土地区画整理法 07章 148条

昭和二十九年五月二十日法律第百十九号
最終改正 平成七年二月二十六日法律第十四号
第1章 総則(第1条〜第3条の5)
第2章 施行者(第4条〜第71条の6)
第1節 個人施行者(第4条〜第13条)
第2節 土地区画整理組合(第14条〜第51条)   
第1款 設 立(第14条〜第24条)
第2款 管 理(第25条〜第44条)
第3款 解散及び合併(第45条〜第51条)
第3節 都道府県及び市町村(第52条〜第65条)
第4節 国土交通大臣(第66条〜第71条)
第5節 都市基盤整備公団等(第71条の2〜第71条の6)
第3章 土地区画整理事業(第72条〜第117条の2)  
第1節 通則(第72条〜第85条の3)
第2節 換地計画(第86条〜第97条)
第3節 仮換地の指定(第98条〜第102条)
第4節 換地処分(第103条〜第108条)
第5節 減価補償金(第109条)
第6節 清 算(第110条〜第112条)
第7節 権利関係の調整(第113条〜第117条)
第8節 住宅先行建設区における住宅の建設(第117条の2)
第9節 国土交通大臣の技術検定等(第117条の3−第117条の19)    
第4章 費用の負担等(第118条〜第121条)
第5章 監督(第122条〜第127条の2)
第6章 雑則(第128条〜第136条の3)  
第7章 罰則(第137条〜第148条)
第一章 総則
第一条(この法律の目的)
 この法律は、土地区画整理事業に関し、その施行者、施行方法、費用の負担等必要な事項を規定することにより、健全な市街地の造成を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
第二条(定義)
 この法律において「土地区画整理事業」とは、都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、この法律で定めるところに従つて行われる土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業をいう。
 2 前項の事業の施行のため若しくは事業の施行に係る土地の利用の促進のため必要な工作物その他の物件の設置、管理及び処分に関する事業又は埋立若しくは干拓に関する事業が前項の事業にあわせて行われる場合においては、これらの事業は、土地区画整理事業に含まれないものとする。
 3 この法律において「施行者」とは、土地区画整理事業を施行する者をいう。
 4 この法律において「施行地区」とは、土地区画整理事業を施行する土地の区域をいう。
 5 この法律において「公共施設」とは、道路、公園、広場、河川その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。
 6 この法律において「宅地」とは、公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地以外の土地をいう。
 7 この法律において「借地権」とは、借地借家法(平成三年法律第九十号)にいう借地権をいい、「借地」とは、借地権の目的となつている宅地をいう。
 8 この法律において「施行区域」とは、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第十二条第二項の規定により土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域をいう。
第三条(土地区画整理事業の施行)
 宅地について所有権若しくは借地権を有する者又は宅地について所有権若しくは借地権を有する者の同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該権利の目的である宅地について、又はその宅地及び一定の区域の宅地以外の土地について土地区画整理事業を施行することができる。ただし、宅地について所有権又は借地権を有する者の同意を得た者にあつては、住宅・都市整備公団、地域振興整備公団、地方住宅供給公社その他土地区画整理事業を施行するため必要な資力、信用及び技術的能力を有する者で政令で定めるものに限る。
 2 宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
 3 都道府県又は市町村は、施行区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
 4 国土交通大臣は、施行区域の土地について、国の利害に重大な関係がある土地区画整理事業で災害の発生その他特別の事情に因り急施を要すると認められるものを、都道府県知事又は市町村長に施行させることができる。この場合において、国土交通大臣は、これらの事業が、その施行する公共施設に関する工事とあわせて施行することが必要であると認められるとき、又は都道府県知事又は市町村長に施行させることが著しく困難若しくは不適当であると認められるときは、自らこれを施行することができる。
第三条の二(住宅・都市整備公団の施行する土地区画整理事業)
 住宅・都市整備公団は、国土交通大臣が住宅・都市整備公団の行う住宅の建設又は宅地の造成と併せてこれと関連する健全な市街地に造成するための土地区画整理事業を施行する必要があると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。
 2 前項に規定するもののほか、住宅・都市整備公団は、国土交通大臣が次に掲げる区域のうち特に一体的かつ総合的な市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区の計画的な整備改善を図るため必要な土地区画整理事業を施行する必要があると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。
 一 人口の集中の特に著しい政令で定める大都市の市街地を形成している区域及びこれに接続して既に市街地を形成している区域
 二 大規模な災害を受けた都市で政令で定めるものの区域のうち、被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第五条第一項の規定により都市計画に定められた被災市街地復興地域の区域
 3 前二項の規定による土地区画整理事業については、この法律及び住宅・都市整備公団法(昭和五十六年法律第四十八号)の定めるところによる。
第三条の三(地域振興整備公団の施行する土地区画整理事業)
 地域振興整備公団は、国土交通大臣が地域社会の中心となる都市の開発整備又は特定の地域の総合的かつ計画的な開発整備を行なうため地域振興整備公団が宅地の造成とあわせてこれと関連する土地区画整理事業を施行する必要があると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。
 2 前項に規定するもののほか、地域振興整備公団は、国土交通大臣が地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律(平成四年法律第七十六号)第八条第一項の承認基本計画に係る拠点地区の既に市街地を形成している区域のうち特に一体的かつ総合的な市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区の計画的な整備改善を図るため必要な土地区画整理事業を施行する必要があると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。
 3 前二項の規定による土地区画整理事業については、この法律及び地域振興整備公団法(昭和三十七年法律第九十五号)の定めるところによる。
第三条の四(地方住宅供給公社の施行する土地区画整理事業)
 地方住宅供給公社は、国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては、都道府県知事)が地方住宅供給公社の行う住宅の用に供する宅地の造成と一体的に土地区画整理事業を施行しなければ当該住宅を居住環境の良好な集団住宅の用に供する宅地として造成することが著しく困難であると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。
第三条の五(都市計画事業として施行する土地区画整理事業)
 施行区域の土地についての土地区画整理事業は、都市計画事業として施行する。
 2 都市計画法第六十条から第七十四条までの規定は、都市計画事業として施行する土地区画整理事業には適用しない。
 3 施行区域内における建築物の建築の制限に関しては、都市計画法第五十三条第三項中「第六十五条第一項に規定する告示」とあるのは「土地区画整理法第七十六条第一項各号に掲げる公告」と、「当該告示」とあるのは「当該公告」とする。
第二章 施行者
第一節 個人施行者
第四条(施行の認可)
 土地区画整理事業を第三条第一項の規定により施行しようとする者は、一人で施行しようとする者にあつては規準及び事業計画を定め、数人共同して施行しようとする者にあつては規約及び事業計画を定め、建設省令で定めるところにより、その土地区画整理事業の施行について都道府県知事の認可を受けなければならない。
 2 第三条第一項に規定する者が施行区域の土地において施行する土地区画整理事業については、前項に規定する認可をもつて都市計画法第五十九条第四項に規定する認可とみなす。ただし、同法第七十九条、第八十条第一項、第八十一条第一項及び第八十九条第一項の規定の適用については、この限りでない。
第五条(規準又は規約)
 前条第一項の規準又は規約には、次の各号(規準にあつては、第五号から第七号までを除く。)に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 土地区画整理事業の名称
 二 施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称
 三 土地区画整理事業の範囲
 四 事務所の所在地
 五 費用の分担に関する事項
 六 業務を代表して行う者を定める場合においては、その職名、定数、任期、職務の分担及び選任の方法に関する事項
 七 会議に関する事項
 八 事業年度
 九 公告の方法
 十 その他政令で定める事項
第六条(事業計画)
 第四条第一項の事業計画においては、建設省令で定めるところにより、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)、設計の概要、事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。
 2 住宅の需要の著しい地域に係る都市計画区域で国土交通大臣が指定するものの区域において新たに住宅市街地を造成することを目的とする土地区画整理事業の事業計画においては、施行地区における住宅の建設を促進するため特別な必要があると認められる場合には、建設省令で定めるところにより、住宅を先行して建設すべき土地の区域(次項、第十三条第二項、第四十五条第三項、第八十五条の二第一項、第四項及び第五項、第八十九条の二並びに第百十七条の二第一項から第三項までの規定において「住宅先行建設区」という。)を定めることができる。
 3 住宅先行建設区は、施行地区における住宅の建設を促進する上で効果的であると認められる位置に定め、その面積は、住宅が先行して建設される見込みを考慮して相当と認められる規模としなければならない。
 4 事業計画においては、環境の整備改善を図り、交通の安全を確保し、災害の発生を防止し、その他健全な市街地を造成するために必要な公共施設及び宅地に関する計画が適正に定められていなければならない。
 5 事業計画においては、施行地区は施行区域の内外にわたらないように定め、事業施行期間は適切に定めなければならない。
 6 事業計画は、公共施設がその他の公共施設又は土地区画整理事業に関する都市計画が定められている場合においては、その都市計画に適合して定めなければならない。
 7 事業計画の設定について必要な技術的基準は、建設省令で定める。
第七条(宅地以外の土地を管理する者の承認)
 第四条第一項の事業計画を定めようとする者は、宅地以外の土地を施行地区に編入する場合においては、当該土地を管理する者の承認を得なければならない。
第八条(事業計画に関する関係権利者の同意)
 第四条第一項の規定による認可を申請しようとする者は、その者以外に施行地区となるべき区域内の宅地について権利を有する者がある場合においては、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。但し、その権利をもつて認可を申請しようとする者に対抗することができない者については、この限りでない。
 2 前項の場合において、宅地について権利を有する者のうち所有権又は借地権を有する者以外の者について同意を得られないとき、又はその者を確知することができないときは、その同意を得られない理由又は確知することができない理由を記載した書面を添えて、第四条第一項に規定する認可を申請することができる。
第九条(施行の認可の基準等)
 都道府県知事は、第四条第一項に規定する認可の申請があつた場合においては、次の各号の一に該当する事実があると認めるとき、及び次項の規定に該当するとき以外は、その認可をしなければならない。
 一 申請手続が法令に違反していること。
 二 規準若しくは規約又は事業計画の決定手続又は内容が法令に違反していること。
 三 市街地とするのに適当でない地域又は土地区画整理事業以外の事業によつて市街地とすることが都市計画において定められた区域が施行地区に編入されていること。
 四 土地区画整理事業を施行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に施行するために必要なその他の能力が十分でないこと。
 2 都道府県知事は、都市計画法第七条第一項の市街化調整区域と定められた区域が施行地区に編入されている場合においては、当該区域内において土地区画整理事業として行われる同法第四条第十二項に規定する開発行為が同法第三十四条各号の一に該当すると認めるときでなければ、第四条第一項に規定する認可をしてはならない。
 3 都道府県知事は、第四条第一項に規定する認可をした場合においては、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、施行者の氏名又は名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他建設省令で定める事項を公告し、かつ、施行区域の土地について施行する土地区画整理事業については、国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。
 4 市町村長は、第十三条第四項、第百三条第四項又は第百二十四条第三項の公告の日まで、建設省令で定めるところにより、項前の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
 5 第三条第一項の規定による施行者(以下「個人施行者」という。)は、第三項の公告があるまでは、施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて第三者に対抗することができない。
第十条(規準又は規約及び事業計画の変更)
 個人施行者は、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとする場合においては、建設省令で定めるところにより、その変更について都道府県知事の認可を受けなければならない。
 3 個人施行者は、施行地区の縮小又は費用の分担に関し、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとする場合において、その者に土地区画整理事業の施行のための借入金があるときは、その変更についてその債権者の同意を得なければならない。
 2 第七条の規定は事業計画を変更しようとする個人施行者について、第八条の規定は事業計画の変更についての認可を申請しようとする個人施行者について、前項の規定は第一項に規定する認可の申請があつた場合及びその認可をした場合について準用する。この場合において、第八条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区及び施行地区となるべき区域」と、前条第三項中「を公告し」とあるのは「についての変更に係る事項を公告し」と、「施行地区及び設計の概要」とあるのは「変更に係る施行地区又は設計の概要」と、同条第五項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて」とあるのは「規準若しくは規約又は事業計画の変更をもつて」と読み替えるものとする。
第十一条(施行者の変動)
 個人施行者について相続、合併その他の一般承継があつた場合において、その一般承継人が施行者以外の者であるときは、その一般承継人は、施行者となる。
 2 施行地区内の宅地について個人施行者の有する所有権又は借地権の全部又は一部を施行者以外の者(前項に規定する一般承継人を除く。)が承継した場合においては、その者は、施行者となる。
 3 施行地区内の宅地について個人施行者の有する借地権の全部又は一部が消滅した場合(当該借地権についての一般承継に伴う混同により消滅した場合を除く。)において、その借地権の目的となつていた宅地の所有者又はその宅地の賃貸人が施行者以外の者であるときは、その消滅した借地権が地上権である場合にあつてはその宅地の所有者が、その消滅した借地権が賃借権である場合にあつてはその宅地の賃貸人がそれぞれ施行者となる。
 4 一人で施行する土地区画整理事業において、前三項の規定により施行者が数人となつた場合においては、その土地区画整理事業は、第三条第一項の規定により数人共同して施行する土地区画整理事業となるものとする。この場合において、施行者は、遅滞なく、第四条第一項の規約を定め、建設省令で定めるところにより、その規約について都道府県知事の認可を受けなければならない。
 5 数人共同して施行する土地区画整理事業において、当該施行者について一般承継があり、又は施行地区内の宅地について当該施行者の有する所有権若しくは借地権の一般承継以外の事由による承継若しくは消滅があつたことにより施行者が一人となつたときは、その土地区画整理事業は、第三条第一項の規定により一人で施行する土地区画整理事業となるものとする。この場合において、当該土地区画整理事業について定められていた規約のうち、規準に記載すべき事項に相当する事項は、当該土地区画整理事業に係る規準としての効力を有するものとし、その他の事項はその効力を失うものとする。
 6 個人施行者について一般承継があり、又は施行地区内の宅地について、個人施行者の有する所有権若しくは借地権の一般承継以外の事由にる承継若しくは消滅があつたことにより施行者に変動を生じた場合(第四項前段に規定する場合を除く。)においては、施行者は、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、新たに施行者となつた者の氏名又は名称及び住所並びに施行者でなくなつた者の氏名又は名称を都道府県知事に届け出なければならない。
 7 都道府県知事は、第四項後段の規定により定められた規約について認可した場合又は前項の規定による届出を受理した場合においては、遅滞なく、建設省令で定める事項を公告しなければならない。
 8 個人施行者は、前項の公告があるまでは、施行者の変動、第四項後段の規定により定めた規約又は第五項後段に規定する規約の一部の失効をもつて第三者に対抗することができない。
第十二条(施行者の権利義務の移転)
 個人施行者について一般承継があつた場合においては、その施行者が土地区画整理事業に関して有する権利義務(その施行者がその土地区画整理事業に関し、行政庁の許可、認可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。以下この条において同じ。)は、その一般承継人に移転する。
 2 前項に規定する場合を除き、施行地区内の宅地について個人施行者の有する所有権又は借地権の全部又は一部を承継した者がある場合においては、その施行者がその所有権又は借地権の全部又は一部について土地区画整理事業に関して有する権利義務は、その承継した者に移転する。
 3 第一項に規定する場合を除き、施行地区内の宅地について個人施行者の有する借地権の全部又は一部が消滅した場合においては、その施行者がその借地権の全部又は一部について土地区画整理事業に関して有する権利義務は、その消滅した借地権が地上権である場合にあつてはその借地権の目的となつていた宅地の所有者に、その消滅した借地権が賃借権である場合にあつてはその宅地の賃貸人にそれぞれ移転する。
第十三条(土地区画整理事業の廃止及び終了)
 個人施行者は、土地区画整理事業を廃止し、又は終了しようとする場合においては、建設省令で定めるところにより、その廃止又は終了について都道府県知事の認可を受けなければならない。
 2 都道府県知事は、第六条第二項の規定により事業計画に住宅先行建設区が定められている場合においては、第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地についての第百十七条の二第一項に規定する指定期間(第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地についての指定期間の終期が異なる場合においては、その終期の最も遅いもの。以下この項及び第四十五条第三項において同じ。)を経過した後でなければ、前項に規定する土地区画整理事業の終了についての認可をしてはならない。ただし、住宅先行建設区内の換地に住宅が建設されたこと等により施行地区における住宅の建設を促進する上で支障がないと認められる場合においては、指定期間内においても当該認可をすることができる。
 3 個人施行者は、土地区画整理事業を廃止しようとする場合において、その者に土地区画整理事業の施行のための借入金があるときは、その廃止についてその債権者の同意を得なければならない。
 4 第九条第三項(図書の送付に係る部分を除く。)及び第五項の規定は、第一項に規定する認可をした場合の公告について準用する。この場合において、同条第五項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて」とあるのは、「土地区画整理事業の廃止又は終了をもつて」と読み替えるものとする。
