述を為したる者亦同じ
 
第159条の2〔申請を怠った場合の過料〕
第八十条第一項若くは第三項、第八十一条第一項若くは第三項、第八十一条の八第一項、第九十三条第一項若くは第三項、第九十三条の四の二第一項、第二項若くは第五項、第九十三条の五第一項若くは第三項又は第九十三条の十一の規定に依る申請を為すべき義務ある者其申請を怠りたるときは十万円以下の過料に処す
 
附 則
第160条〔施行期日〕
本法施行の期日は勅令を以て之を定む〔明三二勅一三四により、明三二・六・一六から施行〕
第161条〔廃止規定〕
明治十九年法律第一号登記法中地所及ひ建物の登記に関する規定は本法施行の日より之を廃止す
第162条〔公証を経た権利の効力〕
明治六年第十八号布告地所質入書入規則又は同八年第百四十八号布告建物書入質規則に従ひて公証を経たる証書面の権利に付ては本法施行の日より一年内に債権者より其登記を申請せさるときは其権利は公証の効力を失ふ
前項の規定に従ひて登記したる権利の順位は公証の順位に依る
第一項に定めたる登記に関する手続は司法大臣之を定む
第163条〔経過規定〕
本法施行前に登記したる不動産に付き本法施行の後登記の申請ありたる場合に於て登記を為すときは登記用紙中表示欄に不動産の表示を移し相当区順位番号欄及ひ事項欄に旧登記簿の用紙中抹消に係らさる番号及ひ事項を移し旧登記簿の用紙中新登記簿の用紙に移したる番号及ひ事項を朱抹することを要す
附 則〔抄〕(昭和三五年三月三一日・法律第一四号)
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和三十五年四月一日から施行する。
(表題部の改製及び新設)
第2条 登記所は、第一条の規定による改正前の不動産登記法の規定による土地又は建物の登記用紙の表題部を同条の規定による改正後の不動産登記法の規定による登記用紙の表題部に改製し、未登記の土地又は建物で土地台帳又は家屋台帳に登録されているものについては、表題部を新設しなければならない。
2 前項の規定による改製及び新設を完了すべき期日は、各登記所について法務大臣が指定する。
3 法務大臣は、前項の期日(以下「指定期日」という。)を指定したときは、すみやかに官報で公示しなければならない。
4 第一項の規定による改製及び新設に関し必要な事項は、法務省令で定める。
(指定期日までの経過措置)
第3条 この法律の施行の後指定期日までの間は、各登記所の管轄区域内の土地及び建物に関しては、この法律による他の法律の改正又は廃止にかかわらず、次の各号に定めるところによる。
一 第一条の規定による改正前の不動産登記法中第八条の二から第十三条まで、第十五条、第十七条、第十八条、第二十条第二項、第二十二条第一項ただし書、第二十四条の二第二項、第三十二条、第三十三条、第三十六条から第三十九条の二まで、第五十一条、第六十条、第六十一条、第六十三条の二から第六十八条まで、第七十八条、第八十条の二、第八十二条から第八十七条まで、第九十条、第九十二条の二、第九十四条から第九十八条まで、第百二条の二から第百四条の十五まで、第百七条の二から第百九条まで、第百十一条、第百十二条、第百十五条から第百十七条まで、第百十九条、第百十九条の二、第百二十一条から第百三十六条まで、第百四十三条、第百四十四条、第百四十八条から第百五十九条まで及び第百六十四条を除くその他の規定を適用する。この場合において、次の表の上欄〔A〕に掲げる同法の規定中同表の中欄〔B〕に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄〔C〕に掲げる字句に読み替えるものとする。
〔A〕第七十九条〔A〕第八十条〔A〕第八十一条
〔B〕段別若くは坪数〔C〕地積
〔A〕第八十八条
〔B〕段別又は坪数〔C〕地積
〔A〕第九十一条〔A〕第九十二条〔A〕第九十三条〔A〕第九十九条〔A〕第百三十六条から第百三十八条まで
〔B〕建坪〔C〕床面積
二 第一条の規定による改正後の不動産登記法中七条の二、第九条から第十三条まで、第十五条、第二十条第二項、第二十二条第一項ただし書、第二十四条の二第二項、第三十二条、第三十三条、第三十六条から第三十九条の二まで、第四十四条の二、第四十九条第十一号、第五十九条の二、第六十条、第六十四条から第六十八条まで、第七十六条第四項及び第五項、第八十一条の三、第八十一条の四、第八十二条から第八十七条まで、第九十条、第九十三条の四、第九十四条から第九十八条まで、第百四条第一項、第百五条から第百十二条の二まで、第百十三条第二項及び第三項、第百十三条の二、第百十四条の二から第百十九条の四まで、第百二十一条から第百三十五条まで、第百四十三条、第百四十四条、第百四十五条第二項並びに第百四十八条から第百五十八条までの規定を除くその他の規定は適用せず、次の表の上欄〔A〕に掲げる同法の規定中同表の中欄〔B〕に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄〔C〕に掲げる字句に読み替えるものとする。