第二節 土地区画整理組合
第一款 設立
第十四条(設立の認可)
 第三条第二項に規定する土地区画整理組合(以下「組合」という。)を設立しようとする者は、七人以上共同して、定款及び事業計画を定め、建設省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
 2 組合が施行区域の土地について施行する土地区画整理事業については、前項に規定する認可をもつて都市計画法第五十九条第四項に規定する認可とみなす。第四条第二項ただし書の規定は、この場合に準用する。
第十五条(定款)
 前条第一項の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 組合の名称
 二 施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称
 三 事業の範囲
 四 事務所の所在地
 五 参加組合員に関する事項
 六 費用の分担に関する事項
 七 役員の定数、任期、職務の分担並びに選挙及び選任の方法に関する事項
 八 総会に関する事項
 九 総代会を設けるときは、総代及び総代会に関する事項
 十 事業年度
 十一 公告の方法
 十二 その他建設省令で定める事項
第十六条(事業計画)
 第六条の規定は、第十四条第一項の事業計画について準用する。
第十七条(宅地以外の土地を管理する者の承認)
 第七条の規定は、第十四条第一項の事業計画を定めようとする者について準用する。
第十八条(定款及び事業計画に関する宅地の所有者及び借地権者の同意)
 第十四条第一項に規定する認可を申請しようとする者は、定款及び事業計画について、施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの三分の二以上の同意を得なければならない。この場合においては、同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者が有する借地権の目的となっているのその区域内の宅地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借件権の目的となつている宅地の総地積との合計の三分の二以上でなければならない。
第十九条(借地権の申告)
 前条に規定する同意を得ようとする者は、あらかじめ、施行地区となるべき区域の公告を当該区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。
 2 市町村長は、前項に規定する申請があつた場合においては、政令で定めるところにより、遅滞なく、施行地区となるべき区域を公告しなければならない。
 3 前項の規定により公告された施行地区となるべき区域内の宅地について未登記の借地権を有する者は、前項の公告があつた日から一月以内に当該市町村長に対し、その借地権の目的となつている宅地の所有者と連署し、又はその借地権を証する書面を添えて、建設省令で定めるところにより、書面をもつてその借地権の種類及び内容を申告しなければならない。
 4 未登記の借地権で前項の規定による申告のないものは、前項の申告の期間を経過した後は、前条の規定の適用については、存しないものとみなす。
第二十条(事業計画の縦覧及び意見書の処理)
 都道府県知事は、第十四条第一項に規定する認可の申請があつた場合においては、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長に、当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供させなければならない。ただし、当該申請に関し明らかに次条第一項各号の一に該当する事実があり、認可すべきでないと認める場合又は同条第二項の規定により認可をしてはならないことが明らかであると認める場合においては、この限りでない。
 2 当該土地区画整理事業に関係のある土地又はその土地に定着する物件又は当該土地区画整理事業に関係のある水面について権利を有する者(以下「利害関係者」という。)は、前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見がある場合においては、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし、都市計画において定められた事項については、この限りでない。
 3 都道府県知事は、前項の規定により意見書の提出があつた場合においては、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは、第十四条第一項に規定する認可を申請した者に対し事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときは、その旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
 4 前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。
第二十一条(設立の認可の基準等及び組合の成立)
 都道府県知事は、第十四条第一項に規定する認可の申請があつた場合においては、次の各号の一に該当する事実があると認めるとき、及び次項の規定に該当するとき以外は、その認可をしなければならない。
 一 申請手続が法令に違反していること。
 二 定款又は事業計画の決定手続又は内容が法令に違反していること。
 三 市街地とするのに適当でない地域又は土地区画整理事業以外の事業によつて市街地とすることが都市計画において定められた区域が施行地区に編入されていること。
 四 土地区画整理事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に施行するために必要なその他の能力が十分でないこと。
 2 都道府県知事は、都市計画法第七条第一項の市街化調整区域と定められた区域が施行地区に編入されている場合においては、当該区域内において土地区画整理事業として行われる同法第四条第十二項に規定する開発行為が同法第三十四条各号の一に該当すると認めるときでなければ、第十四条第一項に規定する認可をしてはならない。
 3 都道府県知事は、第十四条第一項に規定する認可をした場合においては、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、組合の名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他建設省令で定める事項を公告し、かつ、施行区域の土地について施行する土地区画整理事業については、国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。
 4 組合は、第十四条第一項に規定する認可により成立する。
 5 市町村長は、第四十五条第五項又は第百三条第四項の公告の日まで、建設省令で定めるところにより、第三項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
 6 組合は、第三項の公告があるまでは、組合の成立又は定款若しくは事業計画をもつて組合員その他の第三者に対抗することができない。
第二十二条(組合の法人格)
 組合は、法人とする。
第二十三条(名称の使用制限)
 組合は、その名称中に土地区画整理組合という文字を用いなければならない。
 2 組合でない者は、その名称中に土地区画整理組合という文字を用いてはならない。
第二十四条(設立の費用の負担)
 組合の設立に関する費用は、その組合の負担とする。但し、組合が成立しなかつた場合においては、その費用は、その設立について認可を申請した者の負担とする。
第二款 管理
第二十五条(組合員)
 組合が施行する土地区画整理事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、すべてその組合の組合員とする。
 2 施行地区内の宅地について存する未登記の借地権で第十九条第三項又は第八十五条第一項の規定による申告のないものは、その申告のない限り、前項の規定の適用については、存しないものとみなし、施行地区内の宅地について存する未登記の借地権で第十九条第三項又は第八十五条第一項の規定による申告があつたもののうち同条第三項の規定による届出のないものは、その届出のない限り、前項の規定の適用については、その借地権の移転、変更又は消滅がないものとみなす。
第二十五条の二(参加組合員)
 前条第一項に規定するもののほか、住宅・都市整備公団、地域振興整備公団、地方住宅供給公社その他政令で定めるものであつて、組合が都市計画事業として施行する土地区画整理事業に参加することを希望し、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。
第二十六条(組合員の権利義務の移転)
 施行地区内の宅地について組合員の有する所有権又は借地権の全部又は一部を承継した者がある場合においては、その組合員がその所有権又は借地権の全部又は一部について組合に対して有する権利義務は、その承継した者に移転する。
 2 施行地区内の宅地について組合員の有する借地権の全部又は一部が消滅した場合においては、その組合員がその借地権の全部又は一部について組合に対して有する権利義務は、その消滅した借地権が地上権である場合にあつてはその借地権の目的となつていた宅地の所有者に、その消滅した借地権が賃借権である場合にあつてはその宅地の賃貸人にそれぞれ移転する。
第二十七条(役員)
 組合に、役員として、理事及び監事を置く。
 2 理事の定数は五人以上、監事の定数は二人以上とし、それぞれ定款で定める。
 3 理事及び監事は、定款で定めるところにより、組合員(法人にあつては、その役員)のうちから総会で選挙する。ただし、特別の事情がある場合においては、定款で定めるところにより、組合員以外の者のうちから総会で選任することができる。
 4 前項本文の規定により選挙された理事若しくは監事が組合員でなくなつたとき、又はその理事若しくは監事が組合員である法人の役員である場合において、その法人が組合員でなくなつたとき、若しくはその理事若しくは監事がその法人の役員でなくなつたときは、その理事又は監事は、その地位を失う。
 5 理事及び監事の任期は、五年をこえない範囲内において定款で定める。補欠の理事及び監事の任期は、前任者の残任期間とする。
 6 理事又は監事は、その任期が満了しても、後任の理事又は監事が就任するまでの間は、なおその職務を行う。
 7 組合員は、組合員の三分の一以上の連署をもつて、その代表者から理由を記載した書面を組合に提出して、理事又は監事の解任の請求をすることができる。
 8 前項の規定による請求があつた場合においては、理事は、直ちにその請求の要旨を公表し、これを組合員の投票に付さなければならない。
 9 理事又は監事は、前項の規定による投票において過半数の同意があつた場合においては、その地位を失う。
 10 前三項に定めるものの外、理事及び監事の解任の請求及び第八項の規定による投票に関し必要な事項は、政令で定める。
第二十八条(役員の職務)
 理事は、定款で定めるところにより、組合の業務を執行し、及び組合を代表する。
 2 定款に特別の定めがある場合を除く外、組合の業務は、理事の過半数で決する。
 3 監事は、組合の業務の執行及び財産の状況を監査する。
 4 監事は、組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認める場合においては、その旨を総会に報告しなければならない。
 5 組合が理事と契約する場合においては、監事が組合を代表する。組合と理事との訴訟についても、同様とする。
 6 理事は、事業報告書、収支決算書及び財産目録を毎事業年度作成し、監事の意見書を添えて、これを通常総会に提出し、その承認を求めなければならない。
 7 理事は監事と、監事は理事又は組合の職員と兼ねてはならない。
第二十九条(理事の氏名等の届出及び公告)
 組合は、建設省令で定めるところにより、理事の氏名及び住所を都道府県知事に届け出なければならない。
 2 都道府県知事は、前項の規定による届出があつた場合においては、遅滞なく、これを公告しなければならない。
 3 組合は、前項の公告があるまでは、理事の代表権をもつて組合員以外の第三者に対抗することができない。
第三十条(総会の組織)
 組合の総会は、総組合員で組織する。
第三十一条(総会の議決事項)
 左の各号に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
 一 定款の変更
 二 事業計画の変更
 三 借入金の借入及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
 四 経費の収支予算
 五 予算をもつて定めるものを除く外、組合の負担となるべき契約
 六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
 七 換地計画
 八 仮換地の指定
 九 保留地の処分方法
 十 事業の引継についての同意
 十一 その他定款総会の議決を経なければならないものと定めた事項
第三十二条(総会の招集)
 理事は、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。
 2 理事は、必要があると認める場合においては、何時でも臨時総会を招集することができる。
 3 組合員が組合員の五分の一以上の同意を得て会議の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を組合に提出して総会の招集を請求した場合においては、理事は、その請求のあつた日から二十日以内に臨時総会を招集しなければならない。
 4 理事の職務を行う者がない場合においては、総会の招集は、監事が行う。
 5 第三項の規定による請求があつた場合において、理事が正当な理由がないのに総会を招集しないときは、監事は、同項の期間経過後十日以内に臨時総会を招集しなければならない。
 6 第二十八条第四項の規定により総会に報告しなければならないと認める場合においては、監事は、臨時総会を招集することができる。
 7 第十四条第一項に規定する認可を受けた者は、その認可の公告があつた日から一月以内に、最初の理事及び監事を選挙し、又は選任するための総会を招集しなければならない。
 8 総会を招集するには、少くとも会議を開く日の五日前までに、会議の日時、場所及び目的である事項を組合員に通知しなければならない。但し、緊急を要する場合においては、二日前までにこれらの事項を組合員に通知して、総会を招集することができる。
第三十三条(総会の議長)
 総会に、議長を置く。
 2 議長は、組合員(法人にあつては、その役員)のうちから総会で選挙する。
 3 議長は、総会の議事を主宰する。
 4 議長は、組合員として総会の議決に加わることができない。但し、次条第二項の規定による議決については、この限りでない。
第三十四条(総会の会議及び議事)
 総会の会議は、定款に特別の定めがある場合を除く外、組合員の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は、定款に特別の定がある場合を除く外、出席組合員の過半数で決し、可否同数の場合においては、議長の決するところによる。
 2 第三十一条第一号及び第二号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項、同条第十号に掲げる事項並びに組合の解散及び合併の決定に関する総会の議事は、前項の規定にかかわらず、組合員の三分の二以上が出席し、施行地区内の宅地について所有権を有する出席組合員及びその地区内の宅地について借地権を有する出席組合員のそれぞれの三分の二以上で決する。第十八条後段の規定は、この場合について準用する。
 3 総会においては、第三十二条第八項の規定によりあらかじめ通知した会議の目的である事項についてのみ議決することができる。
第三十五条(総会の部会)
 組合は、施行地区が工区に分れている場合においては、総会の議決を経て、工区ごとに総会の部会を設け、工区内の宅地に関し第三十一条第七号から第九号までに掲げる総会の権限をその部会に行わせることができる。
 2 総会の部会は、その部会の設けられる工区に関係のある組合員で組織する。
 3 第三十二条第二項から第五項まで及び第八項、第三十三条第一項から第三項まで及び第四項本文並びに前条第一項及び第三項の規定は、総会の部会について準用する。この場合において、これらの規定中「臨時総会」又は「総会」とあるのは「総会の部会」と、「組合員」とあるのは「当該部会を組織する組合員」と読み替えるものとする。
第三十六条(総代会)
 組合員の数が百人をこえる組合は、総会に代つてその権限を行わせるために総代会を設けることができる。
 2 総代会は、総代をもつて組織するものとし、総代の定数は、組合員の総数の十分の一を下らない範囲内において定款で定める。但し、組合員の総数が五百人をこえる組合にあつては、五十人以上であることをもつて足りる。
 3 総代会が総会に代つて行う権限は、左の各号に掲げる事項以外の事項に関する総会の権限とする。
 一 理事及び監事の選挙及び選任
 二 第三十四条第二項の規定に従つて議決しなければならない事項
 4 第三十二条第一項から第六項まで及び第八項、第三十三条第一項から第三項の規定は、総代会について準用する。この場合において、これらの規定中「通常総会」とあるのは「通常総代会」と、「臨時総会」とあるのは「臨時総代会」と、「総会」とあるのは「総代会」と、「組合員」とあるのは「総代」と読み替えるものとする。
 5 総代会が設けられた組合においては、理事は、第三十二条第一項の規定にかかわらず、通常総会を招集することを要しない。
第三十七条(総代)
 総代は、定款で定めるところにより、組合員が組合員(法人にあつては、その役員)のうちから選挙する。
 2 総代が組合員でなくなつたとき、又はその総代が組合員である法人の役員である場合において、その法人が組合員でなくなつたとき、若しくはその総代がその法人の役員でなくなつたときは、その総代は、その地位を失う。
 3 総代の任期は、五年をこえない範囲内において定款で定める。補欠の総代の任期は、前任者の残任期間とする。
 4 第二十七条第七項から第十項までの規定は、総代の解任の請求及び解任の投票について準用する。この場合において、施行地区内の宅地について所有権を有する組合員及び施行地区内の宅地について借地権を有する組合員が各別に総代を選挙するものと定款で定めたときについての特例は、政令で定める。
第三十八条(議決権及び選挙権)
 組合員及び総代は、各一個の議決権及び選挙権を有する。
 2 施行地区内の宅地についての所有権とを借地権とをともに有する組合員は、第三十四条第二項の規定による議決については、前項の規定にかかわらず、宅地について所有権を有する組合員として、及び宅地について借地権を有する組合員として、それぞれ一箇の議決権を有する。施行地区内の宅地について所有権を有する組合員及び施行地区内の宅地について借地権を有する組合員が各別に総代を選挙するものと定款で定めた場合におけるその選挙に係る選挙に係る選挙権についても、同様とする。
 3 組合員は書面又は代理人をもつて、総代は書面をもつて議決権及び選挙権を行うことができる。
 4 前項の規定により議決権及び選挙権を行う者は、第三十四条第一項(第三十五条第三項及び第三十六条第四項において準用する場合を含む。)及び第二項の規定の適用については、出席者とみなす。
 5 代理人は、同時に十人以上の組合員を代理することができない。
 6 代理人は、代理権を証する書面を組合に提出しなければならない。
第三十九条(定款及び事業計画の変更)
 組合は、定款又は事業計画を変更しようとする場合においては、建設省令で定めるところにより、その変更について都道府県知事の認可を受けなければならない。
 2 第七条の規定は事業計画を変更しようとする組合について、第十八条の規定は新たに施行地区となるべき区域がある場合における事業計画の変更についての認可を申請しよとする組合について、第十九条の規定は本項において準用する第十八条に規定する同意を得ようとする組合及び新たに施行地区となるべき区域の公告があつた場合における借地権の申告について、第二十条の規定は事業計画の変更(政令で定める軽微な変更を除く。)について前項に規定する認可の申請があつた場合について、第二十一条第一項、第二項及び第五項の規定は前項に規定する認可の申請があつた場合又は同項に規定する認可をした場合について準用する。この場合において、第十八条及び第十九条中「施行地区となるべき区域」とあるのは「新たに施行地区となるべき区域」と、第二十条中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、第二十一条第五項中「第三項」とあるのは「第三十九条第四項」と読み替えるものとする。
 3 組合は、施行地区の縮小又は費用の分担に関し、定款又は事業計画を変更しようとする場合において、その組合に借入金があるときは、その変更についてその債権者の同意を得なければならない。
 3 都道府県知事は、第一項に規定する認可をした場合においては、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、組合の名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他建設省令で定める事項を公告し、かつ、施行区域の土地について施行する土地区画整理事業については、国土交通大臣及び関係市町村長に変更に係る施行地区又は設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。
 5 組合は、前項の公告があるまでは、定款又は事業計画の変更をもつて、その変更について第一項に規定する認可があつた際に従前から組合員であつた者以外の第三者に対抗することができない。
第四十条(経費の賦課徴収)
 組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。
 2 賦課金の額は、組合員が施行地区内に有する宅地又は借地の位置、地積等を考慮して公平に定めなければならない。
 3 組合員は、賦課金の納付について、相殺をもつて組合に対抗することができない。
 4 組合は、組合員が賦課金の納付を怠つた場合においては、定款で定めるところにより、その組合員に対して過怠金を課することができる。
第四十条の二(参加組合員の負担金及び分担金)
 参加組合員は、政令で定めるところにより、換地計画において定めるところにより取得することとなる宅地の価額に相当する額の負担金及び組合の事業に要する経費に充てるための分担金を組合に納付しなければならない。
 2 前条第三項及び第四項の規定は、前項の負担金及び分担金について準用する。
第四十一条(賦課金等の滞納処分)
 組合は、賦課金、負担金、分担金又は過怠金を滞納する者がある場合においては、督促状を発して督促し、その者がその督促状において指定した期限までに納付しないときは、市町村長に対し、その徴収を申請することができる。
 2 組合は、前項の督促をする場合においては、定款の定めるところにより、督促状の郵送に要する費用を勘案して建設省令で定める額以下の督促手数料を徴収することができる。
 3 市町村長は、第一項の規定による申請があつた場合においては、地方税の滞納処分の例により滞納処分をする。この場合においては、組合は、市町村長の徴収した金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に納付しなければならない。
 4 市町村長が第一項の規定による申請を受けた日から三十日以内に滞納処分に着手せず、又は九十日以内にこれを終了しない場合においては、組合の理事は、都道府県知事の認可を受けて、地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。
 5 前二項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
第四十二条(賦課金等の時効)
 賦課金、負担金、分担金、過怠金及び督促手数料を徴収する権利は、五年間行わない場合においては、時効により消滅する。
 2 前条第一項の督促は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
第四十三条(借入金)
 組合は、その事業を行うため必要がある場合においては、借入金を借り入れることができる。
第四十四条(民法の準用)
 民法第四十四条第一項(法人の不法行為能力)、第五十条(法人の住所)、第五十四条(代表権の制限)、第五十五条(代表権の委任)及び第六十六条(社員の議決権のない場合)の規定は、組合について準用する。この場合において、同法第五十五条中「定款、寄附行為又ハ総会ノ議決」とあるのは「定款」と、第六十六条中「社団法人」とあるのは「土地区画整理組合」と、「社員」とあるのは「組合員」と読み替えるものとする。
第三款 解散及び合併
第四十五条(解散)
 組合は、左の各号に掲げる事由に因り解散する。
 一 設立についての認可の取消
 二 総会の議決
 三 定款で定めた解散事由の発生
 四 事業の完成又はその完成の不能
 五 合併
 六 事業の引継
 2 組合は、前項第二号から第四号までの一に掲げる事由に因り解散しようとする場合においては、建設省令で定めるところにより、その解散について都道府県知事の認可を受けなければならない。
 3 都道府県知事は、第十六条において準用する第六条第二項の規定により事業計画に住宅先行建設区が定められている場合においては、第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地についての第百十七条の二第一項に規定する指定期間を経過した後でなければ、前項に規定する認可(事業の完成の不能による解散その他事業の廃止による解散についての認可を除く。)をしてはならない。ただし、住宅先行建設区内の換地に住宅が建設されたこと等により施行地区における住宅の建設を促進する上で支障がないと認められる場合においては、指定期間内においても当該認可をすることができる。
 4 組合は、第一項第二号から第四号までの一に掲げる事由に因り解散しようとする場合において、その組合に借入金があるときは、解散についてその債権者の同意を得なければならない。
 5 都道府県知事は、組合の設立についての認可を取り消した場合又は第二項に規定する認可をした場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
 6 組合は、前項の公告があるまでは、解散をもつて組合員以外の第三者に対抗することができない。
第四十六条(清算人)
 組合が解前条第一項第一号から第四号までの一に掲げる事由に因り解散した場合においては、理事がその清算人となる。但し、総会で他の者を選任した場合においては、この限りでない。
第四十七条(清算事務)
 清算人は、就職の後、遅滞なく、組合の財産の現況を調査し、財産目録を作成し、及び財産処分の方法を定め、財産目録及び財産処分の方法について総会の承認を求めなければならない。
第四十八条(残余財産の処分制限)
 清算人は、組合の債務を弁済した後でなければ、その残余財産を処分することができない。
第四十九条(決算報告)
 清算人は、清算事務が終つた場合においては、建設省令で定めるところにより、遅滞なく、決算報告書を作成し、これについて都道府県知事の承認を得た後、これを組合員に報告しなければならない。
第五十条(合併)
 組合は、合併しようとする場合においては、総会においてその旨を議決しなければならない。
 2 合併によつて組合を設立しようとする場合においては、関係各組合の総会で組合員のうちから選挙された者が、第十四条第一項に規定する認可を申請する者となり、設立に必要な行為をしなければならない。この場合において、認可の申請は、関係各組合の合併の議決書を添えてしなければならない。
 3 合併をする組合の一方が合併後存続する場合においては、その組合は、関係各組合の合併の議決書を添えて、定款及び事業計画の変更について第三十九条第一項に規定する認可を受けなければならない。
 4 組合は、合併しようとする場合において、その組合員に借入金があるときは、その合併についてその債権者の同意を得なければならない。
 5 第二項の場合においては、組合の設立に関して第十七条において準用する第七条に規定する手続を行うことを要しないものとし、第三項の場合においては、定款及び事業計画の変更に関して第三十九条第二項において準用する第七条に規定する手続及び第三十九条第三項に規定する手続を行うことを要しないものとする。
 6 第二項又は第三項に規定する認可があつた場合においては、その認可の公告前においても、第二十一条第六項又は第三十九条第五項の規定にかかわらず、合併に因り新たに設立された組合はその成立並びに定款及び事業計画をもつて、合併後存続する組合は事業計画及び定款の変更をもつて、合併に因り解散した組合はその解散をもつて、関係組合の組合員に対抗することができる。
 7 組合が合併した場合においては、合併に因り新たに設立された組合又は合併後存続する組合は、合併に因り消滅した組合の権利義務(その組合がその行う事業に関し、行政庁の許可、認可その他の処分に基いて有する権利義務を含む。)を承継する。
第五十一条(民法及び非訟事件手続の準用)
 民法第七十三条(清算法人)、第七十五条(裁判所による清算人の選任)、第七十六条(清算人の解任)、第七十八条から第八十条まで(清算人の職味権限等)及び第八十二条(解散及び清算の監督)並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項(法人の解散及び清算の監督の管轄)、第三十六条(検査人の選任)、第三十七条ノ二(清算人等の報酬)、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項(裁判所の監督上の調査等)、第百三十六条(清算事件の管轄)、第百三十七条(清算人の選任及び解任の裁判)及び第百三十八条(清算人不適格者)の規定は、組合の解散及び清算について準用する。この場合において、民法第七十五条中「前条」とあるのは、「土地区画整理法第四十六条」と読み替えるものとする。
第三節 都道府県及び市町村
第五十二条(施行規程及び事業計画の決定等)
 都道府県又は市町村は、第三条第三項の規定により土地区画整理事業を施行しようとする場合においては、施行規程及び事業計画を定めなければならない。この場合において、その事業計画において定める設計の概要について、建設省令で定めるところにより、都道府県にあつては国土交通大臣の、市町村にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。
 2 都道府県又は市町村は、第三条第三項の規定により施行する土地区画整理事業について事業計画が定めた場合においては、都道府県にあつては前項に規定する認可をもつて都市計画法第五十九条第二項に規定する認可と、市町村にあつては前項に規定する認可をもつて同条第一項に規定する認可とみなす。第四条第二項ただし書の規定は、この場合に準用する。
第五十三条(施行規程)
 施行規程は、当該都道府県又は市町村の条例で定める。
 2 前項の施行規程には、左の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 土地区画整理事業の名称
 二 施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称
 三 土地区画整理事業の範囲
 四 事務所の所在地
 五 費用の分担に関する事項
 六 保留地を定めようとする場合においては、保留地の処分方法に関する事項
 七 土地区画整理審議会並びにその委員及び予備委員に関する事項(委員の報酬及び費用弁償に関する事項を除く。)
 八 その他政令で定める事項
第五十四条(事業計画)
 第六条の規定は、第五十二条第一項の事業計画について準用する。
第五十五条(事業計画の決定及び変更)
 都道府県又は市町村が第五十二条第一項の事業計画を定めようとする場合においては、都道府県知事又は市町村長は、事業計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。この場合においては、市町村長は、あらかじめ、その事業計画を都道府県知事に送付しなければならない。
 2 利害関係者は、前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見がある場合においては、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし、都市計画において定められた事項については、この限りでない。
 3 都道府県知事は、前項の規定により意見書の提出があつた場合においては、これを都市計画地方審議会に付議しなければならない。
 4 都道府県知事は、都市計画地方審議会が前項の意見書の内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると議決した場合においては、都道府県が定めようとする事業計画については自ら必要な修正を加え、市町村が定めようとする事業計画についてはその市町村に対し必要な修正を加えるべきことを命じ、都市計画地方審議会がその意見書に係る意見を採択すべきでないと議決した場合においては、その旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
 5 前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。
 6 都道府県知事又は市町村長が第四項の規定により事業計画に修正を加えた場合(政令で定める軽微な修正を加えた場合を除く。)においては、その修正に係る部分について、更に第一項から本項までに規定する手続を行うべきものとする。
 7 第五十二条第一項に規定する認可を申請する場合においては、施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区。以下この条において同じ。)及び設計の概要を表示する図書を提出しなければならない。
 8 国土交通大臣又は都道府県知事は、第五十二条第一項に規定する認可をした場合においては、遅滞なく、国土交通大臣にあつては関係市町村長に、都道府県知事にあつては国土交通大臣及び及び関係市町村長に前項の図書の写しを送付しなければならない。
 9 都道府県又は市町村が事業計画を定めた場合においては、都道府県知事又は市町村長は、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、施行者の名称、事業施行期間、施行地区その他建設省令で定める事項を公告しなければならない。
 10 市町村長は、前項の公告の日から第百三条第四項の公告の日まで、建設省令で定めるところにより、第八項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
 11 都道府県又は市町村は、第九項の公告があるまでは、事業計画をもつて第三者に対抗することができない。
 12 都道府県又は市町村は、第五十二条第一項の事業計画において定めた設計の概要の変更をしようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)においては、その変更について、都道府県にあつては国土交通大臣の、市町村にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。
 13 第一項から第七項までの規定は、第五十二条第一項の事業計画を変更しようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)について、第八項の規定は、設計の概要の変更の認可をした場合について、第九項から第十一項までの規定は、同条第一項の事業計画の変更をした場合について準用する。この場合において、第七項及び第八項中「第五十二条第一項」とあるのは「第五十五条第十二項」と、第七項中「を表示する」とあるのは「についての変更を表示する」と、第九項中「を公告し」とあるのは「についての変更に係る事項を公告し」と、第十一項中「事業計画をもつて」とあるのは「事業計画の変更をもつて」と読み替えるものとする。
第五十六条(土地区画整理審議会の設置)
 都道府県又は市町村が施行する土地区画整理事業ごとに、都道府県又は市町村に、土地区画整理審議会(以下本節において「審議会」という。)を置く。
 2 施行地区を工区に分けた場合においては、審議会は、工区ごとに置くことができる。
 3 審議会は、換地計画、仮換地の指定及び減価補償金の交付に関する次項についてこの法律に定める権限を行う。
 4 審議会は、その任務を終了した場合においては、廃止されるものとする。
第五十七条(審議会の組織)
 審議会は、十人から十五人までの範囲内において、政令で定める基準に従つて施行規程で定める数の委員をもつて組織する。
第五十八条(委員)
 委員は、政令で定めるところにより、施行地区(工区ごとに審議会を置く場合においては、工区。以下本節において同じ。)内の宅地の所有者及び施行地区内の宅地について借地権を有する者が、それぞれのうちから各別に選挙する。この場合において、それぞれ選挙される委員の数は、施行地区内の宅地の所有者の総数と施行地区内の宅地について借地権を有する者の総数との割合におおむね比例しなければならない。
 2 施行地区内の宅地について存する未登記の借地権で第八十五条第一項の規定による申告のないものは、その申告のない限り、前項の規定の適用については、存しないものとみなし、施行地区内の宅地について存する未登記の借地権で第八十五条第一項の規定による申告があつたもののうち同条第三項の規定による届出のないものは、その届出のない限り、前項の規定の適用については、その借地権の移転、変更又は消滅がないものとみなす。
 3 都道府県知事又は市町村長は、土地区画整理事業の施行のため必要があると認める場合においては、第一項前段の規定にかかわらず、施行規程で定めるところにより、委員の定数の五分の一をこえない範囲内において、土地区画整理事業について学識経験を有する者のうちから委員を選任することができる。
 4 施行地区内の宅地の所有者のうちから選挙された委員と施行地区内の宅地について借地権を有する者のうちから選挙された委員とは、相兼ねてはならない。
 5 施行地区内の宅地の所有者又は施行地区内の宅地について借地権を有する者のうちからそれぞれ選挙された委員が当該権利を有しなくなつた場合及び委員が第六十三条第四項第二号又は第三号に掲げる者となつた場合においては、委員はその地位を失う。
 6 委員の任期は、五年をこえない範囲内において施行規程で定める。補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
 7 施行地区内の宅地の所有者又は施行地区内の宅地について借地権を有する者は、それぞれの総数の三分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から理由を記載した書面を都道府県知事又は市町村長に提出して、それぞれそれらの者の選挙に係る委員の改選を請求することができる。
 8 前項の規定による請求があつた場合においては、都道府県知事又は市町村長は、直ちにその請求の要旨を公表し、これを施行地区内の宅地の所有者又は施行地区内の宅地について借地権を有する者の投票に付さなければならない。
 9 委員は、前項の規定による投票において過半数の同意があつた場合においては、その地位を失う。この場合においては、その委員について置かれる予備委員も、その地位を失う。
 10 前三項に定めるものの外、委員の改選の請求及び第八項の規定による投票に関し必要な事項は、政令で定める。
第五十九条(予備委員)
 審議会に、施行規定で定めるところにより、施行地区内の宅地の所有者から選挙される委員及び施行地区内の宅地について借地権を有する者から選挙される委員についての予備委員をそれぞれ置くことができる。
 2 予備委員の数は、施行規程で定めるものとし、その数は、施行地区内の宅地の所有者から選挙すべき委員の数又は施行地区内の宅地について借地権を有する者から選挙すべき委員の数の半数をこえてはならない。但し、選挙すべき委員の数が一人の場合においては、一人とする。
 3 予備委員には、前条第一項に規定する選挙において、当選人を除いて、施行規程で定める数以上の有効投票を得た者がある場合において、施行規程で定めるところにより、得票数の多い者から順次なるものとする。
 4 前条第五項の規定は、予備委員について準用する。
 5 前条第一項の規定により選挙された委員に欠員を生じた場合においては、施行規程で定めるところにより、予備委員をもつてこれを補充する。
 6 予備委員の任期は、委員の任期による。
第六十条(委員の補欠選挙等)
 第五十八条第一項の規定により選挙された委員の欠員の数が施行規定で定める数をこえるに至つた場合において、前条第五項の規定により委員となるべき予備委員がないときは、政令で定めるところにより、補欠選挙を行わなければならない。
 2 第五十八条第三項の規定により選任された委員に欠員を生じた場合においては、施行規程で定めるところにより、委員を選任しなければならない。
第六十一条(審議会の会長)
 審議会に、会長を置く。
 2 会長は、委員のうちから委員が選挙する。
 3 会長は、審議会を代表し、議事その他の会務を総理する。
 4 会長は、委員として審議会の議決に加わることができない。
 5 会長に事故がある場合においては、委員のうちからあらかじめ互選された者がその職務を代理する。
第六十二条(審議会の招集、会議及び議事)
 審議会は、都道府県知事又は市町村長が招集する。
 2 審議会を招集するには、少くとも会議を開く日の五日前までに、会議の日時、場所及び目的である事項を委員に通知しなければならない。但し、緊急を要する場合においては、二日前までにこれらの事項を委員に通知して、審議会を招集することができる。
 3 審議会の会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数の場合においては、会長の決するところによる。
第六十三条(委員の選挙権及び被選挙権)
 施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、委員の選挙について、各一箇の選挙権及び被選挙権を有する。
 2 施行地区内の宅地についての所有権と借地権とをともに有する者は、前項の規定にかかわらず、宅地の所有者として、及び宅地について借地権を有する者として、それぞれ一箇の選挙権及び被選挙権を有する。
 3 施行地区内の宅地について存する未登記の借地権で第八十五条第一項の規定による申告のないものは、その申告のない限り、前二項の規定の適用については、存しないものとみなし、施行地区内の宅地について存する未登記の借地権で第八十五条第一項の規定による申告があつたもののうち同条第三項の規定による届出のないものは、その届出のない限り、前二項の規定の適用については、その借地権の移転、変更又は消滅がないものとみなす。
 4 左の各号の一に掲げる者は、第一項の規定にかかわらず、委員の被選挙権を有しない。
 一 未成年者
 二 禁治産者又は準禁治産者
 三 禁こ以上の刑に処せられ、その執行を終るまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
第六十四条(審議会の会議が開かれない場合等の措置)
 都道府県又は市町村は、審議会の意見を聴いて処分又は決定をすべき場合において、審議会が同一議題について再度招集されても、正当な理由がなく、会議を開かず、又は意見を提出しないときは、その意見を聞かずに処分又は決定をすることができるものとし、審議会の同意を得て処分又は決定をすべき場合において、審議会が同一議題について再度招集されても、正当な理由がなく会議を開かないときは、その同意を得ないで処分又は決定をすることができるものとする。
第六十五条(評価員)
 都道府県知事又は市町村長は、都道府県又は市町村が施行する土地区画整理事業ごとに、土地又は建築物の評価について経験を有する者三人以上を、審議会の同意を得て、評価員に選任しなければならない。
 2 前項の評価員は、非常勤とする。
 3 都道府県又は市町村は、換地計画において清算禁若しくは保留地を定めようとする場合又は第百九条第一項の規定により減価補償金を交付しようとする場合においては、土地及び土地について存する権利の価額並びに第九十三条第一項、第二項、第四項又は第五項の規定により定められる建築物の部分の価額を評価しなければならないものとし、その評価については、第一項の規定により選任された評価員の意見を聞かなければならない。