〔A〕第三十九条
〔B〕不動産の表示又は権利〔C〕権利
〔B〕所有者又は登記権利者〔C〕登記権利者
〔A〕第六十条第一項ただし書
〔B〕不動産の表示に関する登記、〔C〕不動産若くは
〔A〕第八十二条第一項〔A〕第九十四条〔A〕第九十五条第一項〔A〕第九十八条
〔B〕為す場合〔C〕為したる場合
〔A〕第八十五条第一項〔A〕第八十六条〔A〕第九十四条〔A〕第九十五条第一項及び第二項
〔B〕表題部〔C〕表示欄
〔A〕第八十五条第一項〔A〕第八十六条第一項〔A〕第九十五条第二項
〔B〕合併する〔C〕合併したる
〔A〕第八十五条第一項〔A〕第八十六条第一項〔A〕第九十四条第三項
〔B〕前の表示〔C〕前の表示及び其番号
〔A〕第八十六条第二項
〔B〕甲地の表示〔C〕甲地の表示及び其番号
〔A〕第九十条第二項
〔B〕土地の表示〔C〕登記用紙中表示欄に河川の敷地と為りたる旨を記載し土地の表示及び其番号
〔A〕第百四条第一項
〔B〕甲区事項欄〔C〕表示欄に不動産の表示を為し且甲区事項欄
三 第二条の規定による廃止前の土地台帳法及び家屋台帳法の規定を適用する。ただし、所有権の登記及び承役地についてする地役権の登記以外の登記のある土地若しくは家屋の合併又は既登記の土地若しくは家屋と未登記の土地若しくは家屋の合併は、することができない。
四 附則第十三条の規定による改正前の抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第十八条の規定、附則第十五条の規定による改正前の土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)の規定、附則第十六条第一項の規定による改正前の地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定、附則第十七条第一項の規定による改正前の土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第一条、第二条及び第十九条第一項の規定、附則第十九条の規定による改正前の国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)の規定、附則第二十一条の規定による改正前の農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)の規定並びに附則第二十二条の規定による改正前の土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)の規定を適用する。
(この法律の施行の際の経過措置)
第4条 この法律の施行の際権利者が二名以上でその持分の登記のされていない権利の登記については、その登記名義人は、その持分の登記を申請することができる。
2 この法律の施行の際第一条の規定による改正前の不動産登記法第六十一条の規定によりなすべき通知でまだしていないものがある場合には、この法律の施行の後遅滞なく、従前の例による通知をしなければならない。
3 この法律の施行の際土地又は建物の一部につき所有権の登記及び地役権に関する登記以外の権利に関する登記がされている場合には、その土地又は建物については、その権利の存する部分と存しない部分とに分割又は区分する登記をした後でなければ、その他の不動産の表示に関する登記及び権利に関する登記をすることができない。ただし、登記名義人の表示の変更又は権利の変更、処分の制限若しくは消滅の登記は、この限りでない。
4 前項に規定する分割又は区分する登記の申請書には、土地又は建物の一部につきされている権利に関する登記の登記名義人(抵当証券の所持人及び裏書人を含む。)の承諾を証する書面又はこれに対抗することができる裁判の謄本を添附しなければならない。
5 前二項の規定は、要役地の一部につき地役権の登記がされている場合に準用する。
6 この法律の施行の際債務者の登記のされていない先取特権、質権又は抵当権の登記については、この法律の施行の後最初にその登記名義人がこれらの権利の抹消の登記以外の登記を申請する場合には、申請書に債務者を表示しなければならない。
(不動産の表示に関する登記の申請義務についての経過措置)
第5条 
第一条の規定による改正後の不動産登記法第八十条第一項及び第三項、第八十一条第一項及び第三項、第八十一条の八、第九十三条第一項及び第三項、第九十三条の五第一項及び第三項並びに第九十三条の十一の規定は、地方税法第三百四十八条の規定により固定資産税を課することができない土地及び建物並びに同法第三百四十三条第五項に規定する土地については、指定期日後も当分の間は適用しない。