第四節 国土交通大臣、都道府県知事及び市町村長
第六十六条(施行規程及び事業計画の決定)
 国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長は、第三条第四項の規定により土地区画整理事業を施行しようとする場合においては、施行規程及び事業計画を定めなければならない。この場合において、その事業計画において定める設計の概要について、建設省令で定めるところにより、都道府県知事にあつては国土交通大臣の、市町村長にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。
 2 国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長が第三条第四項の規定により施行する土地区画整理事業について事業計画を定めた場合においては、国土交通大臣にあつては事業計画の決定をもつて、都道府県知事又は市町村長にあつては前項に規定する認可をもつて、都市計画法第五十九条第三項に規定する承認とみなす。第四条第二項ただし書の規定は、この場合に準用する。
第六十七条(施行規程)
 前条第一項の施行規程は、国土交通大臣が土地区画整理事業を施行する場合にあつては建設省令で、都道府県知事又は市町村長が土地区画整理事業を施行する場合にあつては都道府県又は市町村の規則で定める。
 2 第五十三条第二項の規定は、前項の施行規程について準用する。
第六十八条(事業計画)
 第六条の規定は、第六十六条第一項の事業計画について準用する。
第六十九条(施行規程及び事業計画の決定及び変更)
 都道府県知事又は市町村長が第六十六条第一項の施行規程及び事業計画を定めようとする場合においては、都道府県知事又は市町村長は、事業計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。この場合においては、市町村長は、あらかじめ、その施行規程及び事業計画を都道府県知事に送付しなければならない。
 2 利害関係者は、前項の規定により縦覧に供された施行規程及び事業計画について意見がある場合においては、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし、都市計画において定められた事項については、この限りでない。
 3 都道府県知事は、前項の規定により意見書の提出があつた場合においては、これを都市計画地方審議会に付議しなければならない。
 4 都道府県知事は、都市計画地方審議会が前項の意見書の内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると議決した場合においては、都道府県が定めようとする施行規程及び事業計画については自ら必要な修正を加え、市町村長が定めようとする施行規程及び事業計画についてはその市町村長に対し必要な修正を加えるべきことを命じ、都市計画地方審議会がその意見書に係る意見を採択すべきでないと議決した場合においては、その旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
 5 事業計画についての前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。
 6 都道府県知事又は市町村長が第四項の規定により施行規程及び事業計画に修正を加えた場合(政令で定める軽微な修正を加えた場合を除く。)においては、更にその修正に係る部分について第一項から本項までに規定する手続を行うべきものとする。
 7 第六十六条第一項に規定する認可を申請する場合においては、施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区。以下この条において同じ。)及び設計の概要を表示する図書を提出しなければならない。
 8 国土交通大臣又は都道府県知事は、第六十六条第一項に規定する認可をした場合においては、遅滞なく、国土交通大臣にあつては関係市町村長に、都道府県知事にあつては国土交通大臣及び及び関係市町村長に前項の図書の写しを送付しなければならない。
 9 都道府県知事又は市町村長は、その施行する土地区画整理事業について事業計画を定めた場合においては、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、施行者の名称、事業施行期間、施行地区その他建設省令で定める事項を公告しなければならない。
 10 市町村長は、前項の公告の日から第百三条第四項の公告の日まで、建設省令で定めるところにより、第八項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
 11 都道府県知事又は市町村長は、第九項の公告があるまでは、事業計画をもつて第三者に対抗することができない。
 12 都道府県知事又は市町村長は、第六十六条第一項の事業計画において定めた設計の概要の変更をしようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)においては、その変更について、都道府県にあつては国土交通大臣の、市町村にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。
 13 第一項から第七項までの規定は、第六十六条第一項の施行規程又は事業計画を変更しようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)について、第八項の規定は、設計の概要の変更の認可をした場合について、第九項から第十一項までの規定は、同条第一項の施行規程又は事業計画の変更をした場合について準用する。この場合において、第七項及び第八項中「第六十六条第一項」とあるのは「第六十九条第十二項」と、第七項中「を表示する」とあるのは「についての変更を表示する」と、第九項中「を公告し」とあるのは「についての変更に係る事項を公告し」と、第十一項中「事業計画をもつて」とあるのは「事業計画の変更をもつて」と読み替えるものとする。
 14 国土交通大臣が施行する土地区画整理事業については、国土交通大臣は、第一項から第六項まで(前項において準用する場合を含む。)の規定に準じ、政令で定めるところにより、施行規程及び事業計画を定め、及び変更するものとする。
 15 国土交通大臣は、その施行する土地区画整理事業について事業計画を定め、又は事業計画を変更した場合(政令で定める軽微な変更をした場合を除く。)においては、遅滞なく、施行地区及び設計の概要を表示する図書又は変更に係る施行地区若しくは設計の概要を表示する図書を関係都道府県知事及び関係市町村長に送付しなければならない。
 16 第九項から第十一項までの規定は、国土交通大臣が事業計画を定め、又は変更した場合について準用する。この場合において、第九項中「を公告し」とあるのは「又はそれらの事項についての変更に係る事項を公告し」と、第十項中「第八項」とあるのは「第十五項」と、第十一項中「事業計画をもつて」とあるのは「事業計画又はその変更をもつて」と読み替えるものとする。
第七十条(土地区画整理審議会)
 国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長が施行する土地区画整理事業ごとに、それぞれ建設省、都道府県知事又は市町村に、土地区画整理審議会(以下この条において「審議会」という。)を置く。
 2 施行地区を工区に分けた場合においては、審議会は、工区ごとに置くことができる。
 3 第五十六条第三項及び第四項並びに第五十七条から第六十四条までの規定は、前二項の規定により置かれる審議会について準用する。この場合において、第五十八条第三項、第七項及び第八項並びに第六十二条第一項中「都道府県知事又は市町村長」とあり、又は第六十四条中「都道府県知事又は市町村」あるのは、「国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長」と読み替えるものとする。
第七十一条(評価員)
 第六十五条の規定は、国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長が施行する土地区画整理事業について準用する。この場合において、同条第一項中「都道府県知事又は市町村長」とあり、又は同条第一項若しくは第三項中「都道府県又は市町村」とあるのは「国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長」と読み替えるものとする。
第五節 地方住宅供給公社
第七十一条の二(施行規程及び事業計画の認可)
 地方住宅供給公社(以下「地方公社」という。)は、第三条の四の規定により土地区画整理事業を施行しようとする場合においては、施行規程及び事業計画を定め、建設省令で定めるところにより、国土交通大臣(市のみが設立した地方公社にあつては、都道府県知事)の認可を受けなければならない。
 2 地方公社が第三条の四の規定により施行する土地区画整理事業については、前項に規定する認可をもつて都市計画法第五十九条第一項に規定する認可と、その他の地方公社にあつては前項に規定する認可をもつて同条第二項に規定する認可とみなす。第四条第二項ただし書の規定は、この場合に準用する。
第七十一条の三(施行規程及び事業計画)
 地方公社は、前条第一項に規定する認可の申請をしよとする場合においては、第三項の規定により聴取した地方公共団体の長の意見を記載した書類を認可申請書に添付しなければならない。
 2 第五十三条第二項の規定は、前条第一項の施行規程について、第六条の規定は、同項の事業計画について準用する。
 3 地方公社は、前条第一項の事業計画を定めようとする場合においては、当該事業計画について、あらかじめ、施行地区となるべき区域をその区域に含む地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。
 4 国土交通大臣又は都道府県知事は、前条第一項に規定する認可の申請があつた場合においては、施行規程及び事業計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
 5 利害関係者は、前項の規定により縦覧に供された施行規程及び事業計画について意見がある場合においては、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし、都市計画において定められた事項については、この限りでない。
 6 都道府県知事は、前項の規定により意見書の提出があつた場合においては、遅滞なく、当該意見書について都市計画地方審議会の意見を聴き、その意見を付して、これを国土交通大臣に送付しなければならない。ただし、当該意見書が市のみが設立した地方公社が定めた施行規程及び事業計画に係るものである場合においては、これを国土交通大臣に送付することを要しない。
 7 都道府県知事は、第五項の期間内に地方公社(市のみが設立したものを除く。)が定めた施行規程及び事業計画について意見書の提出がなかつた場合においては、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に報告しなければならない。
 8 国土交通大臣(市のみが設立した地方公社が定めた施行規程及び事業計画に係る意見書については、都道府県知事)は、第五項の規定により提出された意見書の内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認める場合においては、地方公社に対し施行規程及び事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認める場合においては、その旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
 9 前項に規定する意見書の内容の審査については、行政不服審査法中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。
 10 地方公社が第八項の規定により施行規程及び事業計画に必要な修正を加えた場合(政令で定める軽微な修正を加えた場合を除く。)においては、その修正に係る部分について、更に第四項からこの項までに規定する手続を行うべきものとする。
 11 国土交通大臣又は都道府県知事は、前条第一項に規定する認可をした場合においては、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、施行者の名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他建設省令で定める事項を公告し、かつ、関係都道府県知事及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。
 12 市町村長は、第百三条第四項の公告の日まで、建設省令で定めるところにより、前項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
 13 地方公社は、第十一項の公告があるまでは、施行規程及び事業計画をもつて第三者に対抗することができない。
 14 地方公社は、前条第一項の施行規程又は事業計画を変更しようとする場合においては、国土交通大臣(市のみが設立した地方公社にあつては、都道府県知事)の認可を受けなければならない。
 15 第一項の規定は、前項に規定する認可を申請しようとする場合について、第三項から第十項までの規定は、前条第一項の施行規程又は事業計画を変更しようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)について、第十一項から第十三項までの規定は、前項に規定する認可をした場合について準用する。この場合において、第一項、第三項、第四項及び第十一項中「前条第一項」とあるのは「第十四項」と、第十一項中「を公告し」とあるのは「についての変更に係る事項を公告し」と、「施行地区及び設計の概要を」とあるのは「変更に係る施行地区又は設計の概要を」と、第十三項中「施行規程及び事業計画をもつて」とあるのは「施行規程又は事業計画の変更をもつて」と読み替えるものとする。
第七十一条の四(土地区画整理審議会)
 地方公社が施行する土地区画整理事業ごとに、地方公社に土地区画整理審議会(以下この節において「審議会」という。)を置く。
 2 施行地区を工区ごとに分けた場合においては、審議会は、工区ごとに置くことができる。
 3 第五十六条第三項及び第四項並びに第五十七条から第六十四条までの規定は、前二項の規定により置かれる審議会について準用する。この場合において、第五十八条第三項、第七項及び第八項並びに第六十二条第一項中「都道府県知事又は市町村長」とあるのは「地方住宅供給公社理事長」と、第六十四条中「都道府県又は市町村」とあるのは「地方住宅供給公社」と読み替えるものとする。
第七十一条の五(評価員)
 第六十五条の規定は、地方公社が施行する土地区画整理事業について準用する。この場合において、同条第一項中「都道府県知事又は市町村長」とあるのは「地方住宅供給公社理事長」と、同条第一項及び第三項中「都道府県又は市町村」とあるのは「地方住宅供給公社」と読み替えるものとする。
第七十一条の六(審議会の委員及び評価員の公務員たる性質)
 審議会の委員及び前条において準用する第六十五条第一項の規定により選任される評価員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 土地区画整理事業
第一節 通則
第七十二条(測量及び調査のための土地の立入等)
 国土交通大臣、都道府県知事、市町村長又は地方住宅供給公社理事長(以下「地方公社理事長」という。)は、土地区画整理事業の施行の準備又は施行のために他人の占有する土地に立ち入つて測量し、又は調査する必要がある場合においては、その必要の限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。第三条第一項の規定により土地区画整理事業を施行しようとする者、個人施行者、組合を設立しようとする者又は組合についても、その者が当該土地の属する区域を管轄する市町村長の認可を受けた場合においては、同様とする。
 2 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、立ち入ろうとする日の三日前までにその旨を土地の占有者に通知しなければならない。但し、前項前段に掲げる者にあつては、通知することが著しく困難である場合においては、公告をもつてその通知に代えることができる。
 3 第一項の規定により、建築物が所在し、又はかき、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合においては、その立ち入ろうとする者は、立入の際、あらかじめ、その旨をその土地の占有者に告げなければならない。
 4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があつた場合を除き、前項に規定する土地に立ち入つてはならない。
 5 土地の占有者は、正当な事由がない限り、第一項の規定による立入を拒み、又は妨げてはならない。
 6 第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行う者が、その測量又は調査を行うに当り、やむを得ない必要があつて、障害となる植物又はかき、さく等を伐除しようとする場合において、その所有者及び占有者がその場所にいないため、その承諾を得ることが困難であり、且つ、その現状を著しく損傷しないときは、第一項前段に掲げる者又は同項後段に掲げる者(その命じた者又は委任した者を含む。)は、当該土地の属する区域を管轄する市町村長の認可を受けて、これを伐除することができる。この場合においては、植物又はかき、さく等を伐除した後、遅滞なく、その旨をその所有者及び占有者に通知しなければならない。
 7 第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者又は前項の規定により植物又はかき、さく等を伐除しようとする者は、その身分を示す証票又は市町村長の認可証を携帯し、関係人の請求があつた場合においては、これを呈示しなければならない。
第七十三条(土地の立入等に伴う損失の補償)
 国、都道府県、市町村若しくは地方公社又は前条第一項後段に掲げる者は、同項又は同条第六項の規定による行為により他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
 2 前項の規定による損失の補償については、損失を与えた者と損失を受けた者が協議しなければならない。
 3 前項の規定による協議が成立しない場合においては、損失を与えた者又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。
 4 国土交通大臣、都道府県知事、市町村若しくは地方公社理事長又は前条第一項後段に掲げる者は、同項又は同条第六項の規定による行為を自らし、又はその命じた者若しくは委任した者にさせた場合において、その行為により他人に損失を与えたと認めるときは、その損失の程度を証するために必要な資料を作成しておかなければならない。
第七十四条(関係簿書の閲覧等)
 国土交通大臣、都道府県知事、市町村若しくは地方公社理事長又は第七十二条第一項後段に掲げる者は、土地区画整理事業の施行の準備又は施行のため必要がある場合においては、施行地区となるべき区域又は施行地区を管轄する登記所に対し、又はその他の官公署の長に対し、無償で必要な簿書若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。
第七十五条(専門的技術等に関し必要な措置)
 第三条第一項の規定により土地区画整理事業を施行しようとする者、個人施行者、組合を設立しようとする者又は組合は都道府県知事及び市町村長に対し、市町村又は市町村長は国土交通大臣及び都道府県知事に対し、都道府県又は都道府県知事は国土交通大臣に対し、地方公社は国土交通大臣、都道府県知事及び市町村長に対し、土地区画整理事業の施行の準備又は施行のために、それぞれ土地区画整理事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。
 2 国土交通大臣は、仮換地の指定及び換地処分の適正な実施その他土地区画整理事業の円滑な施行が進められるよう、広く当該事業に関する専門的知識の維持向上に努めるものとする。この場合において、国土交通大臣は、政令で定めるところにより、換地計画に関する専門的技術を有する者の養成確保を図るため必要な技術検定を行うことができる。
 3 前項後段の技術検定を受けようとする者は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。
第七十六条(建築行為等の制限)
 次の各号に掲げる公告があつた日後、第百三条第四項の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくはたい積を行おうとする者は、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあつては国土交通大臣の、その他の者が施行する土地区画整理事業にあつては都道府県知事の許可を受けなければならない。
 一 個人施行者が施行する土地区画整理事業にあつては、その施行についての認可の公告又は施行地区の変更を含む事業計画の変更(以下本項において「事業計画の変更」という。)についての認可の公告
 二 組合が施行する土地区画整理事業にあつては、その設立についての認可の公告又は事業計画の変更についての認可の公告
 三 市町村、都道府県、市町村長、都道府県知事又は国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあつては、事業計画の決定の公告又は事業計画の変更の公告
 四 地方公社が施行する土地区画整理事業にあつては、施行規程及び事業計画の認可の公告又は事業計画の変更の認可の公告
 2 都道府県知事は、前項に規定する許可の申請があつた場合において、その許可をしようとするときは、施行者の意見を聞かなければならない。
 3 国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項に規定する許可をする場合において、土地区画整理事業の施行のため必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を附することができる。この場合において、これらの条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。
 4 国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項の規定に違反し、又は前項の規定により付した条件に違反した者がある場合においては、これらの者又はこれらの者から当該土地、建築物その他の工作物又は物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、地区整理事業の施行に対する障害を排除するため必要な限度において、当該土地の原状回復を命じ、又は当該建築物その他の工作物若しくは物件の移転若しくは除却を命ずることができる。
 5 前項の規定により土地の原状回復を命じ、又は建築物その他の工作物若しくは物件の移転若しくは除却を命じようとする場合において、過失がなくてその原状回復又は移転若しくは除却を命ずべき者を確知することができないときは、国土交通大臣又は都道府県知事は、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、これを原状回復し、又は移転し、若しくは除却すべき旨及びその期限までに原状回復し、又は移転し、若しくは除却しないときは、国土交通大臣若しくは都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、原状回復し、又は移転し、若しくは除却する旨をあらかじめ公告しなければならない。
第七十七条(建築物等の移転及び除却)
 施行者は、第九十八条第一項の規定により仮換地若しくは仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を指定した場合、第百条第一項の規定により従前の宅地若しくはその部分について使用し、若しくは収益することを停止させた場合又は公共施設の変更若しくは廃止に関する工事を施行する場合において、従前の宅地又は公共施設の用に供する土地に存する建築物その他の工作物又は竹木土石等(以下これらを本条及び次条において「建築物等」と総称する。)を移転し、又は除却することが必要となつたときは、これらの建築物等を移転し、又は除却することができる。
 2 施行者は、前項の規定により建築物等を移転し、又は除却しようとする場合においては、相当の期限を定め、その期限後においてはこれを移転し、又は除却する旨をその建築物等の所有者及び占有者に対し通知するとともに、その期限までに自ら移転し、又は除却する意思の有無をその所有者に対し照会しなければならない。
 3 前項の場合において、住居の用に供している建築物については、同項の相当の期限は、三月を下つてはならない。但し、建築物の一部について政令で定める軽微な移転若しくは除却をする場合又は前条第一項の規定に違反し、若しくは同条第三項の規定により附された条件に違反して建築されている建築物で既に同条第四項若しくは第五項の規定により移転若しくは除却が命ぜられ、若しくはその旨が公告されたものを移転し、若しくは除却する場合については、この限りでない。
 4 第一項の規定により建築物を移転し、又は除却しようとする場合において、施行者は、過失がなくて建築物等の所有者を確知することができないときは、これに対し第二項の通知及び照会をしないで、過失がなくて占有者を確知することができないときは、これに対し同項の通知をしないで、移転し、又は除却することができる。この場合においては、相当の期限を定め、その期限後においてはこれを移転し、又は除却する旨を、政令で定めるところにより公告しなければならない。
 5 第三項の規定は、前項後段の規定により公告をする場合における期限について準用する。
 6 施行者は、第二項の規定により建築物等の所有者に通知した期限後又は第四項後段の規定により公告された期限後においては、何時でも自ら建築物等を移転し、若しくは除却し、又はその命じた者若しくは委任した者に建築物等を移転させ、若しくは除却させることができる。この場合において、個人施行者又は組合は、建築物を移転し、又は除却しようとするときは、あらかじめ、建築物等の所在する土地の属する区域を管轄する市町村長の認可を受けなければならない。
 7 前項の規定により建築物等を移転し、又は除却する場合においては、その建築物等の所有者及び占有者は、施行者の許可を得た場合を除き、その移転又は除却の開始から完了に至るまでの間は、その建築物等を使用することができない。
 8 第六項の規定により建築物等を移転し、又は除却しようとする者は、その身分を示す証票又は市町村長の認可証を携帯し、関係人の請求があつた場合においては、これを呈示しなければならない。
第七十八条(移転等に伴う損失補償)
 前条第一項の規定により施行者が建築物等を移転し、若しくは除却したことに因り他人に損失を与えた場合又は同条第二項の照会を受けた者が自ら建築物等を移転し、若しくは除却したことに因りその者が損失を受け、若しくは他人に損失を与えた場合においては、施行者(施行者が国土交通大臣である場合においては、国、都道府県知事又は市町村長である場合においては当該都道府県又は市町村。以下次項において同じ。)は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
 2 前条第一項の規定により施行者が移転し、若しくは除却した建築物等又は同条第二項の照会を受けた者が自ら移転し、若しくは除却した建築物等が、第七十六条第四項若しくは第五項、都市計画法第八十一条第一項若しくは第二項又は建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第九条の規定により移転又は除却を命ぜられているものである場合においては、施行者は、前項の規定にかかわらず、これらの建築物等の所有者に対しては、移転又は除却により生じた損失を補償することを要しないものとし、前条第一項の規定によりこれらの建築物等を移転し、又は除却した場合におけるその移転又は除却に要した費用は、これらの建築物等の所有者から徴収することができるものとする。
 3 第七十三条第二項から第四項までの規定は、第一項の規定による損失の補償について準用する。この場合において、同条第四項中「国土交通大臣、都道府県知事、市町村長若しくは地方公社理事長又は前条第一項後段に掲げる者」とあるのは「施行者」と、「同項又は同条第六項」とあるのは「第七十七条第一項」と読み替えるものとする。
 4 行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)第五条及び第六条の規定は施行者(個人施行者及び組合を除く。)が第二項の規定により費用を徴収する場合について、第四十一条の規定は組合が第二項の規定により徴収する徴収金を滞納する者がある場合について準用する。
 5 施行者は、前条第一項の規定により除却した建築物等に対する補償金を支払う場合において、その建築物等について先取特権、質権又は抵当権があるときは、その補償金を供託しなければならない。但し、先取特権、質権又は抵当権を有する債権者から供託をしなくてもよい旨の申出があつた場合においては、この限りでない。
 6 前項に規定する先取特権、質権又は抵当権を有する債権者は、同項の規定により供託された補償金についてその権利を行うことができる。
第七十九条(土地の使用等)
 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、移転し、又は除却しなければならない建築物に居住する者を一時的に収容するために必要な施設、公共施設に関する工事の施行のために必要な材料置場等の施設その他土地区画整理事業の施行のために欠くことのできない施設を設置するため必要がある場合においては、土地収用法で定めるところに従い、土地を使用することができる。
 2 前項の規定により施行地区内の土地を使用する場合においては、土地収用法第二十八条の三及び第百四十二条の規定は適用せず、同法第八十九条第三項中「第二十八条の三第一項」とあるのは、「土地区画整理法第七十六条第一項」とする。
第八十条
 第九十八条第一項の規定により仮換地若しくは仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を指定した場合又は第百条第一項の規定により従前の宅地若しくはその部分について使用し、若しくは収益することを停止させた場合において、それらの処分に因り使用し、又は収益することができる者のなくなつた従前の宅地又はその部分については、施行者又はその命じた者若しくは委任した者は、その宅地の所有者及び占有者の同意を得ることなく、土地区画整理事業の工事を行うことができる。
第八十一条(標識の設置)
 施行者は、土地区画整理事業の施行に必要な測量を行うため、又は仮換地若しくは換地の位置を表示するため必要がある場合においては、建設省令で定める標識を設けることができる。
 2 何人も、第百三条第四項の公告がある日までは、前項の規定により設けられた標識を施行者の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくはき損してはならない。
第八十二条(土地の分割及び合併)
 施行者は、土地区画整理事業の施行のために必要がある場合においては、所有者に代わつて土地の分割又は合併の手続をすることができる。
 2 施行者は、次条の規定による届出をする場合において、一筆の土地が施行地区の内外又は二以上の工区にわたるときは、その届出とともに、その土地の分割の手続をしなければならない。
第八十三条(登記所への届出)
 施行者は、第七十六条第一項各号に掲げる公告があつた場合においては、当該施行地区を管轄する登記所に、建設省令で定める事項を届け出なければならない。
第八十四条(関係簿書の備付け)
 施行者は、規準、規約、定款又は施行規程並びに事業計画及び換地計画に関する図書その他政令で定める簿書を主たる事務所に備え付けておかなければならない。
 2 利害関係者から前項の簿書の閲覧の請求があつた場合においては、施行者は、正当な事由がないのに、これを拒んではならない。
第八十五条(権利の申告)
 施行地区(個人施行者の施行する土地区画整理事業に係るものを除く。)内の宅地についての所有権以外の権利で登記のないものを有し、又は有することとなつた者は、当該権利の存する宅地の所有者若しくは当該権利の目的である権利を有する者と連署し、又は当該権利を証する書類を添えて、建設省令で定めるところにより、書面をもつてその権利の種類及び内容を施行者に申告しなければならない。
 2 第十九条第三項(第三十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申告のあつた未登記の借地権は、前項の規定による申告があつたものとみなす。
 3 第一項の規定による申告に係る登記のない権利(前項の規定により第一項の規定による申告があつたものとみなされた借地権を含む。)の移転、変更又は消滅があつた場合においては、当該移転、変更又は消滅に係る当事者の双方又は一方は、連署し、又は当該移転、変更若しくは消滅があつたことを証する書類を添えて、建設省令で定めるところにより、書面をもつてその旨を施行者に届け出なければならない。
 4 施行者は、議決権又は選挙権を行う者を確定するため必要がある場合においては借地権について、換地計画の決定又は仮換地の指定のため必要がある場合においては宅地についての所有権以外の権利について、その必要な限度において、第一項又は前項の規定にかかわらず、定款又は施行規程で定めるところにより、一定期間第一項の申告又は前項の届出を受理しないこととすることができる。
 5 個人施行者以外の施行者は、第一項の規定により申告しなければならない権利でその申告のないもの(第二項の規定により第一項の規定による申告があつたものとみなされた借地権を除く。)については、その申告がない限り、これを存しないものとみなして、次条第五項及び本章第二節から第六節までの規定による処分又は決定をすることができるものとし、第一項の規定による申告があつた施行地区内の宅地について存する登記のない権利(第二項の規定により第一項の規定による申告があつたものとみなされた借地権を含む。)で第三項の規定による届出のないものについては、その届出のない限り、その権利の移転、変更又は消滅がないものとみなして、次条第五項及び本章第二節から第六節までの規定による処分又は決定をすることができる。
 6 組合が成立した後、最初の役員が選挙され、又は選任されるまでの間は、第一項又は第三項の規定により組合に対してされた申告又は届出は、第十四条第一項に規定する認可を受けた者が受理するものとする。
第八十五条の二(住宅先行建設区への換地の申出等)
 第六条第二項(第十六条、第五十四条、第六十八条及び第七十一条の三第二項において準用する場合を含む。)の規定により事業計画において住宅先行建設区が定められたときは、施行地区内の宅地の所有者で当該宅地についての換地に住宅を先行して建設しようとするものは、施行者に対し、建設省令で定めるところにより、換地計画において当該宅地についての換地を住宅先行建設区内に定めるべき旨の申出をすることができる。
 2 前項の規定による申出をしようとする者は、建設省令で定めるところにより、施行者に、当該申出に係る宅地についての換地に建設しようとする住宅の建設に関する計画(次項及び第五項並びに第百十七条の二第一項及び第二項において「建設計画」という。)を提出しなければならない。
 3 第一項の規定による申出に係る宅地について住宅の所有を目的とする借地権を有する者があるときは、当該申出及び建設計画についてその者の同意がなければならない。
 4 第一項の規定による申出は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に掲げる公告があつた日から起算して六十日以内に行わなければならない。
 一 事業計画が定められた場合  第七十六条第一項各号に掲げる公告(事業計画の変更の公告又は事業計画の変更についての認可の公告を除く。)
 二 事業計画の変更により新たに住宅先行建設区が定められた場合  当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更についての認可の公告
 三 事業計画により従前の施行地区外の土地が新たに施行地区に編入されたことに伴い住宅先行建設区の面積が拡張された場合  当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更についての認可の公告
 5 施行者は、第一項の規定による申出があつた場合には、遅滞なく、当該申出が次に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該申出に係る宅地を、換地計画においてその宅地についての換地を住宅先行建設区内に定められるべき宅地として指定し、当該申出が次に掲げる要件に該当しないと認めるときは、当該申出に応じない旨を決定しなければならない。
 一 当該申出に係る宅地に建築物その他の工作物(容易に移転し、又は除却することができるもので建設省令で定めるものを除く。)が存しないこと。
 二 当該申出に係る宅地に地上権、永小作権、賃借権その他の当該宅地を利用し、又は収益することができる権利(住宅の所有を目的とする借地権及び地役権を除く。)が存しないこと。
 三 当該申出に係る宅地についての換地に、第百十七条の二第一項に規定する指定期間を経過する日までに、建設計画に従つて住宅が建設されることが確実であると見込まれること。
 6 施行者は、前項の規定による指定又は決定をしたときは、遅滞なく、第一項の規定による申出をした者に対し、その旨を通知しなければならない。
 7 施行者は、第五項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
 8 施行者が組合である場合においては、最初の役員が選挙され、又は選任されるまでの間は、第一項の規定による申出は、第十四条第一項の規定による認可を受けた者が受理するものとする。
第二節 換地計画
第八十六条(換地計画の決定及び認可)
 施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。この場合において、施行者が個人施行者、組合、市町村、市町村長又は地方公社であるときは、建設省令で定めるところにより、その換地計画について都道府県知事の認可を受けなければならない。
 2 施行地区が工区に分かれている場合においては、前項の換地計画は、工区ごとに定めることができる。
 3 都道府県知事は、第一項に規定する認可の申請があつた場合においては、左の各号の一に該当する事実があると認めるとき以外は、その認可をしなければならない。
 一 申請手続が法令に違反していること。
 二 換地計画の決定手続又は内容が法令に違反していること。
 三 換地計画の内容が事業計画の内容とてい触していること。
第八十七条(換地計画)
 前条第一項の換地計画においては、建設省令で定めるところにより、左の各号に掲げる事項を定めなければならない。
 一 換地設計
 二 各筆換地明細
 三 各筆各権利別清算金明細
 四 保留地その他の特別の定をする土地の明細
 五 その他建設省令で定める事項
第八十八条(換地計画に関する関係権利者の同意、縦覧及び意見書の処理)
 第八条の規定は、換地計画について認可を申請しようとする個人施行者について準用する。この場合において、同条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「換地計画に係る区域」と読み替えるものとする。
 2 個人施行者以外の施行者は、換地計画を定めようとする場合においては、その換地計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
 3 利害関係者は、前項の規定により縦覧に供された換地計画について意見がある場合においては、縦覧期間内に、施行者に意見書を提出することができる。
 4 施行者は、前項の規定により意見書の提出があつた場合においては、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは換地計画に必要な修正を加え、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
 5 施行者が前項の規定により換地計画に必要な修正を加えた場合においては、その修正に係る部分について更に第二項から本項までに規定する手続を行うべきものとする。但し、その修正が政令で定める軽微なもの又は形式的なものである場合においては、この限りでない。
 6 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、第二項の規定により縦覧に供すべき換地計画を作成しようとする場合及び第四項の規定により意見書の内容を審査する場合においては、土地区画整理審議階の意見を聴かなければならない。
 7 施行者は、第四項の規定により意見書の内容を審査する場合において、その意見書が農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)にいう農地又は採草放牧地に係るものであり、且つ、その意見書を提出した者が当該換地計画に係る区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者以外の者であるときは、その農地又は採草放牧地を管轄する農業委員会の意見を聞かなければならない。
第八十九条(換地)
 換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。
 2 前項の規定により宅地を定める場合において、従前の宅地について所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限があるときは、その換地についてこれらの権利又は処分の制限の目的となるべき宅地又はその部分を前項の規定に準じて定めなければならない。
第八十九条の二(住宅先行建設区への換地)
 第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地については、換地計画において換地を住宅先行建設区内に定めなければならない。
第九十条(所有者の同意により換地を定めない場合)
 宅地の所有者の申出又は同意があつた場合においては、換地計画において、その宅地の全部又は一部について換地を定めないことができる。この場合において、施行者は、換地を定めない宅地又はその部分について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者があるときは、換地を定めないことについてこれらの者の同意を得なければならない。
第九十一条(宅地地積の適正化)
 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定により施行する土地区画整理事業の換地計画においては、災害を防止し、及び衛生の向上を図るため宅地の地積の規模を適正にする特別な必要があると認められる場合においては、その換地計画に係る区域内の地積が小である宅地について、過小借地とならないように換地を定めることができる。
 2 前項の過小宅地の基準となる地積は、政令で定める基準に従い、施行者が土地区画整理審議会の同意を得て定める。
 3 第一項の場合において、同項に規定する地積が小である宅地の所有者及びその宅地に隣接する宅地の所有者の申出があつたときは、当該申出に係る宅地について、換地計画において換地を定めないで、施行地区内の土地の共有持分を与えるように定めることができる。ただし、当該申出に係る宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利(地役権を除く。)が存する場合においては、この限りでない。
 4 第一項の場合において、土地区画整理審議会の同意があつたときは、地積が著しく小であるため地積を増して換地を定めることが適当でないと認められる宅地について、換地計画において換地を定めないことができる。