2 第一条の規定による改正後の不動産登記法第八十条第一項及び第三項、第八十一条第一項及び第三項、第八十一条の八、第九十三条第一項及び第三項、第九十三条の五第一項及び第三項並びに第九十三条の十一の規定は、指定期日以前に生じた事項についても適用する。ただし、これらの規定に定める期間については、指定期日の翌日から起算する。
(登録事項の通知等)
第6条 
附則第三条第三号の規定により適用される第二条の規定による廃止前の土地台帳法第三十九条(附則第三条第三号の規定により適用される第二条の規定による廃止前の家屋台帳法第二十二条において準用する場合を含む。)の規定によりなすべき通知で指定期日までにしていないものがある場合には、その通知及びこれに基づく土地課税台帳又は家屋課税台帳への記載については、なお、従前の例による。
附 則〔抄〕(昭和三九年三月三〇日・法律第一八号)
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十九年四月一日から施行する。
(経過措置等)
2 この法律の施行前に不動産登記法第四十四条の規定による書面を提出してされた登記の申請で、所有権に関する登記の申請以外のものについては、なお従前の例による。
3 この法律の施行前に合筆又は合併の登記のされた不動産に関し、この法律の施行後に所有権の登記名義人が登記義務者として権利に関する登記を申請する場合には、不動産登記法第三十五条第一項第三号の書面として、合併前のいずれか一個の不動産の所有権の登記の登記済証及び合筆又は合併の登記済証を提出することができる。
4 この法律の施行前に不動産の合併により移し、又は転写した所有権の登記でこの法律の施行の際現に効力を有するものがある不動産については、登記官は、法務省令で定めるところにより、この法律による改正後の不動産登記法(以下「新法」という。)第八十五条第二項(第九十七条及び第九十八条第二項において準用する場合を含む。)又は第八十七条第一項(第九十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に準じ所有権の登記をすることができる。
5 この法律の施行前に登記された数個の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権でその目的たる不動産に関する権利が共同担保目録に記載されていないものがある場合において、この法律の施行後に同一の債権について他の一個又は数個の不動産に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記を申請するときは、申請書に前に登記された先取特権、質権又は抵当権の目的たる不動産に関する権利で共同担保目録に記載されていないものをも表示した共同担保目録を添附しなければならない。この場合には、新法第百二十三条第四項前段の規定を準用する。
6 前項の登記の申請があつた場合において、その登記をしたときは、前の登記にこの法律による改正前の不動産登記法(以下「旧法」という。)第百二十五条第一項又は第百二十七条第一項の規定によりされた表示及び記載を朱抹し、前の登記に旧法第百二十五条第二項(第百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定によりされた記載がある場合を除き、その登記に共同担保目録に掲げた他の不動産に関する権利が共にその権利の目的である旨を附記しなければならない。
7 新法第百二十七条第三項の規定は、附則第五項の登記をした場合において、同項後段において準用する新法第百二十三条第四項前段の共同担保目録があるときに準用する。
8 前項の規定により共同担保目録の送付を受けた登記所は、遅滞なく、附則第六項に定めた手続をしなければならない。
9 新法第百二十六条第三項の規定は、附則第五項前段の共同担保目録又は附則第七項の規定により送付された共同担保目録に準用する。
10 附則第五項から前項までの規定は、この法律の施行前に登記された先取特権、質権又は抵当権で、その登記に旧法第百二十五条第一項(第百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による他の不動産に関する権利の表示がされているものがある場合において、その不動産についてする分筆又は分割若しくは区分の登記の申請及びその申請による登記に準用する。この場合において、附則第五項及び附則第七項中「第百二十三条第四項前段」とあるのは「第八十一条の四第二項後段(第九十三条の八第六項において準用する場合を含む。)」と、附則第七項中「第百二十七条第三項」とあるのは「第百二十八条第二項」と、附則第九項中「第百二十六条第三項」とあるのは「第百二十六条第四項」と読み替えるものとする。
 