 5 第一項の規定により換地が過小宅地とならないように換地を定めるため特別な必要があると認められる場合において、土地区画整理審議会の同意があつたときは、地積が大で特に余裕がある宅地について、換地計画において地積を特に減じて換地を定めることができる。
第九十二条(借地地積の適正化)
 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定により施行する土地区画整理事業の換地計画においては、災害を防止し、及び衛生の向上を図るため借地の地積の規模を適正にする特別な必要があると認められる場合においては、その換地計画に係る区域内の地積が小である借地の借地権について、過小借地とならないように当該借地権の目的となるべき宅地又はその部分を定めることができる。
 2 前項の過小借地の基準となる地積は、前条第二項の規定により定められた地積とする。
 3 第一項の場合において、土地区画整理審議会の同意があつたときは、地積が著しく小であるため地積を増して借地権の目的となるべき宅地又はその部分を定めることが適当でないと認められる借地の借地権について、換地計画において当該借地権の目的となるべき宅地又はその部分を定めないことができる。
 4 第一項の規定により借地権が過小借地とならないように借地権の目的となるべき宅地又はその部分を定めるため特別な必要があると認められる場合において、土地区画整理審議会の同意があつたときは、その借地の所有者が所有し、且つ、当該借地権の目的となつていない宅地又はその部分について存する地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、若しくは収益することができる権利について、換地計画において、地積を特に減じて当該権利の目的となるべき宅地又はその部分を定めることができる。
 
第九十三条(宅地の立体化)
 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、第九十一条第一項の規定により過小宅地とならないように換地を定めることができる宅地又は前条第一項の規定により過小借地とならないように借地権の目的となるべき宅地若しくはその部分を定めることができる借地権については、土地区画整理審議会の同意を得て、換地計画において、換地又は借地権の目的となるべき宅地若しくはその部分を定めないで、施行者が処分する権限を有する建築物の一部(その建築物の共用部分の共有持分を含む。以下同じ。)及びその建築物の存する土地の共有持分を与えるように定めることができる。
 2 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、市街地における土地の合理的利用を図り、及び災害を防止するため特に必要がある場合においては、都市計画法第八条第一項第五号の防火地域内で、かつ、同項第三号の高度地区(建築物の高さの最低限度が定められているものに限る。)内の宅地の全部又は一部について、土地区画整理審議会の同意を得て、換地計画において、換地又は借地権の目的となるべき宅地若しくはその部分を定めないで、施行者が処分する権限を有する建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えるように定めることができる。
 3 前二項の場合において、建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えられないで、金銭により清算すべき旨の申出があつたときは、当該宅地又は借地権については、これらの規定により建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えるように定めることができないものとする。
4 施行者は、換地計画に係る区域内の宅地の所有者の申出又は同意があつた場合においては、その宅地の全部又は一部について、換地計画において換地を定めないで、施行者が処分する権限を有する建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えるように定めることができる。この場合において、施行者は、換地を定めない部分について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者があるときは、これらの者の同意を得なければならない。
 5 第九十条又は前項の規定により換地を定めない宅地又はその部分について借地権を有する者がある場合において、その者がこれらの規定による同意にあわせて、その借地権について建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えられるべき旨を申し出たときは、施行者は、換地計画においてその借地権について施行者が処分する権限を有する建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えるように定めることができる。
 6 第一項、第二項、第四項及び前項に規定する建築物は、その主要構造部が建築基準法第二条第七号に規定する耐火構造のものでなければならない。
第九十四条(清算金)
 換地又は換地について権利(処分の制限を含み、所有権及び地役権を含まない。以下この条において同じ。)の目的となるべき宅地若しくはその部分を定め、又は定めない場合において、不均衡が生ずると認められるときは、従前の宅地又はその宅地について存する権利の目的である宅地若しくはその部分及び換地若しくは換地について定める権利の目的となるべき宅地若しくはその部分又は第九十一条第三項の規定により共有となるべきものとして定める土地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等を総合的に考慮して、金銭により清算するものとし、換地計画においてその額を定めなければならない。この場合において、前条第一項、第二項、第四項又は第五項の規定により建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えるように定める宅地又は借地権については、当該建築物の一部及びその建築物の存する土地の位置、面積、利用状況、環境等をも考慮しなければならない。
第九十五条(特別の宅地に関する措置)
 次の各号に掲げる宅地に対しては、換地計画において、その位置、地積等に特別の考慮を払い、換地を定めることができる。
 一 鉄道、軌道、飛行場、港湾、学校、市場、と畜場、墓地、火葬場、ごみ焼却場及び防火、防砂又は防潮の施設その他の公共の用に供する施設で政令で定めるものの用に供している宅地
 二 病院、療養所その他の医療事業の用に供する施設で政令で定めるものの用に供している宅地
 三 養護老人ホーム、救護施設その他の社会福祉事業の用に供する施設で政令で定めるものの用に供している宅地
 四 電気工作物、ガス工作物その他の公益事業の用に供する施設で政令で定めるものの用に供している宅地
 五 国又は地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所、試験所その他の直接その事務又は事業の用に供する施設で政令で定めるものの用に供している宅地
 六 公共施設の用に供している宅地
 七 その他特別の事情のある宅地で政令で定めるもの
 2 工区ごとに換地計画を定める場合において必要があるときは、一の工区において換地を定めないこととされる宅地について、その宅地を他の工区にあるものとみなして、当該他の工区に係る換地計画において換地を定めることができる。
 3 第一項第一号から第五号までに掲げる施設で主として当該換地計画に係る区域内に居住する者の利便に供するものの用に新たに供すべき土地については、換地計画において、一定の土地を換地として定めないで、その土地を当該施設の用に供すべき宅地として定めることができる。この場合においては、この土地は、換地計画において、換地とみなされるものとする。
 4 文化財保護法(昭和二十九年法律第二百十四号)の規定により重要文化財又は史跡名勝天然記念物として指定された建造物その他の土地の定着物でその文化としての性質上これを移転することが適当でないものの所在する宅地については、これらの定着物の移転の必要を生じないように、換地計画において換地を定めなければならない。
 5 第一項第一号から第五号までに掲げる施設で主として当該換地計画に係る区域内に居住する者の利便に供するものの用に供している宅地又はその用に供すべき土地については、換地計画において、金銭により清算すべき額に関し特別の定をすることができる。
 6 第一項第六号に掲げる宅地については、土地区画整理事業の施行により当該宅地に存する公共施設に代るべき公共施設が設置され、その結果、当該公共施設が廃止される場合その他特別の事情のある場合においては、換地計画において、当該宅地について換地を定めないことができる。
 7 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、前各項の規定により換地計画において特別の定めをしようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。
第九十五条の二
 第三条第二項の規定により施行する土地区画整理事業の換地計画においては、組合の定款で施行地区内の土地が参加組合員に与えられるように定められているときは、一定の土地を換地として定めないで、その土地を当該参加組合員に対して与えるべき宅地として定めなければならない
第九十六条(保留地)
 第三条第一項又は第二項の規定により施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、又は規準、規約若しくは定款で定める目的のため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。
 2 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定により施行する土地区画整理事業の換地計画においては、その土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額(第九十三条第一項、第二項、第四項又は第五項の規定により建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えるように定める場合においては、当該建築物の価額を含むものとする。以下同じ。)がその土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額を超える場合においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、その差額に相当する金額を超えない価額の一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。
 3 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、前項の規定により保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。
第九十七条(換地計画の変更)
 個人施行者、組合、市町村、市町村長又は地方公社は、換地計画を変更しようとする場合においては、建設省令で定めるところにより、その換地計画の変更について都道府県知事の認可を受けなければならない。
 2 第八条の規定は、換地計画を変更しようとする個人施行者について、第八十六条第三項の規定は個人施行者から前項に規定する認可の申請があつた場合について準用する。この場合において、第八条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「換地計画に係る区域」と読み替えるものとする。
 3 第八十六条第三項の規定は個人施行者以外の施行者から第一項に規定する認可の申請があつた場合について、第八十八条第二項から第七項までの規定は個人施行者以外の施行者が換地計画を変更しようとする場合(政令で定める軽微な又は形式的な変更をしようとする場合を除く。)について準用する。この場合において、第八十八条第二項中「その換地計画」とあるのは、「その換地計画の変更に係る部分」と読み替えるものとする。
第三節 仮換地の指定
第九十八条(仮換地の指定)
 施行者は、換地処分を行う前において、土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基き換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。この場合において、従前の宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者があるときは、その仮換地について仮にそれらの権利の目的となるべき宅地又はその部分を指定しなければならない。
 2 施行者は、前項の規定により仮換地を指定し、又は仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を指定する場合においては、換地計画において定められた事項又はこの法律に定める換地計画の決定の基準を考慮してしなければならない。
 3 第一項の規定により仮換地を指定し、又は仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、個人施行者は、従前の宅地の所有者及びその宅地についての第一項後段に規定する権利をもつて施行者に対抗することができる者並びに仮換地となるべき宅地の所有者及びその宅地についての第一項後段に規定する権利をもつて施行者に対抗することができる者の同意を得なければならず、組合は、総会若しくはその部会又は総代会の同意を得なければならないものとし、第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。
 4 第一項の規定による仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知してするものとする。
 5 前項の規定により通知をする場合において、仮換地となるべき土地について地上権、永小作権、賃借権その他の土地を使用し、又は収益することができる権利を有する者があるときは、これらの者に仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を、従前の宅地についてこれらの権利を有する者があるときは、これらの者にその宅地に対する仮換地となるべき土地について定められる仮にこれらの権利の目的となるべき宅地又はその部分及び仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければならない。
 6 第一項の規定による仮換地の指定又は仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分の指定については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。
第九十九条(仮換地の指定の効果)
 前条第一項の規定により仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権限に基き使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から第百三条第四項の公告がある日まで、仮換地又は仮換地について仮に使用し、若しくは収益することができる権利の目的となるべき宅地若しくはその部分について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができるものとし、従前の宅地については、使用し、又は収益することができないものとする。
 2 施行者は、前条第一項の規定により仮換地を指定した場合において、その仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するときその他特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を前条第四項に規定する日と別に定めることができる。この場合においては、前条第四項及び第五項の規定による通知にあわせてその旨を通知しなければならない。
 3 前二項の場合においては、仮換地について権限に基き使用し、又は収益することができる者は、前条第四項に規定する日(前項前段の規定によりその仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定めた場合においては、その日)から第百三条第四項の公告がある日まで、当該仮換地を使用し、又は収益することができない。
第百条(使用収益の停止)
 施行者は、換地処分を行う前において、土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基き換地処分を行うため必要がある場合においては、換地計画において換地を定めないこととされる宅地の所有者又は換地について権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を定めないこととされる権利を有する者に対して、期日を定めて、その期日からその宅地又はその部分について使用し、又は収益することを停止させることができる。この場合においては、その期日の相当期間前に、その旨をこれらの者に通知しなければならない。
 2 前項の規定により宅地又はその部分について使用し、又は収益することが停止された場合においては、当該宅地又はその部分について権限に基き使用し、又は収益することができる者は、同項の期日から第百三条第四項の公告がある日まで、当該宅地又はその部分について使用し、又は収益することができない。
 3 第一項の規定による宅地又はその部分についての使用又は収益の停止については、行政手続法第三章の規定は、適用しない。
第百条の二(仮換地に指定されない土地の管理)
 第九十八条第一項の規定により仮換地若しくは仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を指定した場合又は前条第一項の規定により従前の宅地若しくはその部分について使用し、若しくは収益することを停止させた場合において、それらの処分に因り使用し、又は収益することができる者のなくなつた従前の宅地又はその部分については、当該処分に因り当該宅地又はその部分を使用し、又は収益することができる者のなくなつた時から第百三条第四項の公告がある日までは、施行者がこれを管理するものとする。
第百一条(仮換地の指定等に伴う補償)
 従前の宅地の所有者及びその宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者が、第九十九条第二項の規定によりその仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定められたため、従前の宅地について使用し、又は収益することができなくなつたことに因り損失を受けた場合においては、施行者(施行者が国土交通大臣である場合においては国、都道府県知事又は市町村長である場合においては当該都道府県又は市町村。以下次項及び第三項において同じ。)は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
 2 仮換地の所有者及びその仮換地について地上権、永小作権、賃借権その他の土地を使用し、又は収益することができる権利を有する者が、第九十九条第三項の規定によりその仮換地について使用し、又は収益を開始することができなくなつたことに因り損失を受けた場合においては、施行者は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
 3 従前の宅地の所有者及びその宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者が、第百条第二項の規定によりその従前の宅地を使用し、又は収益することができなくなつたことに因り損失を受けた場合においては、施行者は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
 4 第七十三条第二項及び第三項の規定は、前各項の規定による損失の補償について準用する。
 5 第七十八条第五項及び第六項の規定は、施行者が第一項から第三項までの規定による補償金を支払う場合について準用する。この場合において、同条第五項中「その建築物等について」とあるのは、「当該宅地又はその宅地について存する権利について」と読み替えるものとする。
第百二条(仮清算)
 施行者は、第九十八条第一項の規定により仮換地を指定した場合又は第百条第一項の規定により使用し、若しくは収益することを停止させた場合において、必要があると認めるときは、第九十四条に定めるところに準じて仮に算出した仮清算金を、清算金の徴収又は交付の方法に準ずる方法により徴収し、又は交付することがでいる。
 2 第百十二条の規定は、施行者が前項の規定により仮清算金を交付する場合において、宅地又は宅地について存する権利について先取特権、質権又は抵当権があるときについて準用する。
第四節 換地処分
第百三条(換地処分)
 換地処分は、関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知してするものとする。
 2 換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了した後において、遅滞なく、しなければならない。ただし、規準、規約、定款又は施行規定に別段の定めがある場合においては、換地計画に係る区域の全部について工事が完了する以前においても換地処分をすることができる。
 3 個人施行者、組合、市町村、市町村長又は地方公社は、換地処分をした場合においては、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
 4 国土交通大臣又は都道府県知事は、換地処分をした場合においては、その旨を公告しなければならない。都道府県知事は、都道府県が換地処分をした場合又は前項の届出があつた場合においては、換地処分があつた旨を公告しなければならない。