附 則〔抄〕(平成元年一二月二二日・法律第九一号)
(施行期日)
第1条 
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日〔平二政二八三により、平三・一・一〕から施行する。
(不動産登記法の一部改正に伴う経過措置)
第8条 
前条の規定による改正後の不動産登記法第百四十六条の二第三項の規定は、この法律の施行前にした仮処分の命令の申請に基づき発せられた不動産に関する権利についての登記を請求する権利を保全するための処分禁止の仮処分(家事審判法第十五条の三第一項の仮処分にあっては、附則第十二条に規定する審判前の保全処分であるものに限る。)の債権者がする申請に基づき、その仮処分の登記に後れる登記を抹消する場合について準用する。
附 則(平成五年四月二三日・法律第二二号)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日〔平五政二二五により、平五・一〇・一〕から施行する。
(経過措置)
2 この法律による改正後の不動産登記法(以下「新法」という。)第二十六条第三項の規定は、この法律の施行前に登記申請の委任がされた場合についても、適用する。ただし、同項に定める事由がこの法律の施行前に生じた場合については、この限りでない。
3 この法律の施行前に承役地についてする地役権の登記がある土地につき合筆の登記の申請があった場合においては、その申請及びその申請による登記については、なお従前の例による。
4 この法律の施行前に数個の建物が合体して一個の建物となったことによりされた登記の申請は、新法第九十三条の四の二第一項前段の規定によりされた申請とみなし、新法の規定を適用する。この場合において、その申請人は、この法律の施行の日から起算して一月内に、同条第三項各号に掲げる事項を記載した書面並びに同条第四項各号に掲げる書面及び同条第五項において準用する規定に規定する書面を提出しなければならないものとし、この場合における同項において準用する新法第四十四条に規定する書面の提出については、新法第四十四条の二の規定を準用する。
5 この法律の施行前に数個の建物が合体して一個の建物となった場合において、合体前の建物が所有権の登記のない建物と所有権の登記のある建物であるときは、前項の申請人は、同項の規定により書面の提出をするときに新法第九十三条の四の二第一項後段の登記の申請をしなければならない。この場合において、この登記の申請は、前項の規定により新法第九十三条の四の二第一項前段の規定によりされたものとみなされた申請と同時にされたものとみなし、新法の規定を適用する。
6 新法第九十三条の四の二の規定は、この法律の施行前に数個の建物が合体して一個の建物となった場合(附則第四項に規定する場合を除く。)についても、適用する。この場合において、次に掲げる期間(第三号及び第五号に掲げる期間にあってはこの法律の施行の日以後に所有者の変更があった場合を除き、第四号に掲げる期間にあってはこの法律の施行の日以後に新所有者のために所有権の登記があった場合を除く。)については、この法律の施行の日から起算する。
一 新法第九十三条の四の二第一項に規定する期間
二 新法第九十三条の四の二第二項の規定によりその例によることとされる新法第九十三条第一項に規定する期間
三 新法第九十三条の四の二第二項の規定によりその例によることとされる新法第九十三条第三項において準用する新法第八十条第三項に規定する期間
四 新法第九十三条の四の二第五項において準用する新法第八十一条第三項に規定する期間
五 新法第九十三条の四の二第五項において準用する新法第九十三条第三項において準用する新法第八十条第三項に規定する期間
7 新法第百四十五条第二項の規定は、この法律の施行前に同項に規定する登記の抹消又は回復を請求する権利が確定した場合についても、適用する。
(法務省令への委任)
8 この附則に定めるもののほか、この法律による不動産登記法の改正に伴う登記の手続に関し必要な経過措置は、法務省令で定める。
 
附 則〔抄〕(平成一一年五月一四日・法律第四三号)
(施行期日)
第1条 
この法律は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号。以下「情報公開法」という。)の施行の日から施行する。〔後略〕
附 則〔抄〕(平成一一年七月一六日・法律第八七号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。〔後略〕