 5 換地処分の結果、市町村の区域内の町又は字の区域又は名称について変更又は廃止をすることが必要となる場合においては、前項の公告に係る換地処分の効果及びこれらの変更又は廃止の効力が同時に発生するように、その公告をしなければならない。
 6 換地処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない。
第百四条(換地処分の効果)
 前条第四項の公告があつた場合においては、換地計画において定められた換地は、その公告があつた日の翌日から従前の宅地とみなされるものとし、換地計画において換地を定めなかつた従前の宅地について存する権利は、その公告があつた日が終了した時において消滅するものとする。
 2 前条第四項の公告があつた場合においては、従前の宅地について存した所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限について、換地計画において換地について定められたこれらの権利又は処分の制限の目的となるべき宅地又はその部分は、その公告があつた日の翌日から従前の宅地について存したこれらの権利又は処分の制限の目的である宅地又はその部分とみなされるものとし、換地計画において換地について目的となるべき宅地の部分を定められなかつたこれらの権利は、その公告があつた日が終了した時において消滅するものとする。
 3 前二項の規定は、行政上又は裁判上の処分で従前の宅地に専属するものに影響を及ぼさない。
 4 施行地区内の宅地について存する地役権は、第一項の規定にかかわらず、前条第四項の公告があつた日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存する。
 5 土地区画整理事業の施行に因り行使する利益がなくなつた地役権は、前条第四項の公告があつた日が終了した時において消滅する。
 6 第九十一条第三項の規定により換地計画において土地の共有持分を与えられるように定められた宅地を有する者は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、換地計画において定められたところにより、その土地の共有持分を取得するものとする。この場合において、従前の宅地について存した先取特権、質権若しくは抵当権又は仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記若しくは処分の制限の登記に係る権利は、同項の公告があつた日の翌日以後においては、その土地の共有持分の上に存するものとする。
 7 第九十三条第一項、第二項、第四項又は第五項の規定により換地計画において建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えられるように定められた宅地又は借地権を有する者は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、換地計画において定められたところにより、その建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を取得するものとする。前項後段の規定は、この場合について準用する。
 8 第九十四条の規定により換地計画において定められた清算金は、前条第四項の公告があつた日の翌日において確定する。
 9 第九十五条第二項又は第三項の規定により換地計画において定められた換地は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、当該換地の所有者となるべきものとして換地計画において定められた者が取得する。
 10 第九十五条の二の規定により換地計画において参加組合員に対して与えるべきものとして定められた宅地は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、当該宅地の所有者となるべきものとして換地計画において定められた参加組合員が取得する。
 11 第九十六条第一項又は第二項の規定により換地計画において定められた保留地は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、第三条第一項から第三項まで又は第三条の四の規定により施行する土地区画整理事業にあつては施行者が、第三条第四項の規定により施行する土地区画整理事業にあつてはそれぞれ国、都道府県又は市町村が取得する。
第百五条(公共施設の用に供する土地の帰属)
 換地計画において換地を宅地以外の土地に定めた場合において、その土地に存する公共施設が廃止されるときは、これに代わるべき公共施設の用に供する土地は、その廃止される公共施設の用に供していた土地が国の所有する土地である場合においては国に、地方公共団体の所有する土地である場合においては地方公共団体に、第百三条第四項の公告があつた日の翌日においてそれぞれ帰属する。
 2 換地計画において換地を宅地以外の土地に定めた場合においては、その土地について存する従前の権利は、第百三条第四項の公告があつた日が終了した時において消滅する。
 3 土地区画整理事業の施行に因り生じた公共施設の用に供する土地は、第一項の規定に該当する場合を除き、第百三条第四項の公告があつた日の翌日において、その公共施設を管理すべき者(当該公共施設を管理すべき者が主務大臣、都道府県知事又は市町村長である場合においては、それぞれ国、都道府県又は市町村)に帰属するものとする。
第百六条(土地区画整理事業の施行により設置された公共施設の管理)
 土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合においては、その公共施設は、第百三条第四項の公告があつた日の翌日において、その施設の所在する市町村の管理に属するものとする。ただし、管理すべき者について、他の法律又は規準、規約、定款若しくは施行規程に別段の定めがある場合においては、この限りでない。
 2 施行者は、第百三条第四項の公告がある日以前においても、公共施設に関する工事が完了した場合においては、前項の規定にかかわらず、その公共施設を管理する者となるべき者にその管理を引き継ぐことができる。
 3 施行者は、第百三条第四項の公告があつた日の翌日において、公共施設に関する工事を完了していない場合においては、第一項の規定にかかわらず、その工事が完了したときにおいて、その公共施設を管理すべき者にその管理を引き継ぐことができる。但し、当該公共施設のうち工事を完了した部分についてその管理を引き継ぐことができると認められる部分においては、この限りでない。
 4 公共施設を管理すべき者は、前二項の規定により施行者からその公共施設について管理の引継の申出があつた場合においては、その公共施設に関する工事が事業計画において定められた設計の概要に適合しない場合の外、その引継を拒むことができない。
第百七条(換地処分に伴う登記等)
 施行者は、第百三条第四項の公告があつた場合においては、直ちに、その旨を換地計画に係る区域を管轄する登記所に通知しなければならない。
 2 施行者は、第百三条第四項の公告があつた場合において、施行地区内に土地及び建物について土地区画整理事業の施行に因り変動があつたときは、政令で定めるところにより、遅滞なく、その変動に係る登記を申請し、又は嘱託しなければならない。
 3 第百三条第四項の公告があつた日後においては、施行地区内の土地及び建物に関しては、前項に規定する登記がされるまでは、他の登記をすることができない。但し、登記の申請人が確定日付のある書類によりその公告前に登記原因が生じたことを証明した場合においては、この限りでない。
 4 施行地区内の土地及びその土地に存する建物の登記については、政令で、不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)の特例を定めることができる。
第百八条(保留地の処分)
 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、第百四条第十一項の規定により取得した保留地を、当該保留地を定めた目的のために、当該保留地を定めた目的に適合し、かつ、施行規程で定める方法に従つて処分しなければならない。この場合において、施行者が国土交通大臣であるときは国の、都道府県又は都道府県知事であるときは都道府県の、市町村又は市町村長であるときは市町村の、それぞれの財産の処分に関する法令の規定は、適用しない。
 2 第三条第三項又は第四項の規定による施行者は、第百四条第七項前段の規定により建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を取得させる場合については、施行者が国土交通大臣であるときは国の、都道府県又は都道府県知事であるときは都道府県の、市町村又は市町村長であるときは市町村の、それぞれの財産の処分に関する法令の規定は、適用しない。
第五節 減価補償金
第百九条(減価補償金)
 第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、土地区画整理事業の施行により、土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額が土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額より減少した場合においては、その差額に相当する金額を、その公告があつた日における従前の宅地の所有者及びその宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者に対して、政令で定める基準に従い、減価補償金として交付しなければならない。
 2 施行者は、前項の規定による減価補償金を交付しようとする場合においては、各権利者別の交付額について、土地区画整理審議会の意見を聞かなければならない。
第六節 清算
第百十条(清算金の徴収及び交付)
 施行者は、第百三条第四項の公告があつた場合においては、第百四条第八項の規定により確定した清算金を徴収し、又は交付しなければならない。この場合において、確定した清算金の額と第百二条第一項の規定により徴収し、又は交付した仮清算金の額との間に差額があるときは、施行者は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。
 2 前項の規定により徴収し、又は交付すべき清算金は、政令で定めるところにより、利子を附して、分割徴収し、又は分割交付することができる。
 3 第三条第二項から第四項まで又は第三条の四の規定による施行者は、第一項の規定により徴収すべき清算金(前項の規定により利子を付した場合においては、その利子を含む。以下同じ。)を滞納する者がある場合においては、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
 4 前項の督促をする場合においては、第三条第二項の規定による施行者は定款で定めるところにより、同条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は施行規程で定めるところにより、督促状の郵送に要する費用を勘案して建設省令で定める額以下の督促手数料及び年十.七五パーセントの割合を乗じて計算した額の範囲内の延納金を徴収することができる。
 5 第三項の規定による督促を受けた者がその督促状において指定した期限までにその納付すべき金額を納付しない場合においては、第三条第三項若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は、国税滞納処分の例により、第三項に規定する清算金並びに前項に規定する督促手数料及び延滞金を徴収することができる。この場合における清算金並びに督促手数料及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
 6 督促手数料及び延滞金は、清算金に先立つものとする。
 7 第四十一条第一項及び第三項から第五項までの規定は、第三条第二項の規定による施行者の徴収に係る第三項に規定する清算金並びに第四項に規定する督促手数料及び延滞金を督促状において指定した期限までに納付しない者がある場合について準用する。
 8 第四十二条の規定は、第三条第二項から第四項まで又は第三条の四の規定による施行者が第三項に規定する清算金並びに第四項に規定する督促手数料及び延滞金を徴収する権利について準用する。この場合において、第四十二条第二項中「前条第一項」とあるのは、「第百十条第三項」と読み替えるものとする。
第百十一条(清算金等の相殺)
 施行者は、施行地区内の宅地又は宅地について存する権利について清算金又は減価補償金を交付すべき場合において、その交付を受けるべき者から徴収すべき清算金があるときは、その者から徴収すべき清算金とその者に交付すべき清算金又は減価補償金とを相殺することができる。
 2 施行者は、減価補償金が次条第一項の規定により供託する必要があるものである場合においては、その減価補償金は、前項の規定にかかわらず、その減価補償金に係る宅地又はその宅地について存する権利について徴収すべき清算金とのみ相殺することができる。
第百十二条(抵当権が存する場合の清算金等の供託)
 施行者は、施行地区内の宅地又は宅地について存する権利について清算金又は減価補償金を交付する場合において、当該宅地又は権利について先取特権、質券又は抵当権があるときは、その清算金又は減価補償金を供託しなければならない。但し、先取特権、質券又は抵当権を有する債権者から供託しなくてもよい旨の申出があつた場合においては、この限りでない。
 2 前項に規定する先取特権、質権又は抵当権を有する債権者は、同項の規定により供託された清算金又は減価補償金についてその権利を行うことができる。
第七節 権利関係の調整
第百十三条(地代等の増減の請求等)
 土地区画整理事業の施行に因り地上権、永小作権、賃借権その他の土地を使用し、若しくは収益することができる権利の目的である土地又は地役権についての承役地の利用が増し、又は妨げられるに至つたため、従前の地代、小作料、賃貸借料その他の使用料又は地役権の対価が不相当となつて場合においては、当事者は、契約の条件にかかわらず、将来に向かつてこれらの増減を請求することができる。
 2 前項の規定により従前の地代、小作料、賃貸料その他の使用料又は地役権の対価の増額の請求があつた場合において、同項に掲げる権利を有する者は、その権利を放棄し、又は契約を解除してその義務を免れることができる。
第百十四条(権利の放棄等)
 土地区画整理事業の施行に因り地上権、永小作権、賃借権その他の土地について使用し、若しくは就役することができる権利又は地役権を設定した目的を達成することができなくなつて場合においては、これらの権利を有する者は、その権利を放棄し、又は契約を解除することができる。
 2 前項の規定により権利を放棄し、又は契約を解除しようとする者は、当該宅地(地役権については、当該要役地)を他の者に使用させ、又は収益させている場合においては、その者の同意を得なければならない。
 3 第一項の規定により権利を放棄し、又は契約を解除した者は、その権利を放棄し、又は契約を解除したことに因り生じた損失の補償を施行者に対して請求することができる。この場合において、施行者が損失の補償をしたときは、施行者は、当該宅地(地役権については、当該承役地。以下本項において同じ。)の所有者又は当該宅地をその損失の補償を受けた者に使用させ、若しくは収益させていた者に対して、その者が受ける利益の限度において求償することができる。
 4 第七十三条第二項及び第三項の規定は、前項前段の規定による損失の補償について準用する。この場合において、これらの規定中「損失を与えた者」とあるのは、「施行者」と読み替えるものとする。
第百十五条(地役権の設定の請求)
 土地区画整理事業に施行に因り従前と同一の利益を受けることができなくなつた地役権者は、その利益を保存する範囲内において、地役権の設定を請求することができる。但し、第百十三条第一項の規定による請求に基く地役権の対価の減額があつた場合においては、この限りでない。
第百十六条(移転建築物の賃貸借料の増減の請求等)
 土地区画整理事業の施行に因り建築物が移転された結果、その建築物の利用が増し、又は妨げられるに至つたため、従前の賃貸借料が不相当となつた場合においては、当事者は、契約の条件にかかわらず、将来に向かつて賃貸借料の増減を請求することができる。
 2 前項の規定により賃貸料の増額の請求があつた場合においては、建築物について賃借権を有する者は、その契約を解除してその義務を免かれることができる。
 3 土地区画整理事業の施行に因り建築物が移転された結果、その建築物を賃借した目的を達することができなくなつた場合においては、建築物について賃借権を有する者は、その契約を解除することができる。
 4 前項の規定により契約を解除した者は、施行者に対し、その契約を解除したことに因り生じた損失の補償を請求することができる。この場合において、施行者が損失の補償をしたときは、施行者は、当該建築物の賃貸人に対して、その者が受ける利益の限度において求償することができる。
 5 第七十三条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。この場合において、これらの規定中「損失を与えた者」とあるのは、「施行者」と読み替えるものとする。
第百十七条(請求の期限)
 第百三条第四項の公告があつた日から起算して二月を経過した日後は、第百十三条第一項の規定による地代等の増減の請求、第百十四条第一項の規定による権利の法規若しくは契約の解除、第百十五条の規定による地役権の設定の請求、前条第一項の規定による賃貸借料の増減の請求又は同条第三項の規定による契約の解除の請求は、することができない。
第八節 住宅先行建設区における住宅の建設
第百十七条の二(住宅先行建設区における住宅の建設)
 第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地について所有権又は住宅の所有を目的とする借地権を有する者は、換地計画において当該宅地についての換地が住宅先行建設区内に定められた場合においては、第百三条第四項の公告があつた日の翌日から起算して指定期間(その期間内にこれらの者が建設計画に従つて住宅を建設すべきものとして規準、規約、定款又は施行規定で定められたものをいう。次項において同じ。)を経過する日までに、当該宅地についての換地に、建設計画に従つて住宅を建設しなければならない。
 2 前項に規定する場合において、第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地について、第九十八条第一項の規定により換地計画に基づき当該宅地についての換地となるべき住宅先行建設区内の土地に仮換地が指定されたときは、当該宅地について所有権又は住宅の所有を目的とする借地権を有する者は、前項の規定にかかわらず、同条第四項に規定する日(第九十九条第二項前段の規定により当該仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定めた場合においては、その日)から起算して指定期間を経過する日までに、当該仮換地(第百三条第四項の公告の日があつた場合においては、当該公告があつた日の翌日以後は当該宅地についての換地。次項において同じ。)に、建設計画に従つて住宅を建設しなければならない。
 3 施行者は、住宅先行建設区における住宅建設の適切な遂行を確保する上で支障があると認めるときは、第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地について所有権又は住宅の所有を目的とする借地権を有する者に対し、相当の期限を定めて、当該宅地についての換地(前項の場合にあつては、当該宅地について指定された仮換地)における住宅の建設のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
 4 施行者は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、第八十五条の二第五項の規定による指定の取消し、換地計画の変更その他必要な措置を講ずることができる。
第四章 費用の負担等
第百十八条(費用の負担)
 第三条第一項から第三項まで又は第三条の四の規定により施行する土地区画整理事業に要する費用は、施行者が負担する。
 2 第三条第四項の規定により都道府県知事又は市町村長が施行する土地区画整理事業に要する費用は、当該都道府県又は市町村が負担し、同条同項の規定により国土交通大臣が施行する土地区画整理事業に要する費用は、国が負担する。
 3 国は、第三条第四項の規定により都道府県知事又は市町村長が施行する土地区画整理事業については、前項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その土地区画整理事業に要する費用の一部を負担する。
第百十九条(地方公共団体の分担金)
 都道府県知事は、第三条第三項又は第四項の規定に因り都道府県又は都道府県知事が施行する土地区画整理事業の施行に因り利益を受ける市町村に対し、国土交通大臣は、同条第四項の規定により施行する土地区画整理事業の施行に因り利益を受ける地方公共団体に対し、その利益を受ける限度において、政令で定めるところにより、その土地区画整理事業に要する費用の一部を負担させることができる。
 2 都道府県知事又は国土交通大臣は、前項の規定により利益を受ける市町村又は地方公共団体に対し、土地区画整理事業に要する費用の一部を負担させようとする場合においては、あらかじめ、当該市町村又は地方公共団体の意見を聞かなければならない。
第百十九条の二
 地方公社は、地方公社が施行する土地区画整理事業の施行により利益を受ける地方公共団体に対し、その利益を受ける限度において、その土地区画整理事業に要する費用の一部を負担することを求めることができる。
 2 前項の場合において、地方公共団体が負担する費用の額及び負担の方法は、地方公社と地方公共団体とが協議して定める。
 3 前項に規定する協議が成立しない場合においては、当事者の申請に基づき、国土交通大臣が裁定する。この場合において、国土交通大臣は、当事者の意見を聴くとともに、自治大臣と協議しなければならない。
第百二十条(公共施設管理者の負担金)
 都市計画において定められて幹線道路その他の重要な公共施設で政令で定めるものの用に供する土地の造成を主たる目的とする土地区画整理事業を施行する場合においては、施行者は、他の法律の規定に基づき当該公共施設の新設又は変更に関する事業を行うべき者(以下本条において「公共施設管理者」という。)に対し、当該公共施設の用に供する土地の取得に要すべき費用の額の範囲内において、政令で定めるところにより、その土地区画整理事業に要する費用の全部又は一部を負担することを求めることができる。
 2 施行者は、前項の規定により公共施設管理者に対し、土地区画整理事業に要する費用の全部又は一部を負担することを求めようとする場合においては、あらかじめ、当該公共施設管理者と協議し、その者が負担すべき費用の額及び負担の方法を事業計画において定めておかなければならない。
第百二十一条(補助金)
 国は、第三条第三項の規定により施行する土地区画整理事業が大規模な公共施設の新設若しくは変更に係るものである場合又は災害その他の特別の事情に因り施行されるものである場合において、必要があると認めるときは、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その土地区画整理事業に要する費用の一部に充てるため、その費用の二分の一以内を施行者に対し補助金として交付することができる。
第五章 監督
第百二十二条
 削除
 
第百二十三条(報告、勧告等)
 国土交通大臣は都道府県、市町村、都道府県知事又は市町村長に対し、都道府県知事は個人施行者、組合、市町村又は市町村長に対し、市町村長は個人施行者又は組合に対し、それぞれその施行する土地区画整理事業に関し、この法律の施行のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその施行する土地区画整理事業の施行の促進を図るため必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。
第百二十四条(個人施行者に対する監督)
 都道府県知事は、個人施行者の施行する土地区画整理事業について、その事業又は会計がこの法律(これに基づく命令を含む。以下この章において同じ。)若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、規約、事業計画若しくは換地計画に違反すると認める場合その他監督上必要がある場合においては、その事業又は会計の状況を検査し、その結果、違反の事実があると認める場合においては、その施行者に対し、その違反を是正するため必要な限度において、その施行者のした処分の取消し、変更若しくは停止又はその施行者のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。
 2 都道府県知事は、個人施行者が前項の規定による命令に従わない場合においては、その施行者に対する土地区画整理事業の施行についての認可を取り消すことができる。
 3 都道府県知事は、前項の規定により認可を取り消した場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
 4 個人施行者は、前項の公告があるまでは、認可の取消に因る土地区画整理事業の廃止をもつて第三者に対抗することができない。
第百二十五条(組合に対する監督)
 都道府県知事は、組合の施行する土地区画整理事業について、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基く行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは換地計画に違反すると認める場合その他監督上必要がある場合においては、その組合の事業又は会計の状況を検査することができる。
 2 都道府県知事は、組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、その組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基く行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは換地計画に違反する疑があることを理由として組合の事業又は会計の状況の検査を請求した場合においては、その組合の事業又は会計の状況を検査しなければならない。
 3 都道府県知事は、前二項の規定により検査を行つた場合において、組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基く行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは換地計画に違反していると認めるときは、組合に対し、その違反を是正するため必要な限度において、組合のした処分の取消、変更若しくは停止、又は組合のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。
 4 都道府県知事は、組合が前項の規定による命令に従わない場合又は組合の設立についての認可を受けた者がその認可の公告があつた日から一月を経過してもなお総会を招集しない場合においては、その組合の設立についての認可を取り消すことができる。
 5 都道府県知事は、第三十二条第三項の規定により組合員から総会の招集の請求があつた場合において、理事及び監事が総会を招集しないときは、これらの組合員の申出に基き、総会を招集しなければならない。第三十五条第三項又は第三十六条第四項において準用する第三十二条第三項の規定により組合員又は総代から総会の部会又は総代会の招集の請求があつた場合において、理事及び監事が総会の部会又は総代会を招集しないときも、同様とする。
 6 都道府県知事は、第二十七条第七項の規定により組合員から理事又は監事の解任の請求があつた場合において、理事がこれを組合員の投票に付さないときは、これらの組合員の申出に基き、これを組合員の投票に付さなければならない。第三十七条第四項の規定により組合員から総代の解任の請求があつた場合において、理事がこれを組合員の投票に付さないときも同様とする。
 7 都道府県知事は、組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、総会若しくはその部会若しくは総代会の招集手続若しくは議決の方法又は役員若しくは総代の選挙若しくは解任の投票の方法が、この法律又は定款に違反することを理由として、その議決、選挙、当選又は解任の投票の取消を請求した場合において、その違反の事実があると認めるときは、その議決、選挙、当選又は解任の投票を取り消すことができる。
第百二十六条(都道府県、市町村に対する監督)
 国土交通大臣は、都道府県、市町村、都道府県知事又は市町村長に対し、これらの者が施行者として行う処分又は工事が、この法律又はこれに基く国土交通大臣若しくは都道府県知事の処分に違反していると認める場合においては、土地区画整理事業の適正な施行を確保するため必要な限度において、その処分の取消、変更若しくは停止又はその工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。
第百二十七条(不服申立て)
 次に掲げる処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
 一 第十四条第一項又は第三十九条第一項の規定による認可
 二 第二十条第三項(第三十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知
 三 都道府県又は市町村が第五十二条第一項の規定によつてする事業計画の決定(事業計画の変更を含む。)
 四 第五十二条第一項又は第五十五条第十二項の規定による認可
 五 第五十五条第四項(同条第十三項において準用する場合を含む。)の規定による通知
 六 国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長が第六十六条第一項の規定によつてする事業計画の決定(事業計画の変更を含む。)
 七 第六十六条第一項又は第六十九条第十二項の規定による認可
 八 第六十九条第四項(同条第十三項において準用する場合を含む。)の規定による通知
 九 第六十九条第十四項の規定によつてする同条第四項(同条第十三項において準用する場合を含む。)の規定による通知に準ずる処分
 十 第七十一条の二第一項又は第七十一条の三第十四項の規定による認可
 十一 第七十一条の三第八項(同条第十五項において準用する場合を含む。)の規定による通知
 十二 第八十八条第四項(第九十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定による通知
第百二十七条の二
 前条に規定するものを除くほか、組合、市町村、都道府県又は地方公社がこの法律に基づいてした処分その他公権力の行使に当たる行為(以下この条において「処分」という。)に不服がある者は、組合、市町村又は市のみが設立した地方公社がした処分にあつては都道府県知事に対して、都道府県又は地方公社(市のみが設立したものを除く。)がした処分にあつては国土交通大臣に対して行政不服審査法による審査請求をすることができる。
 2 前項の審査請求につき都道府県知事がした裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して再審査求をすることができる。
 3 市町村長がこの法律に基づいて施行者としてした処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して再審査請求をすることができる。
第六章 雑則
第百二十八条(土地区画整理事業の重複施行の制限及び引継)
 現に施行されている土地区画整理事業の施行地区となつている区域については、その施行者の同意を得なければ、その施行者以外の者は、土地区画整理事業を施行することができない。
 2 現に施行されている土地区画整理事業の施行地区となつている区域について、前項の同意を得て、新たに施行者となつた者がある場合においては、その土地区画整理事業は、新たに施行者となつた者に引き継がれるものとする。
 3 個人施行者又は組合は、第一項に規定する同意を与えようとする場合において、土地区画整理事業の施行のための借入金があるときは、その土地区画整理事業の引継についてその債権者の同意を得なければならない。
 4 第二項の規定により個人施行者又は組合が施行していた土地区画整理事業が引き継がれた場合においては、当該施行地区となつている区域について新たに施行者となつた者に係る第九条第三項(第十条第三項において準用する場合を含む。)、第二十一条第三項、第三十九条第四項、第五十五条第九項(同条第十三項において準用する場合を含む。)、第六十九条第九項(同条第十三項及び第十六項において準用する場合を含む。)又は第七十一条の三第十一項(同条第十五項において準用する場合を含む。)の公告があつた日において、当該個人施行者が施行する土地区画整理事業は廃止されるものとし、当該組合は解散するものとする。
 5 第二項の規定により土地区画整理事業を引き継いで施行することとなつた施行者は、引き継がれることとなつた施行者が土地区画整理事業の施行に関して有していた権利義務(その者がその施行する土地区画整理事業に関し、行政庁の許可、認可その他の処分に基いて有する権利義務を含む。)を承継する。
第百二十九条(処分、手続等の効力)
 土地区画整理事業を施行しようとする者、組合を設立しようとする者若しくは施行者又は土地区画整理事業の施行に係る土地若しくはその土地に存する工作物その他の物件について権利を有する者の変更があつた場合においては、この法律又はこの法律に基づく命令、規準、規約、定款若しくは施行規程の規定により従前のこれらの者がした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者がしたものとみなし、従前のこれらの者に対してした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者に対してしたものとみなす。
第百三十条(宅地の共有者等の取扱い)
 宅地の共有者若しくは共同借地権者又は宅地の同一部分に二人以上の借地権者がある場合のこれらの借地権者は、第八条(第十条第三項において準用する場合を含む。)、第十八条(第三十九条第二項において準用する場合を含む。)、第二十五条第一項、第五十八条第一項(第七十条第三項及び第七十一条の四第三項において準用する場合を含む。)並びに第六十三条第一項及び第二項(第七十条第三項及び第七十一条の四第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、併せて一の所有者又は借地権者とみなす。ただし、これらの者のみにより土地区画整理事業を施行しようとし、若しくは施行する場合又はこれらの者のみにより組合を設立しようとし、若しくはこれらの者のみが組合の組合員となつている場合においては、この限りでない。
 2 前項本文の規定により一の所有者又は借地権者とみなされる者は、それぞれのうちから代表者一人を選任し、その者の氏名及び住所を施行者に通知しなければならない。
 3 前項の代表者の権限に加えた制限は、これをもつて、施行者に対抗することができない。
 4 第二項の代表者の解任は、施行者にその旨を通知するまでは、これをもつて施行者に対抗することができない。
 5 第二項の規定により代表者を選任しなければならない場合において、同項の規定による通知がないときは、施行者がこの法律又はこの法律に基づく命令、規準、規約、定款若しくは施行規程の規定により第一項本文に掲げる者に対してする行為は、これらの者のうちいずれか一人に対してすることをもつて足りる。
第百三十一条(公有水面の取扱)
 公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第二条第一項に規定する免許を受けた者がある場合においては、この法律の規定の適用については、その免許に係る水面を宅地とみなし、その者を宅地の所有者とみなす。
第百三十二条(債権者の同意の基準)
 第十条第二項、第十三条第三項、第三十九条第三項、第四十五条第四項、第五十条第四項又は第百二十八条第三項の規定による同意を求められた債権者は、正当な事由がある場合を除いては、その同意を拒むことができない。
第百三十三条(書類の送付にかわる公告)
 施行者は、土地区画整理事業の施行に関して書類を送付する場合において、送付を受けるべき者がその書類の受領を拒んだとき、又は過失がなくてその者の住所、居所その他書類を送付すべき場所を確知することができないときは、政令で定めるところにより、その書類の内容を公告することをもつて書類の送付にかえることができる。
 2 前項の公告があつた場合においては、その公告があつた日から起算して十日を経過した日に、当該書類が送付を受けるべき者に到達したものとみなす。
第百三十四条(意見書の提出の期間の計算等)
 この法律の規定により意見書が郵便で差し出されたときは、郵送の要した日数は、期間に算入しない。
 2 この法律の規定による意見書は、その提出期間が経過した後においても、容認すべき事由がある場合においては、受理することができる。
第百三十五条(他の工事の費用の負担)
 土地区画整理事業の施行に因りその施行地区に隣接する鉄道若しくは軌道の踏切又は橋の新設若しくは変更の工事を施行する必要が生じた場合においては、その工事に要する費用は、その必要を生じた限度において、施行者が負担するものとする。
 2 前項の工事の設計及び施行方法は、当該工事を施行する者と当該施行者との協議により定めなければならない。
第百三十六条(土地区画整理事業と農用地等の関係の調整)
 都道府県知事は事業計画若しくは事業計画の変更について審査する場合又は事業計画を定め、若しくは変更しようとする場合において、地方公社(市のみが設立したものを除く。)は第七十一条の二第一項の事業計画を定め、又は変更しようとする場合において、当該土地区画整理事業が、都市計画法第七条第一項の市街化区域と定められた区域外の農用地の廃止を伴うものであるとき、又は用排水施設その他農用地の保全若しくは利用上必要な公共の用に供する施設を廃止し、変更し、その他これらの施設の管理若しくはこれらの施設の新設若しくは改良に係る土地改良事業計画に影響を及ぼすおそれがあるときは、当該事業計画又はその変更について、都道府県農業会議及び当該施設を管理する土地改良区の意見を聴かなければならない。ただし、政令で定める軽微なものについては、この限りでない。
第百三十六条の二(大都市の特例)
 この法律中都道府県知事の権限に属する事務で政令で定めるものは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下本条中「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下本条中「中核市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市又は中核市(以下本条中「指定都市等」という。)の長が行うものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事に関する規定は、指定都市等の長に関する規定として指定都市等の長に適用があるものとする。
第七章 罰則
第百三十七条
 個人施行者(法人である個人施行者にあつては、その役員又は職員)又は組合の役員、総代若しくは職員(以下「個人施行者等」と総称する。)が、その職務に関して賄ろを収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、七年以下の懲役に処する。
 2 個人施行者等であつた者がその在職中に請託を受けて職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかつたことに関し賄ろを収受し、要求し、又は約束したときは、三年以下の懲役に処する。
 3 個人施行者等がその職務に関し請託を受けて第三者に賄ろを供与させ、又はその供与を約束したときは、三年以下の懲役に処する。
 4 犯人又は情を知つた第三者の収受した賄ろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第百三十八条
 前条第一項から第三項までに掲げる者に対してわいろを供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
 2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を軽減し、又は免除することができる。
第百三十九条
 第七十二条第一項の規定による土地の立入りを拒み、又は妨げた者は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第百四十条
 第七十六条第四項の規定による命令に違反して土地の原状回復をせず、又は建築物その他の工作物若しくは物件を移転し、若しくは除却しなかつた者は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第百四十一条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第百三十九条又は前条に規定する違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第百四十二条
 第八十一条第二項の規定に違反して、同条第一項の規定による標識を移転し、除却し、汚損し、又はき損した者は、二十万円以下の罰金に処する。
第百四十三条
 次の各号の一に掲げる場合においては、個人施行者は、二十万円以下の過料に処する。
 一 第十条第二項、第十三条第三項又は第百二十八条第三項の規定に違反したとき。
 二 第百二十四条第一項の規定による都道府県知事の検査を妨げたとき。
 三 第百二十四条第一項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。
第百四十四条
 次の各号に掲げる場合においては、その行為をした組合の理事、監事又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。
 一 組合が土地区画整理事業以外の事業を営んだとき。
 二 第三十九条第三項、第四十五条第四項、第五十条第四項又は第百二十八条第三項の規定に違反したとき。
 三 第四十七条又は第四十九条に掲げる書類に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。
 四 第四十八条の規定に違反して組合の残余財産を処分したとき。
 五 第百二十五条第一項又は第二項の規定による都道府県知事の検査を妨げたとき。
 六 第百二十五条第三項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。
 七 国土交通大臣、都道府県知事若しくは市町村長又は総会、総会の部会若しくは総代会に対し、不実の申立てをし、又は事実を隠ぺいしたとき。
 八 組合がこの法律の規定による公告をすべき場合において、公告をせず、又は不実の公告をしたとき。
第百四十五条
 次の各号の一に掲げる場合においては、個人施行者は、五万円以下の過料に処する。
 一 第八十四条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。
 二 第八十四条第二項の規定に違反して簿書の閲覧を拒んだとき。
第百四十六条
 次の各号に掲げる場合においては、その行為をした組合の理事、監事又は清算人は、五万円以下の過料に処する。
 一 第二十八条第七項の規定に違反したとき。
 二 第三十二条第一項(第三十六条第四項において準用する場合を含む。)又は第三項から第五項まで(第三十五条第三項及び第三十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
 三 第八十四条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。
 四 第八十四条第二項の規定に違反して簿書の閲覧を拒んだとき。
第百四十七条
 第三十二条第七項の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。
第百四十八条
 第二十三条第二項の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。